”答えの準備ができている人”はかっこいい

ぼくが思うかっこいい人の条件のひとつに、”あらゆる質問に即答できる”というものがある。

それは別に必ずしも博識というだけでもなくて、たとえば「好きな食べ物なに?」と聞かれたときに「好きな食べ物?うーん……豚汁かな」と思考を挟むのではなくて、「豚汁。」とスパッと答えられることだったり、「最近見た映画でよかったのある?」と聞かれたときに「ブレードランナー2049は最高だったよ」と即答できるということだったりもする。

質問に即答できるかというのは、頭の回転の速さよりもむしろ事前に思考を済ませているかどうかで決まってくる。だから、あらゆる質問に即答できる人というのは、自身を含めた身の回りのあらゆることに疑問をもち、調査・検討を済ませて整理してきた人だといえる。そういう人のことを、ぼくは”答えの準備ができている人”と呼んでいる。

彼らとの会話には学びがある。彼らは、ぼくが抱くような疑問はたいていすでに思考済みで、なにかしらの答えや持論を持っていることが多いからだ。それに、まれにまだ相手も検討したことがない質問だったとしても、彼らは持ち前の思考の速度と深さからすばらしい返答をしてくれて、学びの多いディスカッションにつなげていける。

そして、彼らが投げかけてくる質問は本質的なものばかりなので、自分の理解の浅さや新しい視点に気づかせてくれる。ときにはみじめな気分になったり、相手はそんなつもりがなくても責められているように感じてしまったりすることもあるけれど、総じて得られるものは大きい。

だから、彼らとの会話を気負いなく楽しめるように、なんならむしろ彼らにもこちらから学びを提供できるくらいになれるように、さまざまなことに疑問を見出し、そのままにせず、自分なりに質問の答えを見つけていきたいと思う。


……え、ぼくの好きな食べ物ですか?

ぼくの好きな食べ物は豚汁です。なぜなら、野菜もお肉もおいしく食べられるからです。

だめだ、バカっぽい。





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