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エッセイストになりたいねん

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自分の人生や日々の生活に起きたことをエッセイにしています。
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#日記

綿生さんちの素朴な毎日/昼と夜の混ざる時間

綿生さんちの素朴な毎日/昼と夜の混ざる時間

「内の光と外の光が混ざる時間が一番あかんねん」

夕方五時、廊下に車椅子を停めて庭の景色を眺めていると、刻一刻と空が夕方から夜へと色を変えていく。街灯が灯り、庭の向こう側の原っぱから鋭い光が差し込んでくる。夕暮れは綺麗だけど、この時間が一番苦手だ。自然の光と人工の光が混ざり合って、目の明るさをどこに合わせればいいのかわからない。

「いや、なんか文学的な表現やん」

私の苦手発言を聞いて家族はこう

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#多様性を考える、という文字列が存在し続ける限りこの世は多様な社会にならない

「多様性」という言葉が視界に入る度に心の奥底に生ぬるいモヤが掛かったような気持ちがする。

「多様性を認める」「多様性を容認する」などという言葉が普通に心底嫌いだからかもしれない。私は度々この件について持論を展開しているが、多様性とはただそこに存在するものであり、認めたり容認したりするものではない。

そもそも、「認める」だの「容認する」などという言葉はどこからやってきて社会に浸透してしまったのだ

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最強のカーディガンを探す旅

突然寒くなった。いやいや寒くなりすぎじゃないですか?今朝は喉も痛いしこのまま風邪を引くんじゃないかとあたしゃ恐ろしい気持ちでいっぱいだよ……

我が名は同じパジャマの色違いを10着以上保有して24時間365日着ている狂人なのだが、外に出るときや廊下に出るときにそりゃあもう寒くてスースーしてたまらんので(ダイアンの津田さんからスーを頂戴している形)、カーディガンをその都度着るわけです。

しかしカー

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そんなに見る?

https://note.com/wataseshiano/n/ncae383c50622

ここにも書いたけど、今日はじめて車椅子で外に出た。

家の前の通りは人通りが少ないので、滞在した5分間で見かけた人類も5人くらいだった。

わたしたちの存在に気付いていない人を除き、めちゃくちゃ見られた。そんなに見る?というくらいに見られた。

車椅子ユーザーがよく抱くこの感覚に対して、「気のせいでは?」

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2年半ぶりの外出とデコボコ車椅子

ディノスのカタログ通販でインナーを買った。

ウール100%でホールガーメント編み(縫い目がない筒編みのこと)のやつ。

いわゆるヒートテックみたいな見た目をしている。

インナーにウールなんて暑くないのかなという気持ちと、でもディノスがこんなにも勧めているのだからきっと何かが良いのだろうという気持ちがあった。

わたしはディノスのことを心から信頼している。ディノスのおかげで我が家のQOLは少しず

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川久保玲のことをカーク・ボレーだと思っていたあの頃

まだファッションのことなんて右も左もわからなさすぎて自分が何を着ているのかもわかっていなかった頃、コムデギャルソンのことを小耳に挟み、その小耳への挟み具合が悪かったせいか、デザイナーの川久保玲のことをカーク・ボレーだと思っていた。

誰?

今もファッションのことがわかったとは言えないが、少なくともカーク・ボレーなる謎の人物は存在せず、川久保玲なる女性が存在することはわかっている。それだけで十分だ

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カレーが食べたい

寒くなってきたのでカレーが食べたい。寒い上に暑いときもあるので温かくてかつ夏っぽいものが食べたいのだ。

カレーはまだカレーの王子様しか食べられていない段階なのだが、バーモントカレー甘口にならステップアップできるような気がする。

バーモントカレー甘口に合いそうな具材を考えるに、まあ肉は脂質的に豚ヒレ肉のブロックをスライスするとして、問題は野菜であるが、秋だし、舞茸がいいんじゃないかしら。あとは玉

