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71日間地球ひとまわり(28)ボスニア・ヘルツェゴビナ 30年前激戦地だったモスタル

久しく間があいてしまったが、ボスニア・ヘルツェゴビナ旅行記の続きを書く。
クロアチアの首都ザグレブから、ボスニア・ヘルツェゴビナ北部の都市バニャルカにバスで移動した。
距離にして120キロ程度。
国境を越えて川を渡ると、そこはもうボスニア・ヘルツェゴビナだった。

バニャルカのある地域は、スルプスカ共和国と呼ばれるセルビア人主体の共和国。
今回向かうモスタルは、ボスニア・ヘルツェゴビナの南部にある。
モスタルはボシャニックと呼ばれるムスリム、クロアチア系、セルビア系の宗教が異なる民族が共存していた地域だった。
しかし90年代初頭の内戦で、三つの民族が三つ巴になって争い、多くの死傷者が出た地域である。
ボスニア・ヘルツェゴビナの都市の人口で見ると5番目と決して大きな都市ではない。
なので、バスの便も限られている。
というか内戦の経緯を考えるとよくバスの便があるものだなあとも思った。なぜならば、モスタルでセルビア系の人たちが決して多いわけではないからだ。だからバスはすいていると思っていた。
しかしバスの出発時間になると、荷物を持った人が列をなしていた。
中には観光客も交じる。
「なぜだろうか?」不思議に思った。
ちなみにバニャルカとモスタルの距離は200キロ程度。
決して遠いわけではないが5時間近くかかる。
なぜならば高速道路のない山の中を延々と走るからだ。

バニャルカの市街地を抜けると、もう山の中。
ひたすら山の中をバスは走る。
時折姿を見せる集落。

そして2時間ぐらい走ると湖が見えてきた。
風光明媚な場所である。
その湖の近くのバス停で、バックパックを背負った観光客の多くが降りた。

トレッキングやハイキングのスポットとして知られた場所らしい。
後日訪れたサラエボで聞いた話によると、山の多いボスニア・ヘルツェゴビナはトレッキング好きな人には楽しい場所のようだ。

それから乗客がぽつぽつと降りた。
山の間をバスはひた走り、夕方ごろにモスタルの町に到着した。

モスタルのバス停は13年前に一度訪れたことがある。
あの時よりもバス停付近には店が増えていた。
何よりも変わったのはバスターミナル周辺にいた客引きの人がいなかったことだ。
今はネットで宿泊施設を予約するのが一般的だもんな。
時の流れを感じた。





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