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神戸大学 大学体験ツアー 見えない生き物がわかる?環境DNAの不思議 を開催

弊社では、子どもたちに”研究者”という生き方に興味をもってもらいたい。”研究者”という”人”への興味から科学の面白さを知ってほしいという思いから、大学体験ツアーイベントを開催しています。昨年は奈良先端科学技術大学院大学の細川陽一郎教授にご協力頂き、「色と光の不思議な関係を学ぼう」を開催。

そして今回、4月8日(土)神戸大学 鶴甲第2キャンパスG棟にて、弊社の人気インタビュー企画「若手研究者を応援するnote」の記念すべき初回に第一線で活躍する先輩研究者としてご登場いただいた神戸大学の源利文先生にご協力頂き、研究者との対話や実験体験を開催しました。

神戸大学G棟前での集合写真

イベントレポート

「大学体験ツアー 見えない生き物がわかる?環境DNAの不思議」に、10組の家族、合計40名が参加してくださいました。源先生の環境DNAの講義に始まり、ビオトープから水を採取し、そこからDNAを抽出し、PCRにかけるという実際の研究を体験しました。この体験を通じて、子どもたちは研究者が新たな知識を探求する過程を学びました。

まず始めは、源先生の「環境DNAとは何か」についての講義でした。環境DNAとは、海や川などの水を少し取ってくるだけで、その場所にどんな生物が生息しているのかが分かるという革新的な手法でした。子どもたちは初めて耳にする知識にも関わらず、源先生のわかりやすく楽しい説明に興味津々で聞き入っていました。

次に、環境DNAの実験に挑戦しました。まずはキャンパス内のビオトープから水を採取。DNAを確認するカワバタモロコを自分の目でも見つけることができるか真剣に探していました。その後、取ってきた水を実験室でろ過し、遠心分離機や試薬を使うことでDNAを抽出しました。その過程で、新しい器具やマイクロピペット、ピペットチップなどを使い、実験の工程を体験しました。

最後に、子どもたちはPCR技術を使って抽出したDNAを増幅させる実験を行いました。結果のデータから、ビオトープから水を採取する際には見ることのできなかったカワバタモロコのDNAが確認できたことで、確かにそこにカワバタモロコが生息していることが証明されました。結果がうまく出たことに子どもたちは大喜びでした。実験を通じて、研究者がどのようにして環境DNAを通じて見えない生き物の生息を証明していくのかを直接体験することができました。

源先生の講義
ビオトープへ水の採取
結果を確認

PCRで増幅したDNAが反応するのを待つ間に、源先生やTAの方々との対話の時間を設けました。子どもたちは、普段はなかなか聞くことのできない研究者の日常や研究の楽しさ、難しさについて直接質問することができました。それだけでなく、源先生やTAの方たちがどんな子ども時代を過ごしていたのか、スポーツや部活にどのように打ち込んでいたのかといった話も聞くことができました。研究者も自分たちと同じように、日々の生活を楽しみながら、目の前のことに熱中して大きくなった人間であることを感じたように思います。

この対話の中で、研究者という職業が、たくさんの科学の知識を持つだけでなく、未だ知らないことを探求する子どものような情熱と好奇心に溢れた、挑戦の連続であることを感じたように思います。そして、研究者という生き方が、ただ頭が良いだけでなく、常に新しいことに挑戦する、面白い生き方であると感じてもらえていれば嬉しいです。

準備中や実験の待機時間を利用して、くもM先生が子どもたちが日常的に親しむ食材を用いた親しみやすい方法で、家庭で再現可能なDNA抽出実験を教えてくれました。使用した食材は、家庭でも手軽に手に入るバナナで、子どもたちはよく知っている身近な食材からDNAが簡単に抽出できると聞いて興味津々でした。特別な器具がなくてもできることで、日々の生活の中に科学的な視点を取り入れていけると感じました。

子どもたちの熱心な取り組みの結果、予定の終了時間を30分ほど超えましたが、子どもたちは最後まで楽しみながら実験に取り組んでくれていました。子どもたちの熱心な表情から時間を忘れて真剣に取り組んでくれている様子が伝わってきました。

このイベントは、子どもたちだけでなく大人たちにも新たな学びの場となりました。学生の頃を思い出しとても楽しかったとご感想もいただきました。子どもたちにとっては新しい発見や驚きがあった一方で、大人たちは、子どもたちが科学に興奮し、自分で新たな知識を得ようと挑戦する姿を見て、自分たち自身の日々がいかに刺激的に過ごせるかを再確認する機会となりました。

源先生、MCをしてくださったサイエンスコミュニケーターのくもM先生、TAの皆様ありがとうございました。今回のイベントは、大学や実験工程を体験し、一緒に学び、楽しむことができる貴重な時間でした。今回参加した子どもの中から、未来の研究者が生まれてくれると嬉しいです。弊社は、これからも子どもたちや地域の人々と一緒に、科学の楽しさを共有していきたいと思います。

実験中の様子➀
実験中の様子②
実験中の様子③

アンケート結果より

イベント後に、参加者へのアンケート調査を実施しました。

嬉しいことに、参加者の92.6%が「大学体験ツアーは楽しかった」と回答してくれました。これは、このイベントが子どもたちにとって、単に学習の場というだけではなく、楽しみながら好奇心を刺激する場であったことを証明しています。

さらに、弊社「深江化成」とその製品、「WATSON」ブランドについて、参加者の85.2%が初めて知ったと回答しました。新たな出会いが広がったことを嬉しく思います。

そして、参加者の96.3%が「今後もこのようなイベントがあれば良い」と回答してくれました。研究者と地域の人々との交流の場が期待と共感を集め、社会全体に良い影響を及ぼす可能性があることを示唆しています。

参加者のご感想抜粋

今回のイベントはとても勉強になり、楽しかったです。同じようなイベントが再度開催されるなら、ぜひ参加したいと思います。

源先生の説明はとてもわかりやすく、子どもたちにとって貴重な経験となりました。大人としても、子どもたちと一緒に実験を体験することで学生時代を思い出しました。今日の体験が、子どもたちの学習に少しでも役立てれば幸いです。ありがとうございました。

普段は体験できないことを試す機会をいただき、神戸大学の中で実験できたこと、感謝しています。次回も是非参加したいと思います。源先生や学生の方々の話を聞けて、非常に有意義でした。

DNAが存在することで生命や環境を理解することが可能であるということを学びました。生き物が持つDNAを認識することが、環境保護にもつながると感じました。

詳細な説明をいただき、参加して本当に良かったと感じました。ありがとうございました。

これまで聞いたことのない魚の話や、見たことのない機械がたくさんあり、とても興味深かったです。

イベントの内容は大変良かったです。ただ、現地へのアクセス案内がもう少し詳しいと助かると思いました。同じようなバス停が多く、少し迷いました。

次回のイベントも楽しみにしています。実験が全て成功して、とても嬉しかったです。

普段は体験できないような体験をさせていただき、本当に感謝しています。また機会があれば、是非参加させていただきたいと思っています。

DNAの調査という特別な体験をさせていただき、色々な実験器具を使う機会があり、大変楽しかったです。

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