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ジブリのフリーペーパー『子供と向き合う』特集にある「規則の少ない学校の話」は会社組織でも使えることばかりだった

こんにちは。

『「好き」で自信を創り、「好き」で社会とつながる』をビジョンに、発達障がい児向けのメンターマッチングサービスと教室運営をしているBranchの中里です。


ジブリがフリーペーパー?

最近、ジブリがフリーペーパーを出していることを知りました。
その名も『熱風』。

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※奈良美智さんの表紙がかわいい。

知人から
「ジブリのフリーペーパーに載っている世田谷区桜丘中学校のやっていることがBranchの考えとすごく似ていますよ」
と言われ、
「え、ジブリってフリーペーパー出しているんだ」
&
「うちの考えに似ている中学校って、、?」
と、とても気になりフリーペーパーをBranchのスタッフと探しに行きました。

さっそく、渋谷Q-Frontの蔦屋で見つけだし、読んでみると金言だらけでした。

さらに、この「子供に向き合う」特集に書かれていることって、「大人の会社組織でも使えることばかりなのでは」と思ったので少しまとめてみようかと思います。

世田谷区桜丘中学校について

どうやら僕が知らなかっただけで、「校則がほとんどない中学校」として教育業界では結構知られた存在だったようです。
ジブリのフリーペーパーでは校長先生である西郷さんのインタビューが載っていました。

地図を見ると千歳船橋駅のあたりで、東京農大のすぐ裏。

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※Mapを開く。

中学校の理念を見るとこんなことがかかれています。

桜ヶ丘中学校では、規則をできるだけ少なくして、子どもたちと先生との「約束」を中心にして学校生活を送れるように工夫しています。規則を少なくしている理由は、子どもたちに考える力と判断する力を養ってほしいという思いがあるからです。
帰国子女やいろいろな宗教を持つ生徒が在籍する本校では、生きて来た時間が全く違うという点で一つの規則にしてしまうには無理があります。また、「子ども一人ひとりはみんな違うほうがよい」という教育方針からも、生徒と教員のやりとりを大切にしたいと思うからです。

理念の中にも「規則が少ない」ということがすでに書いてあります。
こんな学校の理念、少なくても僕は見たことなかったです。すごい。

更に、ジブリのフリーペーパーを読んでいくとこんなことが書かれていました。

校則がないのは私たちの考えのほんの一部であって、本質はインクルーシブ教育(インクルーシブとは(包括)を意味する。障害児も健常児も、望めば合理的な配慮のもとで地域の普通学級で学べる教育システム)なんです。というのは、いろいろな障害を持った子どもたちや、悩みをもつ子どもたち、外国の子どもたち、1人ひとりに特性があって、その違いがあっても、みんなが同じ学校で一緒に勉強ができる。それがインクルーシブ教育です。そのための対策の一つが「校則がない」ということであって、別にそれを学校の看板にしたいわけではないんです。結果的に校則がいらなくなったというだけ。

ふむふむ。

校則がないことが先にあるのではなく、「インクルーシブ教育」を実施する学校を目標としていた、と。

発達障害の子で制服を着られないという子どもがいます。私服なら着られる。それはどうしてだか分からない。アレルギーなのか、制服をきちんと着ることが苦手なのか。とにかく嫌だと言うわけです。そこに制服を着ることが校則になっていると、その校則があるだけでもうその子は学校に来られないわけです。だから服装規定は、その子たちのための自由にした。だけど、その子だけ私服でいいとなると「なんであいつだけ私服でいいんだ」とその子が他の子から差別されてしまう。日本の社会は「みんなと一緒じゃなきゃいけない」という暗黙の了解があって、一緒じゃない人は必ず叩かれます。人と違っちゃいけないというのが根本になる。だから、それをなくすためには「じゃあ、みんな私服でいいよ」と言わなきゃいけない。結果として「制服を必ず着なさい」という校則がなくなるわけです。

素晴らしすぎる、、。

Branchには、学校の規定に縛られたり、先生に謎の叱責をされて学校に行けなくなったような子がたくさん来るので、本当にこういう考えの学校が増えたらいいなぁと思います。

心に問題を抱えて、朝決まった時間に来られない生徒がいても、「校則だから決まった時間に来ないとダメ」とは言いません。特性があって校則をうまく守れない子がいるから、「その子だけは校則を守らなくてもいいよ」ではなくて、全員に「その校則はないよ」にしたんです。授業中にイライラしてしまう、いわゆる衝動性がある子もいます。耳が敏感で、ギリギリ言うとうるさくて暴れちゃう暴れちゃう子もいる。そういう子たちには「もしイライラしたら教室から出てもいいよ」と言います。さらに、その子だけじゃなくて、「みんな、授業がつまらなかったら出ていいよ」と。そのようなことを続けていくと、こういう学校になるんです。その子のためにいいことは、みんなもいいという発想です。

これも素晴らしすぎる、、!

