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世界中の空を利用可能にする!!"増本 衛"さん

空の産業革命の幕開け、令和の時代。空にドローンのための通り道、インフラを創る。そんな誰も挑戦したことがない空のシェアリングエコノミー「sora:share(ソラシェア)」を創造している、株式会社トルビズオン CEO の増本 衛さんにお話を伺いました。

プロフィール
出身地:山口県下関市
活動地域:福岡から世界へ
経歴:西南学院大学法学部卒、九州大学経済学府産業マネジメント学科(MBA)卒。日本テレコム(現ソフトバンク)に営業職として入社。2014年から株式会社トルビズオンを起業。九州ドローンコンソーシアム代表理事。
現在の職業および活動:株式会社トルビズオン CEO
座右の銘:使命(命の使い方)を意識して、決断・行動する。

「世界中の空を利用可能にする!!」

Q.どのような夢やビジョンをお持ちですか?

増本 衛さん(以下、増本 敬称略):世界中の空を利用可能にすることです。
私がドローン事業を初めて4年が経ちますが、ドローンには色々な可能性があります。観光空撮としては今まで撮れなかった壮大な景色を空撮し、地域の魅力をよりダイナミックに表現する。橋や鉄塔などの社会インフラはサイズも巨大で、点検するにも命がけの場所にあるので、そこに使用する。農業や林業などの一次産業では、高齢化や人口減少で後継者問題が課題となっています。その運営を自動化するためにドローンを利用したりもできます。具体的には、農作物の生育状態を見分けて育ちが悪い箇所の原因を特定し、対応することもできます。その他にも多くの可能性があります。ドローンは多くの社会課題を解決し、社会をよくしていくために必要不可欠のものだと考えています。

ところが、今現在、「空」は自由に利用可能ではないのです。法制度や過去の墜落事故などの影響もあり、社会ではその存在を危険視する声も多く、ドローンはほとんどの場所で飛ばすことは出来ないのが現状です。

私は空撮や測量調査などドローンビジネスを進める中でこの課題に直面し、まずはこの環境整備することが優先だと気づきました。そこで一気にビジネスモデルを転換して、空を利用可能にすることをビジネスにしてしまおうと、sora:shareを創ることを始めました。

これを通してドローンに対する社会受容性を高め、みんなが空を取引可能だと思うようになり、実際に空域取引が活性化する状況をプロデュースしたいと考えています。

記者:空について初めてここまで深く考えました。問題意識にも共感できましたし、空が開放されていったらどんなことが起こるかがイメージ出来てすごくワクワクしました。

Q.世界中の空を利用可能にするために、どんな目標や計画を立てていますか?

増本:ステップで考えていて、開放された空域を"点"から"線"に、"線"から"面"にする様に考えています。例えば、いきなり福岡県全域の空域を利用可能にすることはできないので、まず"点"のフェーズでは、おもしろい!と価値やビジネス機会を感じてくれるイノベーターに賛同して貰い、ドローンの練習場の確保や絶景空撮場の確保を行います。
その"点"が増えてくると、それはやがて"線"になっていっていき、定期物流や点検、監視などでの運用が可能になります。ドローンでの空域移動だけではなく、自動走行ロボットで走れる所まで走り、ドローンが運べる領域になったらドローンが配達する。そんなことも出来る様になってくると思います。
"面"の段階では、CtoCの小口物流です。荷主がスマホのワンタップでドローンを呼び、送り先に直接荷物を配送するような世界を実現できるようになりますし、空飛ぶクルマ(ドローンタクシー)で人が移動するような世界も実現可能です。実際に広州に行った際にEHANGのドローンタクシーを見て来ました、技術はすでに存在しています。
全てのステップを同時に考えながら、まずはドローンの認知を広げることで、社会受容性を高めようと思っています。

記者:明確に目標を立て、それを色んな人を巻き込みながら実行されている実践力に驚きました。未来の技術や具体的な話もワクワクしてすごく面白かったです。

Q.その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような(基本)活動をしていますか?

増本:「ドローンに対する社会受容性」を高めるためには、文化や社会の醸成がキーワードになります。そしてこのようなゼロイチを創造するには、イノベーティブな組織である必要があります。
それを創る上で、HDCS(ハディックス)という4つの基本理念を大切にしています。
Happiness … 関わる人みんながHappyになる仕組みを整えていきます。
Diversity … 色んなものが入っている方が強くなります。関係するステークホルダーはあまり排除せず、多様性を受け入れていきます。
Challenge … 常に成長していきたいですし、自分がやれると思うことよりもちょっと上のことやり続けることに挑戦します。
Self-realization … 自己実現が人間の最大のモチベーションです。自己実現や成長するために会社を使って欲しいと常に言っています。

記者:世界中の空を利用可能にする夢を持たれる様になったのは、この基本理念があったからだと伺い、すごく腑に落ちました。

Q.そもそも、世界中の空を利用可能にしようと思ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?