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最近の良いこと悪いこと

人生は良いことだけでも悪いことだけでもないので併記する、そんなnoteにしようと思う。

○良いこと昨日のお昼ごはんに食べたパスタが美味しかった。豚ひき肉とマッシュルームのソースのねじねじパスタ。写真はない。

お腹をすぐに壊すのでずっと鶏肉と魚ばかり食べる生活を送っていたけど、血液検査の結果、腸に異常ナシとのことだったので自信が付いたのがひと月ほど前のことである。

弱気な腸に対して腸内細菌を増

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喪失の響き

わたしには文学の才能ってものがない。自分で書いていて虚しいほどにわかる。語彙は少ないし、小説も数えるほどしか読めたことがないし、コツコツと地道な作業を続けるのも苦手だ。

それでも、書かないと生きられない瞬間があったから、これまで書き続けてきた。

わたしが本当にやりたい芸術は音楽だ。音楽でなら、どんな言いたいことだって表現できる。音は血肉となってわたしの中を流れている。こどものころからずっと、記

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人はシェイクスピアにすらも慣れる

昔の洋画を重点的に観るようになってからひと月ほど経つだろうか、最初のうちは「すごい!白と黒ですべてが表現されている!」とかなり根本的なところにすら感動を抱いていたものだが、今では映画が白黒であることは当たり前に感じるようになり、逆にカラーの映画を観ると「うわっ、色が付いてる!」だの、「カラーなだけでなくデジタルではないか!」だの、過去から来た人のような反応を示すようになった。

そういう意味では私

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二年間外に出ないと夜に見る夢はどのように変化していくのか

謎の奇病にかかりし候、私がぶっ倒れたのは今から約二年前のことである。それからしばらくはぶっ倒れ度120%の生活を送っていたため記憶が全然ないのだが、半年近く経ってぶっ倒れ度が110%になったあたりで面白い出来事があった。それは夢の内容が変わってきたということである。

最初の半年間は、過去のそれまでと変わらない、日常生活と関連性があるのかないのか分からない、いかにも夢夢しい夢を見ていた。ところがど

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2020/6/11 トラブルの嵐ならドリブルでかわしちゃえ

2020/6/11 トラブルの嵐ならドリブルでかわしちゃえ

こんにちは。本日も語り掛けるスタイルで参ります。しあのです。

今日の関西はザーザー振りの雨模様で湿気がハンパなく、びちゃびちゃびちょびちょぐっちゃぐちゃで全体的に気持ちの悪い一日となりました。

我が家は南側の日照権が完全に剥奪されていて、おまけに普段いる部屋が北向きのため、ここは和風の北欧か?と疑うほどに室内が暗いです。

そんな日は気持ちもマイナス寄りになるのか、ウジウジぐじぐじ考え込んだの

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2020/6/7 介護・看病される側の気持ち

2020/6/7 介護・看病される側の気持ち

※明るい話ではありません

こんにちは。介護され歴も二年を越えた綿生しあのです(正確には看病され歴ですが)。

今日、たまたま一瞬観たテレビに、自宅の階段をゆっくりと上るおばあさんの姿が映っていました。二階のカメラから見下ろす形で、左手を手すりに、右手を膝の上に置いた、薄紫色のセーターを着た、白髪交じりのおばあさん。

「私みたいな人が映ってるやん」
と私が言うと、
「しあのより元気そうやけどな」

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2020/6/2 元気をくれるアマビエの和菓子

2020/6/2 元気をくれるアマビエの和菓子

先週くらいから一気に暑くなってきましたね。みなさんいかがお過ごしですか? How do you do?

私は相変わらず古い映画を観るのにハマっています。

特に『若草物語』(画像上)と『素晴らしき哉、人生!』(画像下)には感銘を受けてしまい、もうあちらの世界から帰って来れません。善意が前提の世界……やさしい世界……夢の世界……

と、夢の話はさておき、今日はアマビエちゃんの和菓子をいただきました

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