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VCT LOCK//IN2023FNC vs LOUD Fracture 分析


Fractureを選んだ理由について

VCT LOCK//INでFractureは全13試合で行われ、被りがなかった。つまり新環境により各チームメタを探しているといことになる。決勝まで駒を進めたチームのFractureの試合を分析することで今後構成のメタ、チームとしての方針などが知れると思ったためである。


前半Attacker FNC  Defender LOUD

構成

各ロールとスタッツ。Saadhakの調子が良くなかった。

レイズ / ブリーチ / フェイド / キルジョイ / ブリムストーン→2イニシ(FNC)
ジェット / レイズ / ブリーチ / キルジョイ / ブリムストーン→2デュエ(LOUD)

それぞれブリーチ(85%)、レイズ(75%)、ブリムストーン(75%)、と全体を見ても高い採用率を誇るエージェントを採用していることがわかる。最も多かったのが2イニシ構成だが2コントローラーや2イニシエーター、2デュエなども構成として出てきているため各チーム戦術に差が出るmapと言えるだろう。最も多い2イニシエーター構成であってもフェイド(3/8)orKAY/O(5/8)の選択肢があるがややKAY/Oの方が採用率が高い。
FNCとLOUDで違うのは2イニシ構成か2デュエ構成かということだが…スキルトレードはFNCが優勢と言えるだろう。


今大会のエージェント採用率


2022 VCT Championsエージェント採用率


前回行われた公式大会2022 VCT Championsと今大会ではメタが大きく変化している。
前回大会ではチェンバーの採用率が100%だった他レイズ30%、ネオン80%など去年と比べ大きく形を変えている。
また、今大会はATK WIN53%、DEF WIN47%に対し前回大会ATK WIN49%、DEF WIN 51%わずかではあるがメタとmap改変により若干の変化も見られる。(だってチェンバーってたくさんスキル入れても指パッチンするだけでいいんだもん、ATK側涙目だったろうな)
こういったことを予備知識としておきながら試合を見てこう。

FNCの特徴的なBuyについて

FNCはハーフシールドで武器(vandal or phantom)を購入するハーフバイを行なっている。シールドをハーフにすることで一人当たり600クレジット温存することが増える。

LOUD vsFNC AsentでのFNCとLOUDのBuy状況、緑はハーフシールドによる恩恵を受けたラウンド

画像はLOUD vs FNCのAsentでのbuy状況。15~30mのファントム頭1発になるがそれ以外での撃ち合いは基本的にヘビーシールドと変わらない。ハーフシールドBuyのおかげで取れているラウンドも存在した、他のチームにはない面白いbuyだが賛否両論あるだろう。

FNCの攻め


基本的なFNCの配置の例。アーケード,パラボラのpushに察知すると付き合わない配置をとっていた。

基本的な配置としてはキルジョイがアーケード&パラボラorメインで単体で動き、本隊にレイズを先頭とし3名を配置、もう一方のメインにpush警戒のブリムかアクションをかけ情報を取るフェイドという配置だった。
攻め方としては相手のアクションを待つ動きから合流し攻めていく動きが多かった。また、一度A,Bメインやアーケード、ドアを取れてもサイトに入るまでエリアを保持する動きも目立つ。ultを使ったセットアップももちろんあるがブリーチ、ブリムultに関してはアドリブで使うシーンが多くかなりアドリブ力の連携を重要視していることがわかる(おそらくリーグ戦に向けて)
ultに関してはかなり柔軟に使うようで人数有利や相手がエコであっても積極的に使う姿勢がある。セットアップに関してはラウンドを取ると次のラウンド相手がエコになるなど重要な局面で使用するようだ。

LOUDの守り


LOUDの守りプラン
jett,kill joyが単体で動く場面が多かった

キルジョイがサイトを守り、レイズ、ブリム、ブリーチでエリアをコントロール、jettがフリーで動く。キルジョイがサイトを一人で守るシーンも度々あった。基本的に索敵のできるキャラがいないため固まって寄る。人数をかけた守りを展開していた。全体的にはpushの動きがkillに繋がらない、もしくは上手くトレードされていたと言える。2でデュエの守りは基本的にFBを取る動きが相手に刺さらなければかなり厳しい(実際今大会LOUDのDEF取得率は36%)が少人数戦や1on1で個人の強さを発揮し6本取得、かなり上出来であろう。


FNCの攻め、LOUDの守り

前半LOUDのTime outまではFNCがLOUDのしたかったことを上手くさせなかったと言える。

4ラウンド目、FNCは武器3本の無理buyラウンド。

フェイドスキルで早めにアーケード側の人数の多さに気づき本隊に合流。

キルジョイultで上手く敵をアーケード5に固める。

設置の段階からLOUDお得意の混戦状態に持ってくため早めのリテイク(ブリーチultを使用してアーケード4地下1)が始まるがFNCがタワーからの進行を上手く遅延していく(タワーにはペイント弾,広場からサイトへの通路にはブリムモロトフ)

LOUDも上手くサイトでkillトレードをするが…

地下からアーケードを取り返したFNCがサイトに進行したLOUDを囲みラウンド取得!

