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トキハマシティ (Demo)

Watamushi
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No.49

『トキハマシティ』

雲が 歩いてゆく
グラウンドを越えて 駅前の
コンビニも 軽く跨ぎ
固い決意 背負ったその背中

弱音 すらも従え
力強く山あい の電線を
くぐった所で 見えなくなる
街を悩ます 湿度を 携えて

ベランダ からの見慣れた景色
海は今日も遥か 遠くにあって
船々が 煙を 上げ行き交う のを眺める
冷たい風 辿り着く

嗚呼いま ここでは
時間 名前 かたち すべては消え
僕は 初めて 哀しみを 知り
この空なら自由に 飛べるような気がした


ああ いま 此処では
風がこんなにも強く吹いていて
背がのびた分 奥行きも伸びた
それでも変わらない景色は 毎朝
連なる世界に 点を打っているぼくに
二度と同じ物はないはずの その器に
寝ぼけてるうちに 気づけば いつだって
一日分を 満たしてくれていた くれていたんだ
目に見えるものだけじゃないとしたって
別に目を閉じて見た景色が本物な訳じゃない
戦いごっこでぶつかった人形 負ったその傷を
僕はちゃんと 誇ってあげられていたかな
大丈夫 いま僕らが必死で燃やしているものは
決して燃え尽きることのないものだ


ペインティン グナイフで
掬った絵の具 そのひとつひとつに
か弱い 心を 隠し 小さい 汗すら ただの
涙のしずくだと おおお

そんな 顔をしながら 淡々と積みあげた
恵まれた僕らは それでも やっとありつけた
食事 さえ食べかけのままで 遊びに出掛けよう!


夜明け 間近 鳴らす テールランプ
飛ばす ハイウェイ すれ違う タンクローリー
端的な景色が 目の端に チラチラ チラチラ
事故がこわくて 前しか見れない 前しか見ない


ねえ、太(ぶっとい)幸感が 波のように 押し寄せて きて
これから いつでも 僕自身で あの風を 吹かすよ