その他にも

・こういう学校だけど、学力が非常に高いという話
・校長室にフラっと来る生徒さんたちの話
・みんな一緒じゃなくて良い話

などなど、このフリーペーパーの特集記事は非常に読み応えがありました。

社会の障がい

よく「発達障がいは社会の障がいだ」というようなことが言われます。

例えば、小学校などでは下記のようなことが問題視されて、通級に通ったり支援学級に通ったりする場合があります。

・書字が苦手だ
→話せたら音声入力で良いよね?字が読みづらくても映像記憶が強い子だっているよね?

・机でジッとしてられない
→ジッとしないと行けない環境じゃなければ良い。常に体を動かすような仕事もある。もっと言えば狩猟社会だったら、そういう人の方が能力は発揮できていたかもしれない。

・一つの事へのこだわりが強すぎて、話が進まなかったりして周りの子とスピードが合わない
→集団じゃない場合だったらどうだろう?こだわりが強い子であれば往々にして突き詰めた素晴らしい表現をしたりする場合もある。

すべて「現行の”学校”という集団組織を運営していくために必要なこと、から取りこぼされているだけ」だったりします。

※僕は学校教員の方にも友人知人が多いですし、学校批判をしたいわけではないです。そういう側面がある、という論点。

会社に当てはめると

これを会社に当てはめることもできます。

最近、自分がこういう仕事をしていることもあり、様々な企業の方から自社内にいるいわゆる「困った社員」の相談を受けることが多いです。

・何度言ってもヘッドフォンをして仕事する
・時間通りにミーティングに来ない
・細かいタスクを何度言っても忘れる

これ、もしかしたらインターネット企業など新しい会社に所属している方々だと「どこがまずいの?」って思うかもしれません。
でも実際、社歴の長い大企業さんからはこういった相談が来ます。

・何度言ってもヘッドフォンをして仕事する
→それってまずいんでしょうかね?組織として許してはどうでしょうか。
おそらく聴覚刺激を遮断した方が集中力の増す方なのだと思います。
むしろヘッドフォンをすることで集中力が増すのであれば、会社としてはそっちの方が良いのでは。

・時間通りにミーティングに来ない
→ミーティングのない仕事にできないのでしょうか。ホウレンソウが必要であればチャットなどでも十分にできる可能性もあります。

・細かいタスクを何度言っても忘れる
→マルチタスクが苦手なタイプな可能性があります。
知人でも実際にいましたが「細かいタスクやルーティンワークは本当に苦手だけど、企画系はものすごく得意」という場合もあります。きっとあった仕事が他にあります。

個人的には「ビジョンに共感してくれていて、基本的に悪いやつじゃなければ、あとは自由に任せる」みたいな組織カルチャーの方が令和時代の優秀層は集まってきそうだと思っています。

「会社のルールや風土的にそれはダメだろ、、。」って思うことも一度立ち止まって、「本当にそうだっけ?そのルール自体をなくすことできるんじゃないか」って思えるか。
すごい大事な視点なんじゃないかなぁ、と。

社歴が長ければ長いほど、謎ルールや謎カルチャーがあったりします。

ただ、組織としてではなく、一人の人間として見てみたら、「これってルールの方が悪くない?」ってこともあるのでは。

今回のジブリのフリーペーパーではそんなことを思いました。


ジブリのフリーペーパーがどこで手に入るか

ジブリのフリーペーパーが手に入る場所はこちらです。

この世田谷区桜丘中学校の話以外にも読み応えのあるものばかりだったので、今後は毎月探しに行こうと思います。


(個人的には知人の川内有緒さんの記事が上記記事のすぐ後ろにあって、その記事がまた大学時代からの親友小倉ヒラクの土地に立ててる小屋の話だったので驚きましたw)


それでは。





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