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Superchunk / Come Pick Me Up

 1999年リリースの7thアルバム。本作はJim O'Rourkeとの共同プロデュースということで当時かなり話題になりました。元々ポップだった彼らの楽曲にストリングスやホーンが導入され、よりカラフルに。レコーディングはSteve Albini所有のElectrical Audioで行われ、録音とミックスは勿論Jim O'Rourkeが担当。クレジットをよく見るとトランペットでShellacのBob Westonも参加していたりする。
 肝心の音に移ると、パンキッシュさはほぼなくなったと言ってもいい。それくらいに歌、メロディ重視の音作りになっているし、それはプロデューサーであるJim O'Rourkeの影響がかなり強いのだと思われる。非常に心地よいヴォーカルやギターソロ、合間に挟まれるホーンやストリングス。ギターはノイジーに響く時もあるけど、本作ではそれはメインではない。音が軽やかで、前作からさらにポップさが深化している。それがよく分かるのがシングルにもなった代表曲『Hello Hawk』かな。同時期にJim O'Rourkeは『Eureka』という非常にポップなソロアルバムをリリースしており(こちらも大傑作です)、バンドとともにポップな作品を作るモードに入っていたのかな、と。また、楽曲の並びがあまりに完璧すぎる点も挙げておきたい。色々なタイプの曲があるけど、それらが違和感なく流れていく。Macのヴォーカルも非常に穏やかで優しい。改めて聴き直してみて思ったけど、このアルバムが最高傑作かもしれない。それくらいに素晴らしいアルバム。

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