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Superchunk / Here's to Shutting Up

 2001年リリース作。本作は前作以上にメロディを重視した作風になっている。特にキーボードを多用していることが特徴かな。あとは、作品ごとに違うプロデューサーを起用していたけど、本作は『Foolish』のプロデューサー、Brian Paulsonを迎えている。確かMacが本作について「Superchunkと聞いてイメージする音と違うものを作りたかった」と言っていて、『On The Mouth』と『Foolish』も音の印象が変わっていたので、同じプロデューサーを起用したのもそれの表れなのかも。
 というわけで冒頭の『Late-Century Dream』から穏やかな曲が続く。これまで以上にキーボードが随所に使われている。Superchunkの全アルバムの中で一番穏やかだと思う。勿論それが悪いのではなく、これまた素晴らしい出来なのが凄いところ。アルバムタイトルが歌詞で出て来る『Out On The Wing』は作中でも激しめの曲かな。あと『Art Class (Song for Yayoi Kusama)』はタイトルからも分かるように草間彌生に捧げられた曲で、こちらも非常にかっこいい曲。でも全体的には歌とメロディを重視した、非常に優しいアルバムに仕上がっている。
 ただ、本作はなかなかの難産だったらしい。さらにリリース直前には9.11テロが起きて衝撃を受け、でもツアーはそのまま行い(日本ではナンバーガールとのツアーで、その後リリースされたDVD『Crowding Up Your Visual Field』にも出て来る)、しかもそのツアーも過密日程だったようで、メンバーは皆疲れ果て、最終的には活動休止をすることになる。LauraとJonは解散でも良いと思っていたらしいけど、MacとJimは続けたかったので、一旦活動休止で落ち着いたとのこと。その後、新しいアルバムがリリースされるまで約9年待つことになるけど、それはまたいずれ。


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