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<漫画>『七つの大罪』感想(全体的に不評なレビュー)

 さて、最近「七つの大罪」を買って自炊したので、そのレビューを述べていきたい。もう読んだのもだいぶ前なので、記憶から消えかけている。完全に消える前に書き残しておきたい。ネタバレなどは特に大きなものはないが、楽しみにしている方は読まない方が無難だろう。もう一つの大きな注意事項として、

このレビューは全体的に否定的なレビューになっている。

 よってこの作品がすきでどうしようもない方からすると、受け入れられないかもしれない。冷静に「人は人、自分は自分」と割り切れる方だけ読み進めてもらいたい。


 さて、まずは自炊するときの話になるのだが、基本的に自炊する目的で買っても、紙の状態でいったんは全部読む→自炊する、という手順であった。これは今までずっと守られてきた。やはり漫画だと見開きなどがある。裁断のときにどうしてもノドの部分はある程度切り落としてしまうので、見開きの中央部の画面が少し削れてしまうことになる。だから、まずは紙で100%楽しむ。それから電子化する、という手順にしていた。

 ところが、「七つの大罪」だけは25巻くらいで挫折した。これ以上読み進めるのが苦痛になったのだ。35巻もあればどうしても苦痛になることもあるかもしれないが、40巻ある「トリコ」でもなんとか最後まで読めたのだから、35巻の「七つの大罪」もどうにか読めたかもしれない。しかし、途中で飽きてギブアップした。どこが受け付けなかったのか、自分なりに考えてみた。

 1.キャラの目的が同じ


「愛する女のために!」
「好きな人のために!」
「君を守るんだ!」
「お前を見捨てるわけないだろ!」
 以上、よく見る少年漫画のセリフである。これ自体は別に構わないのだが、「七つの大罪」は敵味方含めてほぼ全ての人間が「好きな人を守るため」という動機で動いている。また、上記のようないわゆる臭いセリフも、けっこう惜しみなくバンバン出てくる。こういうセリフってここぞという時に使うのであって、あまりバンバン使いまくるとありがたみがなくなってくる。しかも敵味方関係なくだから始末に悪い。たまには国のためとか、野望や野心のためとか、そういうのがあってもいいんじゃないだろうか。特に敵キャラならそういう動機があってもいいだろう(あるっちゃあるんだけど、そういうやつも結局は家族や大切な人のため、とか言い出す)。あまりに連発しすぎてチャラくなってる。電車の中などでいちゃついてるカップルが鬱陶しく思えるのと同じだと思ってくれていい。
 そう、そういう鬱陶しいカップルとイメージが重なった時点で、今度は登場キャラのほぼ全員が中学生レベルの脳みそしか持ってないようにしか見えなくなってくる。
 無論、少年漫画なんてそんなもんでいいっちゃいいのだが、全編に渡ってほぼ同じような動機で、チャラいキャラが動き回る……永遠にそれが続くので、嫌になってくるんだよなぁ……

 2.死んだと思わせる→復活、あるいは生きてました!


 このパターンも随所に見られるので、もううんざりする。もはや死んだとしても「どうせまた生きてるんだろ」という気持ちしか湧いてこないから、全く死ぬシーンも怖くないし、バトルにもハラハラしない。どうせ生きてるだろうし。エリザベスの姉も、なんか知らんけど生きてることになってた。もうめちゃくちゃでなんでもありかよ……

 3.敵が実は味方でした的な


 ギルサンダーなんて、こいつ絶対最初は敵で考えてたでしょ……途中で実は味方だった、というオチなのだが、だったら最初の村に槍投げたのはどういうことだよ? 敵のフリしてた割にはけっこう本気で投げてたし、村の水脈を止めるのも特に意味はない。あとはギーラも簡単に味方になる。こういうのはどうなんでしょう。ギーラの友人みたいなやつもそのまま味方化してバンについていくが、こんな安易に人を好きになるもんだろうか? この世界には基本的に身分とかそういうものは一切感じさせない。現代的なようだが、現代ですらいくらでも差別や身分はあるということを考えると、もうちょっとそういうのを意識させてもいいと思う。ドラゴンボールのベジータみたいなキャラってやっぱり必要なんや……
 あとは敵だった奴が、「実はさらに強大な敵に操られていました」的なオチ。これも連発されるので飽きてくる。

 4.バトルインフレの激しさ


 凄まじくインフレしていく。もう、何がなんだか分からないレベルになっていく。このあたりもドラゴンボールのセル編以降みたいな。悪い意味でのインフレバトルになっているような気がする。

 5.それ、ドラゴンボールちゃうん?


 なんかトランクスに酷似したキャラがいたぞ。
 別にパクリとかいうつもりはないし、むしろいい作品からはドンドンパクっていい作品を生み出して欲しいくらいだ。ただ、ドラゴンボールのようなバトルに付随するある程度のグロさは不可欠だろう。例えば汚い花火などだ(やっぱベジータって必要なんやな!)。
 うん、そういうのは、あまりないかな……エロもあるんだけど、ドラゴンボールって今思うとかなり下品なネタもけっこうあったよね。ああいうのがよかったんだけど……

 6.回想が多すぎ問題


 回想が多くて、時系列が行ったり来たりが激しい。けっこういろんなキャラが回想しだすので、これもまたかよ……という風になりやすい。また、回想も特に大したことなかったりする。ていうか記憶喪失、というパターン多すぎだろ……

 最後に、良かったところを述べて終わりにしたい。
 それはやはり絵に尽きるだろう。色んな絵を取り入れて、リアリティとデフォルメのバランスにも気を使っていると思われる。書き込みも激しいが、かといって画面がゴチャゴチャしていると感じたことはない。ただ単に書き込み量を増やすと、ゴチャゴチャしたうるさい感じになるものだ。
 あとは躍動感にあふれている。バトル漫画でこれは必須だろう。鳥山明もかなりうまいが、この人もかなりのレベルだと推測される。
 でも、表紙などのカラー絵はなぜか「ちょっとダサいな・・・」と思ってしまうのはなぜだろう・・・漫画の絵はすごいいいんだけどね。

 大まかに言うと、絵はすごい、ストーリーはワンパターン、ということに尽きると思う。絵だけ練習してきた人が漫画描くとこうなるよね、というパターンに割とハマっているのではないだろうか。
 まあ、色々言ったけど、それなりに面白い漫画であると思うし、一回読んでみてもいいんじゃないかな。あまり一気に買うのではなく、10巻くらい買ってみて、面白ければ続きを買えばいいと思う。
 今回のことで、あまり知らない漫画を一気に買いすぎないことにも気をつけようと思った。


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