昭和一桁の父が亡くなって早35年、少し前が命日だった。
自分がとうに父の亡くなった年齢を超えてしまい、父の思い出も段々薄れてきたこの頃だが、ふっと父が使っていたフレーズが自分の口から無意識に出たときは、父を思い出す。

その中でも強烈なのは、父がよく使っていた「ももひきに糞」という何ともはしたないフレーズで、このご時世に口にしたらきっと白い目で見られること間違いなしな言葉だが、今でいう「シンデレラフィット」のことで、物などがちょうどうまく収まると、この「ももひきに・・・・」を父は毎度毎度口にしていた。

「ももひき」とはズボン下、あるいは今は「スパッツ」とか「タイツ」とか言うのかもしれないが、寒い時にズボンの下に穿くものだ。

父がこの言葉をいう度に、糞が付くならももひきの下に穿いているパンツだろうに、なんでパンツの上に穿いているももひきに付くのか？と不思議がって父に何度も聞いたが、ただの一度もそれについて答えてはくれないまま父は黄泉に渡ってしまった。

そして今日思わず自分の口からこの言葉が出たので、思い立ってネットで調べてみたら、こんなサイトが見つかった。

これを読んで「なるほど」と思わず手を打ってしまった。
これなら「付きますね！」
もしかしたら父はこれを知らずに、誰かからの伝承（父の父からかも）して使っていたかもしれない。

今みたいにネットがあれば、こんな長年の疑問も瞬時に解けるのはよいことだな～と思った半面、父の思い出として残ったのは謎だったからかもしれず、謎のままでもよかったかもしれないと思った。

ちなみに自分は息子にこの「フレーズ」を伝承できてはいないことが、実は少し寂しい。