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時代に取り残されたプログラマーだと思われないために 〜ES2015, ES6, var〜

プログラム自学案内の13回目です。10回目からJavaScriptについて案内していますが、今回は、JavaScriptのバージョンについてお話ししたいと思います。これまでの記事はこちらです。

イントロ:言葉は変化する

前置きの小話をちょっとさせて下さい。

言葉は時代を経るにつれ少しずつ変化します。若い人が新しい言葉を使い始めるだけでなく、良い歳をしたオッサン・オバサンも、新しい言葉づかいに染まっていくものです。

「冷蔵庫の中のあれ、腐ってなかった?」
全然大丈夫、ほぼほぼ食べれた

「全然大丈夫」「ほぼほぼ」「食べれた」、このような、昔は無かった新しい言葉に触れ、使いこなしていけるようになることは、大切なことです。オッサンやオバサン、お爺さんやお婆さんであっても、新しい言葉を使うようになってゆくのです。

プログラミングにおいては、新しい言葉遣いを覚えることの大切さは尚更です。

イントロ(続き):言葉の小さな変化と大きな変化

言語の変化には、小さな変化と大きな変化があります。たとえば、日本語表記の大きな変化は、どうやら、終戦直後にあったみたいです。

「うせまび學をりは變り移の語國」

戦前生まれの人は、この文章をすらすら読めてしまいます(こくごの うつりかわりを まなびましょう、と読めます)。しかし、まあ、大体の日本人はギョッとすると思います。

一方で、日本語を学び始めて間もない外国人にとっては、戦前の仮名遣いで書かれた日本語も、ただの日本語にしか見えないことでしょう。

JavaScriptの大変化: ES2015(=ES6) 

JavaScriptは、「ES2015」(またの名を「ES6」)と呼ばれるバージョンで、大変化が起きたとされています。2015ですから、2021年現在からみると、もはや6年も昔のできごとです。それより前の記法で書くのは、おすすめできません。

ネットに残る 古い記法のサンプルコード

JavaScriptを学びはじめの読者は、ネットで調べ事をしたときに、誤って「古いJavaScriptのコード」を真似ないように、気を付けなければいけません。

ところが、特に初心者向けをうたう記事のサンプルコードほど、ES2015より前の、古い記法になっていることが多いように見られます。

なぜでしょう。理由は私の推測になりますが、ES2015未対応のブラウザである Internet Exproler(IE)が、長らく使われつづけたことに関係しています(ES2015で書いてIEで動かすのは、初心者には難しいのです)。しかし、2021年のいまからJavaScriptを学ぼうとする人にとって、IEは無視すべきブラウザです。

簡単な見分け方:var

サンプルコードに、「var」というキーワードが出てきたらそのサンプルは古いです。 すなわち、IEでも動くように、ES2015より前のJavaScriptで書かれているサンプルです。

これは、日本語でいえば「ゐ」とか「ゑ」とかいう文字が入っているようなものです。

ES2015以降の現代のJavaScriptでは「var」は「const」に言い換えられています(「const」に言い換えられない場合もありますが、その場合は「let」が使われます)。

ネットでJavaScriptの調べごとをして、古いコードばっかりヒットしてしまった場合は、検索キーワードに「ES6」「ES2015」という語を追加するようにしましょう。

まとめと次回予告

今回は、Javascriptの言語仕様のバージョンという、小ネタに近い内容でした。

私も最近、「古いサンプルコードをネットで掴まされる」体験をしました。私は今年になってPythonを勉強しはじめたのですが、その途中、ググって掴んだサンプルコードがPython2であることに気づけず(今はPython3です)、サンプルをコピペしたせいで問題がおき、解決に手間取るという事件がありました。この記憶がまだ生々しいので、つい、この小ネタに一回の記事を使ってしまったのでした。

次回は四則演算や文字列について紹介します。

#コラム #プログラミング #初心者 #独学 #案内 #JavaScript #ES6 #ES2015

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