増本:私は、その時代その時代でワクワクすること(ハピネス)を追求してきました。とにかく新しいものが好きで、世の中を変えるサービスが出た時には飛びつかざるを得ない体質でして。笑
特にソーシャルメディアのインパクトは大きかった。blog、mixi、スマホ、twitterを先駆けて利用したり、その後、誰でもライブ配信が可能なサービスUstreamが登場した時にはこれはビジネスになると思い、ここで起業しました。そこからスタートだったわけですが、ここで得た映像配信の技術の延長線上で、ドローンを使った映像制作を思いつきました。当時はまだライバルも少なく、画期的な取り組みだったと記憶しています。おかげさまでビジネスは順調だったのですが、ある時自分は誰かが作ったものの上で踊らされているだけだと気付いてしまいました。世にある新技術やサービスは誰かが作るものです。それはいくら新しく不完全なものでも、0ではない。アーリーアダプターとして関わることで0.5から1は沢山経験してきたが、0から1は創っていない。それに気づいた時、すごいショックで悩みました。新しいことをやっているようで実は新しくもなんでもない、これは問題だと(笑。そこで全くのゼロイチであるsora:shareを考案したのですが、今度はこれを世に出すのが怖くて中々踏み切れませんでした。でも挑戦したい気持ちも同時にあって、悩んだ時期が続きました。そしてある時、アイデアを信頼ある人達に話してみました。そうすると予想以上の反応があり、「おもしろいですね!」や「一緒にやりたいです」などの意見を貰いました。自分の意志に仲間の思いも加わり、その思いがある一定量を超えた時に覚悟を決めて決断したんです。

記者:時代に合ったハッピーを追求する中で、ぶつかった壁。その壁を決断を通して突破したからこそ今の夢に繋がっているというストーリーに、熱い意志や思いを感じました。

Q.その発見や出会いの背景には、何があったのですか?

増本:私の家庭は親が厳しく、昔はすごく気弱で、周りに何か言われると凹んだり、できるだけおとなしくしていようと思ってました。

「自分が自分を縛っているのを分かっているのに、中々変われない。」そんな自分が本当に嫌で、それを変えたくて大学生の時に世界旅行にでました。日本を出発した時は、これから始まる大冒険の事を考えてワクワクが止まりませんでした。ところが、最初に寄った北京の宿での事。旅に慣れている猛者達に、ケチョンケチョンにバカにされたんです。それが凄く悔しくて、次の目的地モスクワに向かうシベリア鉄道の中、どうしたら変われるか自己と対話しました。

そこで気付いたんです。今まで「お前は気弱なやつとか、おとなしいやつだ」と見られる人間関係があり、その関係性自体に自分が縛られていたんだと。しかし、旅においてはそのような固定化された人間関係はありません。全く知らない土地で、全く知らない人達に会う際に、少し変化した自分で対応しても批判されることは無いのです。そこで決意した私は自分の弱点を20個出して望ましいものに変換し、それを一個一個上書きすることにしたのです。この街ではここに気をつけるぞ、この街では女の子に声掛けるぞという具合に次々とクリアしていき、10個位の街を移動した時にはすでに意識することも無くなり始め、4ヶ月後にエジプトのカイロに行った時、北京でバカにしてきた相手が同じ宿にいたんです。その時驚いた事に、その人が敬語を使って丁寧に対応してきました。その時の気づきは衝撃的でした。北京で侮られたという事は、侮られるような態度で振舞っていたからだと気いたのです。それを観た時に、「自分さえ変われば、全てが変わる」ということに確信を持ちました。

そして日本に帰国した後、日々の生活を送る中で同じ手法が日常の中でも使えることがわかりました。今までは街が変わることで自分を変えたと思っていたけど、自分の意識が変われば場所は関係なく変わることができると悟りました。

記者:色々な悔しいことや変化があったこと。自分の意識が変われば変化できると言う気付きが今の夢に繋がっているお話は、多くの同じ悩みで悩んでいる人の希望になると思いました。

Q.読者の方に向けて一言お願いします。

増本:理念に共感して一緒に活動してくださる方がいたら、是非一緒にやりましょう。

記者:世界中の空を利用可能にするという素敵な夢を持つまでに、自分に向き合い、常に行動し続けている在り方が本当に素敵だと思いました。
貴重なお話ありがとうございました。

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増本さんの活動、連絡については、こちらから↓↓

FB:

https://www.facebook.com/mamorumasumoto

HP:


【編集後記】
インタビューの記者を担当した不知と新原です。
目を輝かせながら話して下さり、ワクワク感がすごく伝わってきました。そんな増本さんももともとそうではなく、常に向き合って突破して来られたお話は多くの方の希望になると思いました。空が利用可能になる日が本当に楽しみです。
増本さんのますますのご活躍を楽しみにしております。

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この記事はリライズ・ニュースマガジン“美しい時代を創る人達”にも掲載されています。


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