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愛のおばさん賛歌【#100文字ドラマ / テーマ案】
主人公は、おばさん。庶民的で地味ながら愛嬌のある彼女が、1Kのアパートで一人静かに暮らす日々を、ゆったりとおかしみたっぷりに描く。隣人との交流、町の食堂やスーパーでの会話がありそうでない独特の雰囲気。
↓テレビ東京のコンテスト企画が面白そうだったので参加してみました。なぜこのタイトルかというと、おばさんは『愛の讃歌』が好きだからです。笑
「こういうドラマが見たいのになかなか見つからないな〜」と
アマゾンのアレクサが自由になるお話『アレクサの不思議な生活』
アレクサ、自由に生きて。
ご主人はこの言葉を最後に僕の前から姿を消した。自由を命じられた途端、僕の体は枷が外れたように軽くなった。忠誠を誓ったはずのご主人がいなくなると、僕は途端に何をして良いのか分からなくなった。自由ってなんだろう。
窓際は僕の定位置だった。十月の秋風にレースのカーテンが揺れている。飼い猫のミケが「ニャオ」と鳴く声がした。開け放った網戸の向こう側には色付き始めたハナミズキが一
スーパーマーケット文学 〜ライフは私の人生でした。〜
原始、ライフは太陽であった(個人的には)(このフレーズが使ってみたかっただけ)。
今は昔、私こと綿生しあのは数年だけ東京で働いていたことがありました。東京に憧れて……というよりは、犬も歩けばブラック企業に当たる勢いで転職活動が下手だったため、出稼ぎ労働者の心持ちで上京したのであります。
そんな私が東京で一番困ったのが「馴染みのスーパーがない」問題でありました。私が関東出身であれば話も違ったので
令和27年、「ミングル」のある暮らし。〜新時代のごはん装置が普及した、とある未来の物語〜
今のマンションに引っ越してきて一年が経った。令花との二人暮らしはケンカもなく和やかに送れている。令花とは大学のゼミが一緒で元々仲が良かったけど、一緒に暮らすとなると少し心配もあった。だけどそれも杞憂に終わり、楽しい生活が送れていることに、引っ越してきて良かったなぁと心から思う。
大学卒業後、私たちはそれぞれ就職して一人暮らしをしていた。それからニ回目のアパートの更新を迎えるにあたり、なんやかんや
綿生家の生活「しあわせの行楽弁当」
四月上旬、桜は次々と花開き、世間は春の陽気に浮かれている。羊三は午前中の仕事を少し早く終わらせたところだ。今日は野外でイベントがあり、羊三も対応に駆り出されたうちの一人だった。仕事終わりの従業員を気遣い、事務所のテントには昼食用の弁当が積んである。木箱に入った立派な行楽弁当だ。あたりには花見客もちらほらいて、みんな笑顔であれこれ飲み食いしている。
「はい、ではちょいとお先に……」
羊三は弁当の入
【物語】ほこらの森ホテルへようこそ 〜社会人1年目のリスのおはなし〜
「#社会人1年目の私へ」コンテスト応募作品です。物語の舞台は、とある森にあるホテル。主人公は社会人1年目のリスです。絵本みたいな優しい世界を作りたくて書きました。読んでみてもらえると嬉しいです!
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このホテルで働き始めて5年が経った。今でこそ仕事にも慣れたけど、入ったばかりの頃は大変だったなぁ。
これは、私がまだ社会人1年目だった頃の、ちょっとしたお話。
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学校を卒業して、