見出し画像

正しい模範を見つける~セネカ~

親とは偶然に与えられるものであり、選ぶことはできない、
と言われる。だが本当は、我々はだれの子供になるかを
選ぶことができるのだ

セネカ『生の短さについて』
ライアン・ホリデイ『ストア派哲学入門』

ホルステッド
「ストア哲学の徹底的な権内/権外の二項対立は出生にまで及ぶ。
もちろん、どのような親のもとに産まれるかは自分の権外だ。
つまり、ストア哲学としては放っておくことだ。
では、『だれの子供になるかを選ぶことができる』とはどういうことか?
できるということは自分の権内ということだ。
思い出してほしい、ストア哲学における権内とは
『意思と行動』のみである。
つまり、自らの意志をもってだれを師事するか決断して、行動を起こすことは自分の権内である。
自分を変えることができるのは自分のみ、なんて陳腐なことを言いたいわけではない。
ただし、変化を起こすのに他者の力を求めていても何も変わらない。
そして、もう一つ大切なことがある。
『だれの子供になるかを選ぶことができる』とは、実の親を選択することもできるのだ。
どういうことか?
親子の関係は無条件で純度の高い関係性を持つ。
それにかまけてお互いの尊重を怠るのは悪徳である。
互いが尊重して、良い関係であり続けること、よりよい関係になるために
行動を起こすことが肝要なのである。」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?