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エッセイストになりたいねん

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自分の人生や日々の生活に起きたことをエッセイにしています。
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2018年7月の記事一覧

大学おもひで小説|夏の夜の夢

大学おもひで小説|夏の夜の夢

とある夏の夜、友人から連絡があった。

「ルームメイトが働いてるバーに行くんだけど、一緒に行かない?」

当時、英語の勉強中だった私は、国際文化センターなるところで、その友人と知り合った。館内には掲示板があって、「友達募集」「先生・生徒募集」などの張り紙が何枚も押しピンで留められていた。英語、フランス語、中国語、韓国語、いろんな言語で、なんでもござれだった。

私は小さな用紙いっぱいに、ヘタクソな

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しょうもない話|部屋

しょうもない話|部屋

実家にいながらにして自分の部屋におしゃれを追い求めるのは難しい。デザイナーの両親を持つなどのサラブレッド的環境に生まれたならまだしも、一般的な「実家」とはやはりおしゃれの対極にあるものだろう(と信じたい)。

実家感の魔力は強い。いくら小物などのオシャレアイテムで取り繕おうとも、大型家具や電化製品といった大幅に場所を取るアイテムが実家セレクトになっていると、途端にささやかなおしゃれは無残にも掻き消

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選ばれし者になってしまった話

選ばれし者になってしまった話

「石の上にも三年」ということわざがありますが、これと同じような精神修行ができてしまうのが、病気や怪我なのかもしれません。

ベッドの上にも三年。

もちろん本人の希望とは相反するものです。「石の上にも三年」は能動的な選択の上で行われる修行ですが、「ベッドの上にも三年」は受動的なものです。

「人生は選択の連続だ」などという考え方は、人間の傲慢なのかもしれません。なにもかも自分で選べると思っては、自

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しょうもない話|顔

しょうもない話|顔

顔があって驚いた。前回のセキララ裸体告白に続き、またしても何をと思われるかもしれないが、めくるめく要介護の世界では自分の顔を見る機会がほとんどないのである。

そもそも私の生活は、ベッドルーム・トイレ・お風呂、この三地点における必要最低限の行為のみで構成されている。これを要介護のBTO(ベッドルーム・トイレ・お風呂)トライアングルと名付けてみるとして、私は一日中BとTの間を行ったり来たりしている。

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しょうもない話|RATAI

念のためアルファベットで書いてはみたが、要するに裸体のことである。

第一回目から何をとぼけたことを、とお思いの方もいらっしゃるかもしれないが、要介護系女子の生活は裸体と切っても切れない関係にあるのだ。というわけで記念すべき第一回は裸体に捧げておきたい。

人は服を着るのが好きだ。

裸で産み落とされたにも関わらず、生後間もなくして布に包まれるなど、人前に肌を晒すことなく年を重ねていく。生き物の

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