クボ、2回目鑑賞の感想

白鷺群れを見上げて「白鷺は死者の魂を運ぶ」とサルが話したところは3人が「親子の会話」をした良いシーン。
本作では、魂は、ぼんぼりとなって生者の前に現れた。

「自分の物語」は自分で結末をつけなければならない。そうしないと、自分の物語として完成しない。サル「ようやく自分の物語が終われる」というセリフも印象的。
魂は、物語を語り継いでいくことで、生き続ける。

月の帝は、死なない、永久に、完璧というものを求めていて、物語には結末が必要なクボたちと正反対の存在。
紙というモチーフ…形あるものはやがて壊れるという象徴。完璧ではないものだからこそ、人々に受け継がれて繋がっていく物語になる。

●まだわからないこと


武具は、村とか実家の砦とか、縁(ゆかり)がある場所にあった。以前の、自分の物語を獲得しようとしていなかったクボには見つからなかった。自分の力で手にいれて、ようやく魂が入るものだったのだろうか? 
雪原に埴輪のような、武具をまとった仏像が朽ちて点在している。武具を持ったまま朽ちているのは「次の物語の担い手」がこれから来て魂を入れることを示唆している?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?