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さざなみダイアリー④

さざなみハウスのモーニングに使う食パンは、岡山のキムラヤで仕入れている。私の近所にあるお店は朝の6時から開いているので、長島に向かう前に寄っていけるのがとてもありがたい。

今、キムラヤではポイントカードのキャンペーンが始まっていて、スタンプを集めたら500円の金券がもらえる。期間も長いから、店員さんはこのキャンペーンを超推奨してくれる。レジの度にカード台紙の有無を聞かれ、ズボラな私は以前もらったカードの所在を確かめることなく「いいです」と答える。すると「新しい台紙作りますね」と返ってくるので「大丈夫です」というと「絶対お得なんで持ってた方がいいです!」とパワーワードをぶちかましてくるので、大抵はそこで諦めて台紙を受け取るのだが、今日はそこへ「忘れたんでいいです」とさらなる抵抗を重ねてみた。だが、やはり相手の方が上手で「じゃあレシートに押しときますね」と一度渡したレシートをもう一度出すように催促をしてきたのだった。ああ、もうなんてことか、カード台紙を出せない私が、レシートにスタンプをもらって次の来店時に持っていけるわけがないでしょう...!このままではまた無駄な台紙が増えてしまうので、私は逃げるようにして「大丈夫です!」と断り、店を去った。

運転しながら、スタンプを集めるか否か考える。確かに集める方が得なのだ。さざなみの原価率もわずかながらに下げることもできるだろう。それに断る労力を鑑みてもカード台紙を持っていた方がスムーズなのは感じている。以前の職場では、スーパーでの買い物を毎日頼んでいたM君に「たまるんカードはお持ちですか?って毎回聞かれるのに、毎回持ってないって答えるのはしんどいです」と相談されて、そうだよねと思ってカードを持たせるようにしたことがある。それ以来、仕事で毎日使うスーパーのポイントカードは作るようになった。
だけど、キムラヤは週に数回のこと。私のポイントカード管理能力をアップデートする方が困難だと思う。朝の時間はポイントなんかにとらわれず無心でいたい。それならばいっそ一時間キムラヤで働かせてもらう方が手っ取り早いのではないか。

店員さんは悪くない。得をすべきだと勧めてくれているのだ。それにしても、得をとらねば損するようなこの風潮。ズボラな私はこのポイント社会を上手に渡っていけるのか少し心配だ。
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#さざなみダイアリー

「サウダーヂな夜」という変わったカフェバーで創刊された「週刊私自身」がいつの間にか私の代名詞。岡山でひっそりといつも自分のことばかり書いてます。