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中野喫茶室ー1場③

    音楽が流れている間、変わらずそれぞれの会話は続いている。時間は切れない。音楽に対し、遠慮することもなく、様々な音が交錯している。カオス。音楽が流れている間もそこにいる人間のそれぞれの時間が続いている。

    音楽終わり

営業マン   音楽も俺を応援してくれてるんだと!

店員3    お待たせしました、

営業マン   あどうもー。ってちょっと

店員3    (見る)

営業マン   暗いでしょ、暗いな~どうした!なんでも言ってみてよ、俺今日最強よ?ほら、胸貸すよ~

店員3    失礼します(ぺこり)

営業マン   まいったね、何あの店員、ねえ、(作家に声をかける)

作家     (先ほどからうるさくて嫌だった人にいきなり話しかけられ)・・・はあ

営業マン   暗いよねえ?あの子暗いよね~

作家     明るいですね

営業マン   え?僕?俺?え?明るい?ハハハハハ~あっかるいかな~あれ~調子いいと明るくなっちゃうのかな、え、僕いつも明るく元気な子よ?

作家     うるせえし・・・

営業マン   え?(聞こえてない)なになに?君も元気ない系?やだな~分けてあげたいな~元気・笑

作家     コーヒーおかわり!

店員2    はーいコーヒーおかわりです

営業マン   やだな~なにカリカリしちゃってんの!も、そんなんだといいモン書けないよ!じゃ俺も一回行ってくるわ!

店員1    行ってらっしゃいませ~

    そのまま支払いをせず出ていく営業マン

店員2    え!あの人お金!いいんすか!

店員1    パチンコで稼いでくるって。今日は出るかなー

店員見習い  くずだ

店員1    まいいじゃん、クズでも明るい方がいいでしょ

作家     獣の眠り方だ・・・

店員2    ・・・すげえ・・・

作家     え!わかる?え!わかる!?え!ほんと!獣の眠り方わかる!?

店員2    え?

作家     うれしいね、わかってくれる人なかなかいないんだ嬉しいね、てかいいフレーズだよね。いーしーきーをーかーいほうーしーたまま・・・

店員2    コーヒー、置いときますねー

作家     あちょっと待って!

店員2    はい?

作家     僕、今なんて言った?あれ、なんて言ったっけ、あれ、意識を開放したまま「     」ながら休む、いわば獣の眠り方・あれ、なんだっけ、「     」なんだっけうあーなんだっけ、なんて言った?

店員2    意識を開放したままー

作家     ままー

店員2    周囲の刺激を感じながらー

作家     ああ!それ!そう!もう一回言って!

店員2    意識を開放したまま

作家     そのあと!

店員2    周囲の刺激を感じながら

作家     しゅーうーいーのーしーげきーをかんじーなーがーらー・よしっ。あーよかったー流れちゃうとこだったよ、危ないよ

店員2    大丈夫ですか?

作家     君、いくつ?

店員2    え、僕ですか、僕26ですけど

作家     そうか、そうだよね、もうね、30過ぎると流れてっちゃうのよ

店員2    はい?

作家     自分で何か言うでしょ?おっこれ使えるなって思うでしょ?じゃ、書いとこうと思うでしょ?もうだめね

店員2    はい?

作家     もうね、間に二つ挟むとだめね

店員2    ふたつですか?

作家     これ使えるなと思うでしょ?書いとこうと思うでしょ?これで二つのこと間に挟むでしょ?

店員2    はあ

作家     そしたら3つ前に思い浮かんだ言葉、忘れちゃうよね、

店員2    はあ、そんなもんですか

作家     そんなもんだよー!30過ぎて突然そうなっちゃったのよ!びっくりしたよ!だから僕はいつも1アクションでメモできるよう訓練をしているんだけどなかなか自分の体を使いこなせないんだ。えーと、そーれーがーけもーのーのねーむーりーだー。よし

店員2    ・・・ごゆっくりどうぞ~
    
    戻り店員1に

店員2    先輩も3つ前の事忘れますか?

店員1    あ?何が?俺?俺は1つ前の事忘れるけど。

店員2    え、二つ覚えられないんすか!

店員1    無理だな

店員2    こえー、大事にしよー

    バックヤードに入っていく店員2
    入れ替わりに出てくる店員見習い。

店員1    何が怖いんだよ、え?

店員見習い  (ムッとして怒っている)

店員1    (見てる)

店員見習い  なんですか

店員1    別に

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