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エッセイストになりたいねん

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自分の人生や日々の生活に起きたことをエッセイにしています。
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2019年5月の記事一覧

『ザリ子の旅』のこと 〜夏休みのおもいで〜

『ザリ子の旅』のこと 〜夏休みのおもいで〜

夏休みの出来事で最も思い出深いのは『ザリ子の旅』のことだ。小1の夏休み、クラスで飼っていたザリガニのザリ子を預かったことから全ては始まった。

当時の私は大変に気の良い子供だったらしい。誰もやりたがらない空気の中、なぜか率先して夏休みのザリガニの世話を引き受けることにした。1学期の最終日にザリ子入りの水槽を自宅まで持ち帰り、庭のど真ん中に置くと、快適な住まいづくりのために水槽に砂利を入れてみたり水

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アイスランドの朝焼けと、いつもの部屋の夕焼けと。

アイスランドの朝焼けと、いつもの部屋の夕焼けと。

世の中にはありとあらゆる楽しいものや綺麗なものが溢れているけど、空ほど面白いものはないと思う。ふと見上げた空の美しさにもハッとさせられるけど、「さあ空でも見るかな」と腰を据えて何十分もじっくり眺めると、これはもう何物にも変えがたい見応えがある。

雲は流れたり止まったりして姿形を変えて、太陽は少しずつ傾いていつの間にか朝は昼になり、昼は夕方になり、夕方は夜になっている。そのうち月が現れて、「今日は

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パンを食べるために生まれてきた 〜クロワッサンオムレツサンドの巻〜

パンを食べるために生まれてきた 〜クロワッサンオムレツサンドの巻〜

「パンがなければお菓子を食べればいいじゃないの」というのはあまりにも有名なマリーアントワネットの迷言で、今さらこれについて語るのも無粋な気はするのだけど、しかしだ、もしも自分がこの言葉をそのままんま投げかけられたら一体どんな気持ちになるだろう。きっとムッとするに違いない。

まず第一に、当たり前だがお菓子ではパンの変わりにならない。パンをお菓子で代用せよというのは、おはぎでおかずを食べろと言ってい

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おやつこそ人生の喜び 〜焼き菓子とほうじ茶ミルクティーの不思議な関係〜

おやつこそ人生の喜び 〜焼き菓子とほうじ茶ミルクティーの不思議な関係〜

昨日のおやつが美味しかったから今日もまた幸せでいられるし、今日のおやつが美味しかったから明日もまた幸せでいられるんだろうな。

というくらいに最近おやつが生きがいになっている。毎日それはもう単調な生活を送っているので(しかしそれを気に入ってもいる)、朝起きてから晩ごはんまでのちょうど狭間、午後4時を過ぎたくらいに食べるおやつはこれ以上ないくらいに美味しく感じる。1日の中間地点に何か一つ楽しみを設け

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フィッシュアンドチップスの日 〜イギリス料理のおもいで〜

フィッシュアンドチップスの日 〜イギリス料理のおもいで〜

今日の晩ごはんはフィッシュアンドチップスだった。いろいろと偶然が重なり、さらには私のわがままを聞いてもらった結果訪れた幸運である。幸運の女神はこういう思いがけない場面で突然微笑んでくるのだ。私は突然の微笑みに心躍らせながら買い出しから母が帰って来るのを待っていた。今日はフィッシュアンドチップスだ!

フィッシュアンドチップスとはイギリス好き的には言わずと知れたブリティッシュソウルフードで、どんな食

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乙女、全裸車椅子に爆笑

乙女、全裸車椅子に爆笑

健康増進に余念がない私は、血行促進の目的で一日二回、朝晩と湯船に浸かることにしている。近頃は夏っぽい気候になってきたので、風呂上がりには全身が熱を帯びてなかなか汗も引かない。

となるとやはり私はまっぱだカーニバルを行うことになる。カーニバルと言っても特にリズミカルに踊ったり騒いだりすることはない。ただボンヤリと椅子に腰掛けるだけだ。

しかし一見ただボンヤリしているようでも、実際はそこそこやるこ

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春が嬉しい

春が嬉しい

最近わけもなく毎日幸せだ。

多分春のせいだろう。朝ごはんの後お風呂に入って廊下から庭を眺める、ほんの10分くらいの時間がどうしてこんなに楽しいんだろう。

窓を開けると世界が一気に変わる。春の匂いがして、一日一日変わって行く緑の色や、わさわさ揺れる柿の葉っぱ、晴れの日にだけ蝶々がひらひらと飛んでいて、それを目で追うたびに私はわくわくする。鳥がチュンチュン鳴いていて、空が青くて、白い雲が流れていて

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才能のピークは小学校三年生

才能のピークは小学校三年生

私の文才のピークは小学校三年生だった。それからの才能指数折れ線グラフは下降の一途を辿っており、三十歳になった今も、「へ」の字山のふもとから、振り返って頂上を見上げている構図だ。山頂から小石でも転がそうものなら、ゴロゴロと音を立ててこの二〇十九年まで転がってくるだろう。

小学校三年生のある日、家族で団らんしていると「一人一つずつ小説を書こう!」というノリになった。今思うとなかなか小洒落たノリである

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So Far Away

So Far Away

"But you're so far away
Doesn't anybody stay in one place anymore
It would be so fine to see your face at my door"

目の前にある小さな幸せを見逃さないよう
与えられた環境や愛情に誠実に感謝して
一日一日を大切に生きていきたいと思った。

人と人との繋がりは
木と鳥の関係に似ているのか

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「ポーの国々」母娘ふたり、ポーランド&オーストリア旅行記 Vol.1 〜プロローグ〜

「ポーの国々」母娘ふたり、ポーランド&オーストリア旅行記 Vol.1 〜プロローグ〜

まえがき
ゴールデンウィークも終盤に差し掛かってきましたね。SNSにも旅行写真が多数投稿され、画面越しにも楽しさが伝わってきます。見ているだけで「どっか行きたいな~」欲が刺激されますよね。

ということで、今回から数回にわたり、ヨーロッパの小国ポーランド&大国オーストリアの魅力を、旅行記形式でお伝えしていきたいと思います。今回はどこにも行けなかった方も、先々のご計画のご参考になればと思います。

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念じれば願いは叶う(平成最後の日記 4/30)

念じれば願いは叶う(平成最後の日記 4/30)

昨日の夜のことでした。
とある中華料理店のホームページを見た私。
「ああ、中華が食べたい。あの店の中華が食べたい……!」
心に浮かんだのは、とあるデパートにある中華料理店。今までにも何度も利用している、いつもいつでもどんな時だって美味しいお気に入りの店です。

「あの店の中華が食べたい……!あの店の中華が食べたい……!」
私は強く念じました。美味しいだけでなく、お給仕も早くて、おまけにテイクアウト

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