このラウンドは早めのリテイクに対してスキルを活かし遅延しきれたFNCのうまさが目立ったラウンドと言える。ブリムとレイズがえらかったね(モロトフの所にシーズまで使ってる…これアドリブだよな??国内でこのアドリブ力持ってるチームいねえぞ)
LOUD側としてはエリアはないが寄れてはいたため早めにリテイクしようとする狙いがあったが地下を気にしないといけないため全員でリテイクに行けなかったのがのが敗因となった。(3:22:25~地下の進行が気になり警戒→進行するもアラームボットにより引かざるをえない形となった)
アーケードからのリテイクの場合ディフェンダー側は地下を気にする必要がある。LOUDとしては2デュエのためブリーチのスキルからのリテイクが止まった時点で地下からメインで交戦する作戦に切り替えればラウンド取得できていたかもしれない。

 LOUD TIME OUTの偉大さ

1-4でTime outを取ったLOUD。アーケード、パラボラの動きをFNC側が見ていると判断。Bメインを人数かけて交戦を仕掛けAにいるキルジョイ、OP持ちのjettという配置になっていた。FNCが1ラウンド目に使用しているBアーケードラッシュにはBメインを先に取ることで退路を塞ぎエリアを広げさせずラウンド取得。リテイクが上手く機能しないこと、少人数戦での戦いに持っていく狙いでかなり
LOUDとしては上手くAに誘い込めたラウンドとなった(裏2push持ってかれた時は流れ変わったかと思ったが)
LOUDがBメインのエリアを取ることで早めに本命のサイトを確定させることができたのが流れを大きく変えた。
FNCとしてはBメインのエリアを取り返す作戦に出たが刺さらず失敗。TIME OUTではキルジョイがラークに行く事、ディフェンダーサイドを抜ける作戦に出たが早めにアーケード側を取り返せていたLOUDがメインと上手く射線を組みラウンド取得。

 

FNC防衛の上手さ

さて後半ラウンドだがFNCがLOUDを終始圧倒する形だった。
なぜこうなったのか、要因は主に3つある。

  1. タレットを活用したコントロール

FNCのAコントロール
Bはリテイク配置になっていたパラボラエントリーの場合はAにフェイドのスキルを使用して上手くコントロールしていたであろう


LOUDの構成からするとサイトのエントリーまでに使えるスキルはブリーチのスタンやフラッシュのみ、そうなると必然的にメインの取得、エントリー前まではあまりスキルを使いたくなくなる→ドライ勝負
この癖を理解していたFNCはタレットの反応でスキルを使い敵にエリアを取らせない動きを徹底していた。

2.LOUDのpushを読んだリテイク配置
スキルトレードで優位に立てるFNCにとって最も気をつけなければならないのは人数を削られることである。LOUDからするとサイトにスキルを使い切ってしまうため人数をかけてサイトを守るか思った深く入り込みキルを狙うことでFNCのリテイクを思惑通りにさせないこの動きだがしっかり対策できていたFNCはpushが来る場所でしっかりと待っていたのだ。また、サイトでの守りを重視するあまりメイン側が薄いと見たFNC側が多くの人数をかけてメインを裏取りすることでメインからのカバーをなくしサイト奥までpushしているLOUDを孤立させていた。
(1,3,ラウンド目)

3.多彩な守り方
Fractureというmapはサイトへのアクセス方法がAメイン、パラボラ、アーケード、Bメインと4つあるため防衛側に負荷がかかる。逆にそれを逆手に取りラウンドによってコンセプトが見られた。
Aメインのキープ、Bアーケードとパラボラの挟み、Aサイト内での耐えetc…
特にBメインpush、アーケードパラボラ挟みなどで上手く相手にスキルを割かせることでエントリーのセットの形を弱くさせ、サイト内で耐える動きはLOUDにかなり刺さっていたと感じる。
FNCはLOUDの攻めの形を上手くいなし続けたため、結果として大差の勝利となった。

最後に

ここまでお読みいただきありがとうございます!
中々幼稚な文章ではありますが最後まで読んでくださった方本当に好(ハオ)です。
次はもう少しデータに基づき分析してみたいと思います…!
VCT Pacificリーグが始まったので次はそちらを…..
では!!


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