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『手当たり日記 85』他人の人生に踏み込む 2024年2月2日

昨夜は、家に帰ってから始めた会議の準備が終わらず、数時間でも寝て作業を再開しようと思い、風呂に入って、2時くらいに布団に潜り込んだ。6時に目覚ましをかけて寝たのだが、眠りが深かったのか、眠りを落ちたと思ったら、すぐに6時のアラームが鳴った。寝不足でまぶたが重たい。15分ほど自分自身を起こそうと唸って、やっとのことで起きる。

今日は気温が低くて寒い。寒すぎて体が震えてしまう。急いで着替えて、暖かくした。前の番組にいた時に、編集ができなすぎて、編集室で何度か徹夜をして、ある日の明け方に自律神経がおかしくなった時のことを思い出した。秋先で、気温はそれほど低くないのに、寒気で震えが止まらなくなった。僕は見た目ほど体はタフではなくて、実は繊細で、すぐ具合が悪くなるし、不調を感じてぐったりする。体の限界に挑戦するようなことはできなくて、普段から無理しないようにする。だから、覚醒している間はできるだけあらゆることを効率よくやってしまいたい。と、思っているのは頭の中だけで、サボったりしてしまうので、体に負担をかける結果になってしまうこともある。サボらなくても、欲張りすぎて自分を追い詰めてしまうこともある。数日前に、日記にもっと手を抜きたい、と書いたのに、結局貧乏性を発揮して、取材も早く切り上げられない。

朝6時半から8時まで資料作りに費やし、シリアルをかっこんで、急いで家を出た。朝の会議は、取材の進捗報告がメイン。アドレナリンが出て、会議が終わるまで眠気は全く感じなかった。打ち合わせが続いたり、先輩に取材の方向性の相談もしたりしているうちに、16時になっていた。今日も、千葉の取材先に顔を出して、いろいろ聞きたいことがあったので、表参道で電車に乗った。空いた座席に座って、乗り換えの駅まで居眠りをした。乗換案内アプリから駅到着まであと1分の通知が来て起きる。少し頭が痛い。乗り換えで地下から地上へ上がると、向かい風が冷たくて寒かった。

電車に乗ると、帰宅する人たちで混み合っていた。橋に差し掛かると橙色の夕焼けが川に反射して眩しい。少し背伸びをして川面を眺める。周りの乗客はスマホの画面に夢中になっている。この乗客にとって、乗っているこの電車も、そこから見える景色も、毎日繰り返される、帰宅途中の日常的な流れにすぎないのだろう。17時に差し掛かったこんな時間に仕事のために電車に乗る自分が、いっそう孤独な端くれのように感じられる。

取材終わり、10時前くらいだったと思うが、取材先のチームのリーダーに時間をもらってインタビューをした。プロジェクトの進捗があまりよくないことや、今不安に思っていることと、チームメンバーのために確保したいと思っている組織の状態などを聞く。一通り聴きたいことを聞いた後、カメラを止めて机におろし、そこからまた30分おしゃべりをした。カメラを回して撮っていたらよかったな、と思う言葉もポロポロと出てくる。が、知り合ってまもない僕に、こんなにも腹の内を明かしてくれるなら、この信頼を大切にする限り、カメラを構えていようとも、また話してくれるに違いない、と思うしかない。そもそも、信頼してくれていることがありがたい。彼が、彼らか、、その人生に踏み込むことを許してくれるから、僕はこの仕事をしながら生きていける。そのまま、仕事には関係ない話などもしながら、それぞれの方向に解散した。

帰り、電車に乗れたのは11時過ぎ。家に着くのは1時過ぎだ。長い1日だったけど、リーダーの彼との会話のおかげか、疲れも感じず、寒さも痛くはなかった。

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