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コミックマーケット

2023年8月13日(日)

前回の冬コミに引き続き、今回もコミックマーケットに参加してきた。コミックマーケットはその様子が毎回テレビで報道されるものの、興味がない方にとっては何をやってるのかよく分からないものではないか。
コミックマーケットの名の通り、漫画のマーケット、マーケットといっても書店で買える本ではなく自主制作の本、同人誌の即売会だ。同人誌というものを普通に過ごしてしていたら触れる機会がないだろう。
私自身、中学生の頃に一度友人に誘われて行ったものの、同人誌が売ってるブースはどこを見て何を買っていいか分からず、とりあえず企業ブースに行って無料配布物をもらって帰ってきた。それも一つの楽しみ方なので否定しないが、やはりコミケの醍醐味はそこでしか買えないような同人誌が買えることだろう。
その中で、「鉄道島」と呼ばれる区画がある。ここでは漫画もあるが、メインは漫画ではなく研究や評論のような分野の本が主に扱われている。
この鉄道島で扱われる本が、なかなかネットで出ているような研究内容より深い研究がされている本があったり、時刻表や路線図が独特の様式で作られたものなどもあって面白い。今回はおそらく2万円くらい使ってしまったが、同人誌というものはその機会を逃すともう手に入らない場合も多い。基本的には気になったら買った方がよい存在だ。
また、通販で取り扱ってくれる同人誌もあるが、大抵送料が1冊200円〜1000円ほどと高くなってしまう。そうすると多少交通費がかかっても、一定数を買うならコミケで買った方がよいという結果になる。通販をやらないどころか、ネットでの告知もしていない作者の本もある。最近では失われつつある、書店で棚を眺めながら気になる本を買うということもコミケでは健在だ。
私は何の本を買いましたというのはここでは紹介しないが、2019年に本を作る側として参加した際の記録をここに残しておく。
2019年の冬コミ前に、著名な鉄道系YouTuberである仙台撮り鉄さんとお会いする機会があり、仙台撮り鉄さんはコミケで毎回同人誌等を作って頒布しているので、よければ私も出さないかとお誘いをいただいた。当時は鉄道島などの知識が全くなく、コミケ=漫画というイメージが強かったので、「いや私は漫画は描けませんよ」という感じだったが、漫画でなくて良いというのを聞き一安心。同人誌を作ること自体に興味はあり、私の弟が「怒鳴られ駅員」の本の漫画を描いてくれた通り、弟は時々同人誌を制作しており、即売会にも参加していた。その話を聞くと楽しそうで、私も一度同人誌を作ってみたいなというのは前々から思っており、その背中を押してくれたのは仙台撮り鉄さんだ。本来はサークルの申込等を事前にする必要があるが、仙台撮り鉄さんのブースに私の本を置いてもらえるということで、いわゆる委託販売となり、とにかく私は本さえ作れば良いことになった。
何の本を作るか全く決めていなかったものの、「1駅で終点」の動画についてまとめた本を作った。原稿の規格や印刷会社への依頼の方法など全く素人だったが、そのあたりは経験者の弟にアドバイスを受けて問題なく制作が完了、100部印刷して仙台撮り鉄さんに引き渡し、当日ブースに並べてもらえることになった。
冬コミの当日の2019年12月31日、この日も私は午前中は仕事があったため、午後から現地で様子を見に行くという計画だった。
同人誌というのは何部刷るのかというのが大変難しい。コミケに出るサークルというのはどこも売れまくっているのかというと必ずしもそうではなく、恐らく1日で10部売れたかどうかのようなサークルもある。
コミケで100部売れること自体かなりすごいことなので、余裕をもったつもりで100部印刷した。
いざ当日。午後から現地を訪れると、まさかの午前中に完売。午前中も購入を求める列が絶えずできていたそうだった。
見込みが甘かったものの、許してほしい。コミケ初参加で100部売れるというのはまずありえないことだ。
当時はYouTubeの登録者が3万人ほどだったかと思うが、3万人の力を感じた。あの時買ってくださった皆さまありがとうございます。
さすがに欲しいのに買えない人がいるのは申し訳なすぎるので追加で発注。400部刷った。これをBOOTHの通販で追加で頒布。

そして、こちらはある程度売れたものの、いまだに売れ残っている。通販だと現地に来れなくても買えるから、400部くらいは余裕で出るかと思ったが違った。恐らく通販の開始が印刷の都合もありコミケの1ヶ月後になったので熱が冷めた人もいたことや、送料が追加でかかり割高になるからだろう。
ちなみにBOOTHの通販、自宅から発送すれば出品者側の手数料は少ないが、それだと手間なのでBOOTHの倉庫に発送を任せるプランにしていて、月1100円かかる。毎月1100円払うのももったいないのでそろそろ着払いで自宅に返送してもらって自前で発送するスタイルにしますか…。

しかしこの時の経験で分かったことがある。それは、
「さすがにこの規模ではコミケに出店はもう無理だ」
私としてはYouTubeを始める前のような生活を日々続けているつもりではあるが、現実は違う。世界には数万人単位のファンがいらっしゃる。
そんな私が同人誌をコミケで頒布なんてことをもう一度してしまったら、本を求める方の行列で大混乱になるのは間違いないだろう。
もう一度同人誌を作れる機会があれば作っても良いなとはずっと思っているものの、昨年に「怒鳴られ駅員」、今年は「図解鉄道」、さらに9月にバスについての本も出版予定で、本を書きたければ書店に並ぶ商業出版で書けるような状況になってしまった。
もちろん同人誌より商業誌の方が全国の書店に並ぶため購入はしやすい。作るのは大変だが…。また、本の印税とかで検索してもらうと、出版不況と呼ばれる昨今では商業出版で稼ぐのは大変難しいのが分かると思う。それでも楽しい部分もあるため、1~2年に1冊くらいのペースで本を作れたら良いなと思っている。

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