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#2:妻の職場復帰から見えてきたこと

#1では娘が生まれ僕自身の働き方や価値観の変化について書いたが、#2では妻が職場復帰して見えてきた社会的課題について思っていることを書いていきたい。

■共働きという選択

 妻は、キャリア10年以上のグラフィックデザイナーをしている。その感覚を鈍らせたくないという意思が強く、我が家は『共働き』を選択した。

 「子育てしながら働くこと」を選択するのは、時代の流れだと考えている。僕の娘が成人するころにはもっと状況は変わっていると思うけれど、働く両親の姿を見せるというのは大事だ。僕たち夫婦はそう考えている。

 妻の場合、産休&育休で約1年と2ヶ月ほどで職場に復帰した。今はだいぶ慣れてきているみたいだが、約1年の実戦のブランクで職場復帰かつ時短労働は、相当辛かったようだ。自分に当てはめて考えてみたが、彼女の真面目さとド根性には感服している。 

■妻の復帰後から見えてきたこと

生産性を向上させ、かつ成果を上げているのに対価が釣り合わないケースが発生している。

 妻は産休&育休前、プレイングマネージャー的な立場だったので、深夜まで残業することも多かった。復帰後も同様にチームリーダーとして、メンバーも管理し、自分の仕事もこなしている…。

しかし、復帰後は報酬は劇的に下がった…。
時短となり、みなし残業分もカットされたためだ。

 復帰直後は確かにパフォーマンスが上がりにくかったようだが、感覚を取り戻した後は、タイムリミット=保育園のお迎えを意識しながら、時間を区切り、合理的に作業を組み立てて、効率化して業務をしているらしい。復帰前と同じ成果を出している月もあると聞く。

 限られた時間でフルタイム労働者と同じだけ成果を上げていたとしても、無駄に時間を消費し、成果を上げていないフルタイム労働者より給与が低くなる。そんな状況があるのだ。

 妻に限らず、時短勤務になる場合、報酬が下がってしまうケースは多い。それはタスクコミットメントからタイムコミットメントに責任範囲が変わることが要因だが、現場ではタスクコミットメントのままではないだろうか?報酬が下がっても、担当業務(責任)が変わらないことは多いのではないだろうか?

■この理不尽な状況の背景は?

 子どもの病気のための欠勤、急な保育園からの呼び出しによる早退に対する引け目。お世話になっている会社に強く主張できないという忖度。たとえ辞めたとしても、時短労働ではなかなか転職先が見つからないかもしれないという不安。さまざまな要因が重なり、強く主張できないケースが多いのではないかなと思う。

 極端な話、女性は出産後職場復帰すると、労働弱者になるとも言えるかもしれない。少なくとも、僕はそう感じている。仕事ができる女性ほど、そのギャップが大きくなるので、管理職の女性はなかなか結婚や出産を決意できないのかもしれない。

 出生率が下がり、人口が減少していく時代、国と企業がともに課題意識を持って取り組む必要がある。

その中でも特に男性が考え方と行動を変えて、積極的に解決に向けて動いていくべきだ。

■まとめ

 僕は、この場で妻の会社を糾弾したいわけではないということを改めて書いておく。なぜなら、このようなケースは日本中に多く存在するはずだからだ。

そして、僕は自分の会社から変えていきたいと考えている。

 社内でメンバーと共有している価値観が、ひとつある。
それは、『長く働ける(会社)』というもの。

一緒に“長く働ける”メンバーなのか?採用基準として僕らが意思決定する際の基準としてよく使うが、僕たちが社内制度を作っていくときの基礎になっている。

 長く働いていると、様々なライフイベントがあるだろう。結婚や出産、介護、大事な人との死別もあるだろう。そんな様々な状況に寄り添える組織、柔軟で持続可能な組織にしていきたい。

 現在、広報担当に女性メンバーが1名いるが、今後も縁があれば、デザインや開発領域でも仲間になってくれる女性メンバーは増やしたい。このnoteを読んでもらえれば、働く女性に理解のある会社であると理解してもらえると思う。制度はまだまだ十分では無いが、今後も柔軟に対応していきたい。

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