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一張一弛の、短いけれど濃厚な旅。

4/22と23はビードローズのミニツアー。
水戸に行ってから近場の川崎に戻ってくるという、初めての場所、初めての行程。
帯広のシンガーソングライター、kurosawadaisukeさんが誘ってくれた旅だ。

東京から近い関東近辺でなかなかライブをやっていない自分たちだったので、
初めて行ける場所は本当にありがたいし、楽しみだった。
daisukeさんは年間で300本くらいライブをやっているツワモノなので、
素晴らしいハコをたくさん知っている。そのうちの2つを紹介してくれることになったのである。

空が広くなってきた

22日。利根川を渡ったあたりから空が綺麗に晴れ始めた。
茨城県にはレコーディングで来たことがあるが、ライブは初めて。
水戸といえば、水戸納豆と水戸黄門くらいしか思い浮かばない、まさに水戸素人である僕だけれど、千波湖を中心にして町が広がる景色を目にして、本当に美しいところだなあと素直に思った。

本日の会場は水戸PAPER MOONである。LIVE BARだ。
ゆったりとした会場の奥がステージになっていて、ドラムが壁に挟まれるように一番奥に陣取っている。その変わった間取りのせいで、強く叩いても全体のバンドのバランスが奇跡的に保たれる。
共演させてもらう水戸のソウルバンド、mouth to mouthがリハーサルをしていたのだけれど、音を聴いてすぐに好きな場所だ!と感じた。

リハーサルを終えて本番。ものすご勢いで追加されていくドリンクとフード。稀に見る賑やかさだ。まあとにかく、客席のノリがすごい。本番中でも勝手にみんなガヤガヤ喋っている様子は、個人的には好きである。「茨城の人たちはもっとシャイな人が多いのかと思ってた」と言うと、mouth to mouthのボーカルでPAもこなしてくれて絶品のモツ煮も作れる玄さんが「この店だけだよ、うるさいのは。悪の巣窟だ。」と笑った。カウンターの隣の席ではdaisukeさんが自分で買ってきたお土産の麦焼酎「十勝無敗」を飲み続けている。(ご馳走してもらったけどうまい)


肴にしているのはこれも自分で買ってきた”氷下魚”である。(硬い。これもクセになる)

カウンターの向こうでは、ようやく仕事がひと段落した店主の”のりちゃん”が、この近所でしか手に入らない絶品の日本酒の一升瓶を幸せそうに抱えている。(味見させてもらったけど、これは本当にうまかった)
というわけで、たっぷりの音楽、たっぷりのお酒と笑い声でPAPER MOONの夜は更けていくのであった。夜が終わらなそうだったのでお先に失礼したが、最高に幸せなお店なのは間違いない。ここには愛しかないです。


mouth to mouthのみなさんと
kurosawadaisukeさんと俺たち

翌朝。入り時間が遅めだったので、少し水戸近辺の勉強をしてから移動することになった。
水戸といえば、偕楽園である。日本三大庭園の一つ。もちろん、行ったことがなかったので、人に聞かれたら行ったことあるよと答えられるくらいにはなっておこうと話しながら向かう。
天気も気持ちよく、千波湖の美しい公園を横切って偕楽園へ。


園内は広くて、時間がない我々は、観光案内のボランティアの方に地図を見せて、とりあえず20分でここに帰ってこれるルートを教えてくださいと聞いてみた。すると偕楽園を愛してやまないガイドのWさんが、では一緒にいきましょうと歩き出してしまった。20分で帰ってこれない予感がものすごくする。

しかしながら、Wさんのお話は面白く、お願いして良かった。
水戸藩九代藩主、徳川斉昭の作った偕楽園は、隠と陽のコンセプトに基づいて設計されている。
一張一弛と言う言葉も教えてもらった。弓は弦を張ったり弛めたりするからこそ常に強い弓である。しっかり勉強した後や武芸をみっちり修練した後は心身をリラックスして整えるべきであると言う意味だそうだ。
というわけで偕楽園をしっかり勉強して戻ったら40分が経過していた。

ちなみに高感度ランキングで毎年最下位を記録し続けている茨城県だが、地元に住む人たちはとても幸せそうに見える。「わかる人だけわかってくれればいい」のだそうだ。確かに、ひっそりと水戸は水戸のままでいてほしいと思う。

昨夜、ベースのChamaくんに行きたいところはどこかあるかと聞いたところ、
「漁港が好きですね。」
と言ったらしいので、daisukeさんの歌にも登場する大洗漁港に行ってみることにする。
漁港の駐車場に車を停めて自由行動を宣言すると、Chamaくんは一人でそそくさとどこかに去っていった。いったいどこにいくのだろうか。

さて、今夜の会場は川崎。ビードローズを結成して25年も経つのだけれど、初めての川崎でのライブである。クラブチッタの端っこにある会場は天井がものすごく高い。要するにクラブチッタの天井高と同じ高さである。横幅は狭いので、巨大な鰻の寝床みたいな場所である。
ステージに立って歌ってみると、これがものすごく気持ち良い。


ホールでライブをやっている感覚になる。と言うわけで、本番ものびのびと歌わせてもらいました。

daisukeさんのライブも堪能して、最後に一曲、セッション。
カホンのKAZUさん、素敵な演奏でした。

またここでやりたいなぁと思える場所。開拓者のdaisukeさん、本当にありがとうございました!

くたくたになったけど、やっぱり音楽の旅は力をくれる。
また、みんなで歌いにいきたい。

次のライブは5/13 郡山PEAK ACTIONです。
ここも本当に素晴らしい人間力のハコ。よかったら、一緒に旅をしましょう。

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