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母と娘のランドセル戦線2018

ランドセル選びの思い出

先日、Twitterを眺めているとこんなツイートを目にした。

ランドセル選び。そうだ。昨年、私も娘とひと悶着あったなぁ…と、1年前のことを思い出した。

ラン活(=小学校入学を控えた子供のランドセルを選び、購入するための活動を指す造語)という言葉を初めて聞いたのは、2年前のことだった。

ランドセル工房のサーバーがダウンして、購入に苦労したという話を友人に聞いた。

ランドセルを買うのって、そんなに大変なことになっているのかー。なんて思っているうちに、我が家もランドセルを購入する時期が訪れた。

サーバーダウンまではしないまでも、工房の見学やランドセル商談会イベントは各地で行われていて、ラン活市場は盛況している。

まずはカタログを取り寄せてみた。おしゃれなカタログには革見本までついてくる。それも、お子様の性別に合わせた色見本。我が家の場合、男女2パターンで請求したので、カラフルな革見本にテンションが上った。

カタログを眺めていると、好きな色はピンクを通過し、水色の世界の住人だった娘は「水色かわいいー!ランドセルは水色がいいー」といった。

「なぬ?…水色?」これはちょっと彼女のブーム的に想定の範囲内ではあるけど(母的にはナイ)…「ふーん、水色ねー。ママは赤がかわいいと思うけどね」と言ってこの会話は終わった。

戦いのゴング

その後、夫の実家の近くにランドセル工房があるとのことで、見に行ってみることになった。

そこにはカラフルなランドセルが並んでいた。その中から娘が選んだのは、メタリックエメラルドグリーンのランドセルだった。そうだ、彼女はブルー系の色味を大変好んでいる。

「これがいい!!」

言うと思った。。。(ちなみに第2希望がメタリックブルーで、第3希望がメタリックパープル、完全にブルー✕メタルにやられていた…。)

とりあえず、今日は下見だから。ということで、まずは背負ってみよう。とランドセルを背負わせてもらうと、ふたりともよろけた。

年長さんになったばかりの双子は細身で、息子に至っては4〜5歳の体格なので、ランドセルが歩いている感じだった。

そこに教科書の見本を入れてみると、猫背気味に「重たい〜、むり〜、肩が痛い。。。」とギブアップ。

1年後に1年生になるとはいえ、1年間の成長に期待するとしても不安が募る。毎日ランドセルを背負って学校へ行くって、想像以上に大変そうだ。

とりあえず、娘の選んだ色について同意できずにいた私は、よろける問題も引っかかるので、そこでの購入を見送ることに。

すると娘は、「ママは自分が小さい頃、赤いランドセルしか無かったから、ランドセルは赤がいいって言うんでしょ。どうせ赤いランドセルしかダメなんでしょ!!」と言ってきた。

当時5歳の娘からそんなことを言われるとは。たしかにそのとおりだった。私の小さい頃は赤いランドセルしかなかった(いや隣のクラスの子が一人チェリーピンクのランドセルでとっても目立っていた。)そんな時代だった。

男の子のランドセルは黒、女の子のランドセルは赤。そんな風に無意識に刷り込まれているのかもしれない。でもだからとってエメラルドグリーンのランドセル!イイね!とも思えなかった。

「そうだね、ママが子供の頃は赤いランドセルしか無かったから、赤いランドセルがいいって思うのかもしれない。今日のお店のランドセルは、二人ともよろけてたから、もう少し調べてから買ったほうがいいと思って、今日は買わないことにしたんだよ。」と説明して終わった。

その日以来、娘は保育園に行く道中で小学生とすれ違うたび「ほら水色」「ほら紫」とジャブを打ち続けた。

そして学童の見学に行った時には、ロッカーに並ぶカラフルなランドセルを見て「ほら、みんな赤じゃないじゃん!色んな色じゃん!」と言ってきた。

クールダウン

【母の脳内】
・女児のランドセルといえば「赤」と思っている?
 ⇒別に女児でも黒でも良いと思う。
・エメラルドグリーンがひっかかる?
 ⇒そう、単純に私の好みではない。
 ⇒メタリックなラメが抵抗あり
 ⇒色よりも側面のデコデコの装飾が頂けない
・購入時には気に入っていても、1年後にその色のブームが去っていることが予見される(実際ピンク⇒水色⇒エメラルドグリーンと変遷している)
・本革がよいと思ってる?
 ⇒本革はたしかに物はいいけど、重たい。
 ⇒都度親が手入れをできる気がしない。
 ⇒うちの双子の体型的には合わない。
・色んな選択肢のある時代に生きているのだから、その中から選べばよいのではないか。

考えてみると、人と違うからというよりは、単純に私の好みの問題で承服しかねている気がしてきた。そもそもランドセル選びの決定権って誰にあるんだろう?とも思うようになっていた。ランドセルを使う本人?保護者?お金を出す人?

