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ヨーグルトの準備にみる夫婦の関係性

毎朝のヨーグルト

「ヨーグルトのある食卓」と考えて、真っ先に頭に浮かんだのは実家の朝食だった。私の実家ではお正月以外、ほぼ毎日と言ってよいほど、朝の食卓にヨーグルトが並ぶ。

それもバナナヨーグルト。トッピングはなんでもござれ。

・ブルーベリージャム
・季節のくだもの
・黒ごま
・きなこ
・オリゴ糖
・酵素パウダー
・アーモンド
・くるみ

実家のキッチンの一角には、いつの間にかヨーグルトトッピングコーナーができていた。ほどよい持ち手のついたトレーにトッピングが並んでいる。

父の変化

両親が毎朝ヨーグルトを食べ始めたのはいつの頃だろう。私が学生時代に一緒に住んでいた頃はそんな習慣はなかったはず。
社会人になり、結婚して、突然娘(=私)が双子を妊娠したことで、里帰り出産をすることになった。その頃実家の食卓には毎朝ヨーグルトが並ぶようになっていた。

父が仕事を退職し、両親の生活スタイルが変化した頃から食べる様になったのかも知れない。

長期入院をへてようやく双子を出産した私は、双子を連れて3人で実家に帰った。怒涛の双子育児がスタートし、毎朝母の作ってくれたバナナヨーグルトを食べるようになった。そこで、ふと気づいた。

仕事をしている時、家のことを何もしなかった父がバナナヨーグルトのトッピングののったトレーを運び、朝食の準備をしていること。
冷蔵庫のブルーベーリージャムも、ヨーグルト用のスプーンも、父が用意してくれていること。

この行動の変化には、私はとても衝撃を受けた。厳しくて優しいけど厳しい父だった。九州生まれの男子厨房に入らず。を絵に描いたような人だった。そんな父がトレーを運んでいるではないか。快挙!!これは何事!!

私は里帰りという環境を享受しまくり、毎朝母の作ってくれたバナナヨーグルトに、父が運んでくれたトッピングを好き放題かけて食べる生活。今まで私の中にあった父親は姿を変え、そこには祖父になり家のことを積極的に行う姿だけがあった。

父の変貌はヨーグルトの準備にとどまらず、ゴミ捨て全般(双子の大量のオムツも父が捨ててくれた。)お風呂掃除、双子のミルクの調乳もしてくれた。コーヒーを淹れてくれることもあった。正直、父がこんなにはたらく人だと思っていなかった。

父の退職後、両親の間にはどんな時間が流れたのだろう。2人の間にどんな変化があったのだろう。母は父に要望を言うタイプではない。「トレーを運んで。」なんて言ったはずがない。とすると父が自発的に変わったのかと思う。私が里帰りしたことがきっかけではなく、すでにそこには夫婦の家事分担スタイルが出来上がっていた。

日常の風景

今でも実家に帰ると、変わらずバナナヨーグルトが出るし、トッピングのトレーは父が準備してくれる。赤ちゃんだった双子は、今では自分たちで好き放題トッピングをかけるようになった。娘はオリゴ糖ときな粉派、息子はブルーベリーに黒ごまきな粉酵素派だ(←ほぼ全部ww)。

夏休みも、祖父母の家に遊びに行き、バナナヨーグルトを食べることを心待ちにしている。今度帰省した時には、両親に夫婦の家事分担について話を聞いてみたい。

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