家庭環境がトラウマで結婚にビビってるアラサーの話。


「あんたなんて、産まなきゃ良かった」



たまに包丁を向けて、よく泣きながら怒鳴っていたのが私の母親。



母子家庭、3人兄弟・姉、私、弟の真ん中っ子。


私のこれまでの過去まとめ。結婚したい人がいるけれどトラウマがあり葛藤中。

そして、複雑な話ですが世の経営者の方へ少しだけお願いを書いた記事です。



私の両親の話まで遡ると、父と母、中小企業経営者の息子と娘で、お見合い婚。父方の会社は地元ではそれなりに名の通った会社、母方の会社は昔からなんだかんだ黒字経営の、町工場に近い規模。

母は実家での祖母の小言から解放されたい思いで婚約を承諾、

その後、父方の会社の後継ぎを産むための作業に入る。(この時、母はデニムやピアスは当然NG、家に取引先の重役が来た時にはお茶出しも相当なプレッシャーだったという厳しい嫁ぎ先だったため、大人しく父の言うことに従っていたそう。)

弟が誕生し、私が4〜5歳の頃は「裕福な家庭のひと時」を切り取ったような子供の笑顔溢れる写真が多く残っている。

けれども弟が3歳になった頃に、経営知識の全くないボンボン息子の父がそのまま祖父から簡単に会社を引き継いでしまったことで会社は火の車。それでも父は他の若手経営者と女遊びやギャンブルを当たり前のようにやっていたのだとか。

成長していく私達の身なりは少しずつ変化し、ブランドものの子供服から、お古と手作りのスカートに。母親は家中1円でも転げ落ちていないか探し回った。

そして私が8歳の頃、祖父が肺癌で無くなると同時期に会社も事実上倒産、借金は数億ほどに。

一部の解雇された従業員の中には、私と同じ学校に通う、同い年のお子さんを持つ方もいた。

その同級生は、生活を壊し父の職を奪った元凶の娘である私を憎み、虐めは続く。

姉も同じ境遇になっていたのか、結局このまま同じ場所にはいられないと判断し、母方の実家近くに引っ越し、転校することに。

父は借金を全て背負い離婚。親権は母親に。


そして性別上、後継ぎ<候補>にもなれず、後継ぎにもなれなかった兄弟3人は母方の実家(となりが会社)で新たな生活をはじめ、祖母と母の怒鳴り合いの日々、家族経営の厄介ごとに揉まれる。

母は、優しい時も母親らしい時もあったが、基本何かあるとヒステリックで感情をおもむろに出すタイプ。

経営の実権を握る祖母と、そこに働かせてもらう形で入社した母の2人は意見が重なることは一切なく、家の中で仕事の話を持ち込み、常に怒鳴り合い。物を投げ飛ばすのも珍しくなく、とにかく怖かった。兄弟の中で唯一止めに入ろうと試みても、成功したことはなく、結局部屋で泣くしかなかった。

中学に入ると、家事手伝いをしない私は母にとってはただの荷物でしか無かった。しかし手伝いたいと思える雰囲気でもなく、私も反抗していた。常に母は怒鳴ったり泣き喚いたり。部屋に静かに閉じこもっているしか安全は守れない。


「あんたなんか産まなきゃ良かった」


言うことを聞かない、何のために産んだか分からない子供だから仕方ないのだと思う。


そして高校生になると、家にいない時間を増やしバイトに没頭、大学からは絶対に一人暮らしを始められるよう貯金をしていた。その頃、姉は鬱病にかかり、入退院を繰り返す。母は事実を受け「私のせいだ」と自身を非難した。


その辺りから、少しずつ、5年ほどかけて家族らしさを取り戻す。


今、母は子供が全て離れて祖母も現役引退、会社も代替わりし平和そう。

クリスチャンになり、神に頼る、祈るというライフスタイルに変えたことで精神的も安定、新しい人生を歩もうとしている。けどきっと、最後まで家族に頼るということはしないのだろうな。


父は借金を返済し終えたらしく、売り出せない豪邸で内職をしながら祖母と変わらず暮らしているという。

姉は、鬱が治り、今では結婚し子供を昨年出産。治療し、かなり前向きになった姉が、たまに羨ましくもなる。けれど幸せそうで、本当に良かったと心から思う。

弟は、私と同じく大学から地元を離れて自由に暮らしている。

私はというと、正直20代後半になった今でも、生を受けたこと、私というもの全てを否定されたことのトラウマは解消できていない。思い出すたびに、自分の存在が嫌になっていく。

友人や他人に対しても、自分がどう見られているかをかなり気にする。「良い子でいなければ」「嫌われたくない」という思いが強いがために、自然になれず、壁を感じる人も少なくない。


でも、大切な人ができた。

結婚したいとも思っている。

将来は子供を作りたい。

けど、必ずよぎる。「自分も母のようになってしまわないか。笑顔のある家庭を築いていけるのか。」その恐怖との葛藤でしかない。


常に怒鳴りあっていた祖母と母の血。

そして全てにおいて、だらしのなかった父の血。


例え別人と言ってもその遺伝子で作られたことを受け止めながら、自分を肯定できる方法を日々考えている。

今まで自分の過去全てを誰かに曝け出すことは無かったが、母親が私を産んだ年齢になって結婚、出産、育児を考えることが多くなったこと、

そして会社、経営というものが近い存在になったからこそ書き留めておきたかった。


経営者の方々へ私の願い

もし自分の子供を後継ぎにと考えている方がいらしたら、子どもの意見を尊重してあげてください。やりたいこと、夢を見つけた時には褒めてあげてください。

従業員の[家族]までもが企業の関係者だということを忘れないで下さい。

仕事と家庭の両立はハードかもしれませんが、きっと仕事に勤しむお父さんお母さんと距離を縮められず、愛に飢えた子どもはたくさんいます。お金がすべてではありません。たとえ忙しくても、「あなたが生まれきてくれたから頑張れるんだ」とお子さんに話しかけてあげてください。


幸せなところに人は集まる。

家族、従業員が幸せになれる会社を作る人が増えますように。


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