そんな時、自分がランドセルを買ってもらった日のことを思い出した。一緒に選んだ記憶はないので、恐らく母が買ってきた赤いランドセルだった。

そのランドセルにはちょっとした秘密があって、当時は珍しい自動ロックがついていた。お友達はカチっと鍵をかけるのに、私のランドセルは、ちょっと強めに金具を押すとロックがかかる。

クラスメイトとはちょっと違うランドセルが、とても気に入っていた。あのランドセルで学校行くのが誇らしかった。

当時の私のように、娘にはこのランドセルで学校行くのが嬉しい。と思えるようなランドセルを選んでほしい。特に小学校1年生は毎日ドキドキの連続だろうから、そんな時にお気に入りのランドセルがあれば少しは力が出るだろう。と思いを改めた。

それがもしエメラルドグリーンならばそれでいい。学校に行くのは娘なんだし。ただし、身体に合ったものという条件だけは必須にしよう。そう決めて改めてリサーチを開始した。

新たなフィールドへ

リサーチの主軸を変えたことで、ランドセル専門店なるお店を発見した。「ランドセル選びで一番大事なことは身体に負担をかけないこと」というフレーズの元、ランドセル選び方講座の記事はとても参考になった。このお店こそ、まさに私が求めているものではないか!ということで、さっそくお店を訪ねてみた。

ランドセルを熟知したスタッフさんによる、丁寧なフィッティング。娘と息子それぞれの体型に合わせた、全く異なるタイプのランドセルを提案された。

このお店で学んだことだが、ランドセルは、素材、縫製、背中のクッションや肩ひものつくり、重さを分散させるバネの有無など様々な要素が絡み合って出来ている。

驚いたことに、それぞれ提案されたランドセルを背負ってみると、子どもたちの姿勢がスッとまっすぐになり、「楽!!軽い」と言った。前回のお店では「重たい、もう無理」と根を上げていたのに、こうも違うのか!と衝撃を受けた。

まずは身体に合うタイプのランドセルの型を決めた上で、そこからデザインを選ぶことにした。

私はもう何も言うまい。と決めていたので、娘には(息子にも)「何色でも良いよ。」と伝えた。

双子父はびっくりして「え??前回あんなに渋っていたのに??」と私を二度見した。隣の机では、赤推し母VSラベンダー推し娘の冷戦が繰り広げられていて、そんな中、私の「何色でもいい」発言が静かな店内に響いてしまった。お隣さん、すみません。

何色でもよい。と発言したら、ベテランのランドセルフィッターさんが「お母さんがそうやって言うの珍しいですよ。娘ちゃん、よかったねー。」と娘に言った。

娘は「どうせママは赤推し。」と思っていたので、私の翻意に驚いていた。そしてフィッターさんは続けた。

「でもね、実際に色で揉めてね、大変な場合は入学式後に買い換えるお客さんもいるぐらいなんですよ、入学式行ってみたら、色とりどりのランドセルを見ちゃって大泣きしてもう学校行かないって。だからね、お母さん理解ある。」と言われた。

理解があるわけではなく、すでにそのターンを越えて今に至っているだけだけど…一回は揉めておいてよかったのかもしれない。

「娘が楽しく学校に行けそう。と思うものなら何でもいいよ。でも6年生まで使うものだから、お姉さんになっても使いたいって思えるようなものを選んだほうがいいと思うよ。」とだけ伝えて、あとは娘にまかせてみた。

前回希望していたメタリックなエメラルドグリーンはないものの、鮮やかなエメラルドグリーンやブルー・パープルが並んでいる。

娘は何色を選ぶかな?と思いながら見ていたら、娘が選んできたのは茶色いランドセルだった。茶色にミントグリーンのステッチで、カバーを開けると中にはピンクのリボンの刺繍もついている。

「かわいいね!」というと「でしょ!お姉さんっぽいでしょ!これがいい!このリボンがお気に入りなんだ〜」と娘はニッコリ笑った。

ちなみに、息子はあっさり黒×赤いステッチのランドセルを選んだ。とりあえず身体に合うことを一番に、次は耐久性を重視して、ランドセル背負ったまま寝っ転がっても大丈夫!というものだ。

こうして無事に双子それぞれのランドセル購入を終えた。

今一年生になった双子の様子を見ていると、結局交通安全の黄色いカバーをつけますよ。という話になるのだけれど、ランドセルは6年間の相棒だから本人たちが気に入ったものを買えてよかった。

(息子の撮影した2人のランドセル)

娘とのバトルを通して、私も少し大人になれた気がする。

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