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都市対抗野球

2023年7月17日(月・祝)
夏の甲子園は8月6日に開幕する。夏の甲子園は高校野球の頂点を決める大会だが、その前月には社会人野球の頂点を決める都市対抗野球が東京ドームで開催されていた。最近は毎年1試合は現地で都市対抗野球を観戦することを目標としており、それを今年も達成した。
高校野球はテレビでやっているので見るが、社会人野球はドラフトで指名されたときに「あーこのチームから入団したんだ」と思うくらいで、実際の試合は全然見たことがないという人は多いのではないだろうか。私もオリックスファンで野球自体は好きでありながら、2015年までは社会人野球の試合は一度も見たことがなかった。
しかし、2016年、鉄道会社に入社して以降、環境は一変した。JR各社は自社に社会人野球チームを持っている。特にJR東日本は都市対抗野球の強豪チームとしても有名だ。何も知らずに入社後に数ヶ月が経った7月。
「都市対抗があるからこの日程で応援に行ける人は応援に行くように」
との通達がある。自社のチームの1回戦の日程、および2回戦以降決勝戦まで勝ち進んだ場合のスケジュールが職場に張り出されている。
そして駅員の仕事は泊まり勤務のため、その日が泊まり勤務ではない場合、特に泊まり明け(非番)であればほぼ強制参加だ(職場による)。
私は野球好きなのでぜひ観戦に行きたかったが、この年は残念ながら1回戦の日は泊まり勤務。しかも1回戦負けとなってしまったので観戦は叶わなかった。
翌年の2017年。またこの季節がやってきた。今年は泊まり勤務にならずに観戦に行ける。いざ東京ドームへ。
まず行ってびっくり、入場待ちの列が長すぎる。もはや水道橋から行くより隣の飯田橋で降りた方が良いのではというレベルだ。通常の巨人戦と違って、通れるゲートの数が制限されているようだ。
ただ、今回観戦に来たメンバーは仲の良い後輩と一緒だったので楽しく談笑しながら列に並ぶ。
球場の入口近くになると、自社の社員が何やらチケットを配っている。受け取ると「チーム席券 850円」と書いてある。都市対抗の観戦にはチケットが必要であるが、自分で850円を支払う必要はない。どうやら会社がこのチーム席代を負担しているようだ。会社が数百万円の負担になりそうだが、広報活動の一環ということだろう。
さらに、順路に従って進むと応援グッズが配布される。これは自社で作っているものだが、大抵マフラータオルとうちわ等である。自社ロゴ入りタオルは使い勝手が良いので結構嬉しい。
そしてさらに重要なのは、このチーム席、私は出場チームの社員という立場で観戦に来たが、もちろん同僚は家族を連れてきたりしていて、家族で観戦することも可能だし、それどころか関係者でもない一般の野球ファンでも観戦が可能である。
ただし、これは関係者だけで席が埋まるような企業の場合は一般の観戦が不可能なので事前の確認が必須である。
いざ観戦。客席の雰囲気は野球好きで来た人が半分、付き合いできた人が半分のような異様な雰囲気。プロ野球の試合ではこんな場面はなかなかない。野球のルールを知らない人が詳しい人に質問しまくっている。また、球場内でビールを買って飲みまくり、野球観戦というよりかは同僚の飲み会の要素の方が強いのではないかという人も。さらに、かなり広い球場内で、数万人の社員・関係者が集まっているものの、新入社員研修以降はなかなか会う機会のなかった他の職場の同期の姿もちらほら見かける。同期と久々の再会を喜んで談笑しているような人も多く見かけて、まさにこれは野球部からしたら野球大会なものの、観戦に来ている社員からしたら大規模な飲み会のような、慰労会のような。この雰囲気は予想していなかったが、これはこれで良いものだなと思った。
試合は後にオリックスに入団する田嶋投手が完封勝利を挙げ二回戦に進出。最終的にベスト8まで勝ち進んだ。
ちなみに、勝ち進むと次の試合以降ももちろん予定がない人は応援に行くように通達が出るので、野球や飲み会が好きではない人は「勝たないでくれ」と祈っているのもなかなか独特の雰囲気だった。

そして今年、退社後も毎年1試合は観戦しているが、日程の都合上JR四国の試合を観戦した。JR東日本野球部が鉄道会社の野球部では圧倒的に強いが、他のJR各社も数年に1度くらいの頻度で都市対抗に出場する。
そして、観戦すれば応援グッズが貰えるのだ。この自社ロゴが入った応援グッズを貰うという目的で観戦に行くだけでも十分な動機だろう。JR四国は4年ぶりの出場なので、応援グッズが配られるのも4年ぶりのはずだ。
また、出場チームの社員という立場で観戦していたときは一般の席であるチーム席で観戦していたが、今年はバルコニー席という区画で観戦した。これは本来の巨人戦では年間シートを買わないと入れない席だが、都市対抗であれば2000円ほどでチケットを買うことができる。1階席と2階席の間でグラウンドとはかなり離れているが、映画館の座席のような立派な座席でゆったりとした空間で観戦を楽しむことができる。
今回観戦したJR四国は近藤投手が圧巻の投球で完封勝利。残念ながら2回戦ではエースの近藤投手が登板できなかったこともあり敗退となったが、今大会で最も熱い試合だったのではないだろうか。

また来年も都合がつけば少なくとも1試合は観戦したい。

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