好きでした。

「好きだァァァ」届くはずの無い言葉を君に向けて大きな声で叫ぶ。
君がいなくなってもう4年が経つ、けどまだ君が忘れられず、何をするにも君が脳の片隅にいる。歩くスピードだって君がいた時のまんま。机の上には君から貰った最後の手紙。それを見てもっと悲しくなる。
君が「私の分まであなたが生きて」それが最後の言葉だった。

君と出会ったのは中学生頃だっただろうか、俺は地元じゃ有名なヤンキーだった。中学初日にして俺に話しかけて来る人なんかいる訳もなく、いつも通り一人で過ごすのだろうと思っていた。別に一人でも二人でも関係はないが。
それから数日が経ったころ君が
「ねぇ、大輝君ってほんとにヤンキーなの?」と声を掛けてきた。こいつは怖いもの知らずなのか?と思いながらも
「まぁ、一般的に見ればそうだろうな」と返すと
「えー、全然ヤンキーなんかに見えない」また君が言う。ほんとにこいつは目が付いてるのだろうか。金髪てピアス開けて毎日遅刻し、制服も着崩して、こんな奴を見てヤンキーと思わない方がおかしい。
「お前俺が怖くねぇのか?この辺じゃ喧嘩負け無しの不良ってやつなんだぞ?」
「全然怖くないよ!」と君が笑顔で言い、友達の所へ戻って行った。
「なんだったんだよあれは」と思いながらも気にせずそのまま学校を早退した。
それからと言うもの毎日毎日昼休みに声をかけてくる奴がいる。まぁそれはこの間のあいつなんだけどな。
そこで俺はふと思ったあいつは俺の名前知ってるのに俺はあいつの名前を知らねぇな。と思い次の日昼休みになると声をかけえきた時俺は聞いた。
「お前名前なんて言うんだ?」
「えー、同じクラスなのにひどーい笑わたし楓!吹雪楓って言うんだ!大輝君の前の席だよ!」
笑顔で自己紹介をしてくれた。
「お、おう」
そんな元気よく自己紹介されたらこっちが気まづくなんだけど。
それからも毎日毎日昼休みたわいもない会話をして。いつもは笑わなかったが楓といる時はなんだか楽しくて、それを毎日楽しみとして学校へ行っていた。
ある日楓が学校を休んだ。俺は「ふつーの風邪だろ」と思い気にせず学校を過ごしていた。けどやっぱりあいつが居なきゃ学校なんておもんねぇな。そのまま早退して家へ帰った。
それから次の日もまたその次の日も休み、あいつが休んで1週間が経つ。俺は不安になり先行へあいつのことを聞きに行った。すると先行は
「あー、そーだったな、まだ言ってなかったな。吹雪さんは今○○病院で入院してるんだ」
俺は状況を理解できなかった。
「は?あいつが入院?なんであいつは入院したんだよ」
俺は焦りまくっていた
「私もちゃんと説明されたわけじゃないが病気らしんだ。」
は、こいつ何言ってんだ。あいつが、あいつが病院で入院?信じたくなかったが俺は○○病院まで走り出した。
病院に着くと俺は猛ダッシュで楓の病室まで向かった。
「楓!」
ドアを開けると同時に声を上げた。
「あ、大輝君来てくれたんだ。ありがとう」
いつも通り笑っていたが、俺にはわかる、本当に笑っている時と違うと。
「お前あと何日で退院なんだ?」
「私退院出来ないんだ。なんか思い病院でもうあと数日しか生きれないらしい。笑っちゃうよね」
あと数週間しか生きれない?死ぬ?俺は理解が追いつかなかった。
「笑い事じゃねーだろ!お前が居なきゃ俺はまた学校で一人で...お前が居たから学校が楽しくなって、お前と昼休み話すのが楽しみで俺は俺はお前が居なきゃずっと一人なんだよ。」
「大丈夫だよ。大輝君なら。きっと、みんなも大輝君の良さに気づき始めるから、私が死んだら親友の咲良にお願いしとくよ。」
「違う。俺はお前じゃなきゃダメなんだよ。」
気づいたら俺は泣き叫んでいた。
「ありがとう。でも私あと数日しか生きられないから。大輝君には悲しい思いをして欲しくないの」
「まだ数日もあるんだろ。ならその数日を俺が毎日を最高の日々にしてやるよ!絶対お前を死なせない」
「そうだね、まだ数日もあるもんね笑ありがとう」
一番辛いのは楓のはずなのになんであいつはずっと笑顔なんだよ。
その次の日から俺は毎日毎日楓が死ぬまでの間ずっと側に居て、いつも通りたわいもない会話で盛り上がる。その日は俺が帰ろうとすると楓が
「私の分まであなたが生きてね。」
「何言ってんだよまだお前は死なねぇよ」
それが俺と楓の最後の会話だった。
その次の日俺が初めて病室を訪れた日から丁度1週間、楓は死んだ。
俺はいつも通り病室に楽しみに行くと楓の親が泣いていた。
「どうしたんですか?!」
俺は親に聞いた。
「楓が楓が...。」
俺は察した。
「おい、嘘だろ、楓!おい!目を覚ませよ。」
俺はその場で柄にもなく泣き崩れた。
そうして落ち着いた頃楓のお母さんが
「君が大輝君?」
「そうですけど」
「これ、楓が私が死んだら、大輝君に渡しておいてって頼まれた手紙」
「ありがとうございます。」
その手紙を受け取った。
それからと言うもの俺は何もやる気が起きず、髪の毛を黒く染め、家に引きこもりっていた。
ベットで横になっていると、ふと思い出した。
楓から貰った手紙読もう。今まで読む気が起きなかったが読むことにした。

『大輝君へ

この手紙を読んでるというとこは私はもう死んだのかな?まぁ死んでるよね。
大輝君は見た目とは真逆に人に目をやり人よりも色々なことに気が付くことが出来たよね!
私ちゃんと見てたよ〜笑
けど心配だな〜。また大輝君が学校で一人にならないか笑 けど大輝君なら大丈夫だよね!本当は優しんだからみんなも気づいてくれるよ!
あと話すのが上手いねぇ〜!話してて大輝君話し上手だな〜って思いながら聞いてたんだ!
聞くのも上手だし、話をまとめるのも上手だから小説家とか向いてるんじゃないかな?笑
将来の夢がまだ決まってないなら小説家になってみな!絶対売れるよ!

そして最後になったけど、大輝君死ぬって分かってるのに私を楽しませてくれてありがとう
私はずっとあなたの味方だよ!
そしてほんとのほんとに最後ね笑
大輝君のことが好きでした。

楓より』

「おれも楓が大好きだ。もっと一緒に居たかった。ありがとう」
そう言葉にだし一生分の涙を流した。

それから今はもう四年が経った。俺は今18歳高校三年生になった。そして今小説を書いている。君があの時小説家になってよって言っていなかったら俺はまだヤンキーだっただろうな。
けど楓が言ったように俺は売れた。小説家新人賞を取った。そして今君と過ごした時間を小説にしている。