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参加レポ/Webmaster Conference Sapporo

こんにちは、待島です。札幌のGear8という会社でウェブディレクターをしています。

2019年9月12日に札幌で開催された、Webmaster Conference Sapporo(#WMCSapporo)に行ってきました!定員を大きく上回る応募があったそうで、運良く参加できました。

ディレクター目線で参加レポートします!
*誤った表現や理解があれば、ぜひご指摘ください!

オープニング

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主催のGoogleから、金谷さんと小川さんが登場。お二人はウェブマスターオフィスアワーというライブ配信番組をしています。当日の会場参加者の皆さんとも交流が深いようでした(番組のことは初めて知りました・・見よう)

ウェブマスター オフィスアワーは、ウェブマスターの方からの質問にGoogle 社員がお答えしたり、ウェブマスターの方と Google の間での情報交換をざっくばらんに行う場です。みなさまから事前にイベントページ上に頂いた質問にお答えしながら、リアルタイムでやりとりもさせて頂けたらと思っています。
引用元:※クリックすると動画の音声が鳴ります
Japanese Webmaster Office Hours(ウェブマスター オフィスアワー 2019 年 8 月 28 日) - YouTube 


セッション1:Google検索入門/金谷 武明さん、小川 安奈さん

そのままの流れでセッションの1つ目に。(以降グラレコ的メモを貼り付けます)

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Googleの使命は、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスして使えるようにすること」。金谷さんから個人的にはこっちも好き、とさらに紹介されたのが「完璧な検索エンジンとは、ユーザーの意図を正確に把握し、ユーザーのニーズにぴったり一致する答えを返すものである」という言葉。

現在世界にあるウェブページの数は、130兆ページだそうです。5年前は30兆ということですから、いかに急速にウェブ上の情報量が拡大しているかがわかります。

それだけ多くの中からどう見つけてもらうか、という点はこれからも重要で難しいこと。「ユーザーのニーズにぴったり一致する答え」を探求するGoogleのことをよく知ることは、自社にとっても、クライアントワークでもプラスになると改めて強く感じました。

良い仕事、良い商品を、欲しい人にどう届けるかを考えたコンテンツ設計、サイト改善を突き詰めたいものです!

Google検索3つのポイント

Google検索に取り組む上で、

1)ユーザーのために良いコンテンツを作ること
2)それをGoogleに伝えること(サチコで確認しよう)
3)モバイルに取り組もう

の3つのポイントが大切です。

Googleの検索のしくみは、クロール、インデックス、検索結果の配信の3種からなっていますが、クロールしてもらうこと(申請)は、Search Consoleで制御が可能。

インデックスされるかどうか、検索結果に配信(表示)されるかどうかは、良質なコンテンツを作り、Googleに伝わる方法で伝えることで実現します。

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検索が情報を整理する仕組みは以下の動画がわかりやすいです。
https://www.google.com/search/howsearchworks/crawling-indexing/

Googleへの伝え方については、ネット上にさまざまな情報がありますが、中には都市伝説(=ウソ、誤り)もあり、そこは4セッション目のMalikさんのセッションが参考になりました。

有料リンクは使うべきか

古くSEOではリンクが大切と言われてきました。営業電話がかかってきて、「御社のサイトをGoogleで上位表示させる方法があってですね・・」と言うので詳しく聞いてみると、有料リンクの販売だったという話、よく聞きますよね。

結論、Googleのスタンスとして、有料リンクはすべてNGです。ではリンクはSEOには効果がないのか?というとそんなことはありません。リンクを買って評価を高めようとするのではなく、「リンクを貼りたくなるサイトにする」ことを意識して改善を行うべきということでした。

SEO会社、制作会社、広告代理店などからの有料リンク設置については、たとえそれが善意からくるお話であっても避けること。「安全なリンクです!」という謳い文句もすべからく信用しないようにしましょう。

ペナルティを受けたときの対応のポイント

Googleではペナルティではなく「手動対策」と言います。手動対策を受けて、サイトが検索結果から消えた場合などに行うべき3つのポイントを聞きました。

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1)メッセージをよく読み、違反箇所を修正すること
2)再審査リクエストに必要な以下の内容を簡潔にまとめる
 ○なぜ違反が発生したのか
 ○どのような修正を行ったのか
 ○今後どのように違反を防ぐのか
3)リンクの否認ツールを使う前に、不自然なリンクを取り除くよう務める

2)の再審査リクエストにおいては、「違反を繰り返さないだろう」とGoogleの担当者に思わせるように努めることが大切とのこと。なんだか、まとめる内容が始末書に似ているなと思いました笑。始末書を書く状況には、なりたくない・・


セッション2:Doing better on Google Images/Gary Illyesさん

続いてはGary IllyesさんによるGoogle画像検索に関するセッション。

皆さん画像検索って使っていますか?僕は仕事ではクライアント企業の分析、競合分析、写真撮影のためのコンテ作成の際などに。プライベートでは、欲しいモノの色や形やトレンドなどを調べるのに使っていて、思わぬワードで画像が出てきたり、発想が広がるので重宝しています。

Google画像検索のしくみと機能

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○画像検索結果ページで画像とともに表示される見出しはページのTitleを使っているので、ランディングすると何の情報が出てくるかわかるようにTitleを指定すると、良いユーザーを集めることができる

○「コレクション」機能を使って、共有できる

構造化データによって「この画像の商品は買えるものだ」と画像検索結果ページでわかるようにできる(日本語では画像の上に「商品」とバッジが表示される)

○キーワード検索と同じく、クローリング→インデックス→ランキングという流れ。
1)<img src="" >のタグと付属する情報があればクローリングできる。
2)リスト化する。(食べもの>くだもの>りんご・バナナのようにカテゴリ分けされる)
3)検索されたときに適するリストを表示させる。(「くだもの」と検索した時にくだもののリストを表示させる)

画像検索のSEOと活用方法

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画像検索のSEOを行うにはどうあるべきか?について3つのお話でした。

1)検索エンジン(Googleボット)がページとコンテンツにアクセスできるようにする
2)ページのコンテンツを作って、最適化する
3)Metaデータを追加して最適化する

具体的な活用内容は以下です。

○robot.txt
画像にアクセスできない設定をしていないか確認し、していたら解除する

○サイトマップ
画像サイトマップをGoogleに送信する
参考)https://support.google.com/webmasters/answer/178636?hl=ja

○画像のそばにあるテキストで関連性を伝える
画像解析で「何の画像か」はある程度判断できるが、詳しいことはGoogleボットでは理解できない。少しでもテキストがあればヒントになる

○altとファイル名
音声リーダーを使っている人にもaltがあればサポートになる。ファイル名は撮影したままのデフォルトの名前(_DSC_000.jpg)とかではなく、意味のある名付けをする

○構造化データ
「この画像の商品は買えるものだ」と画像検索結果ページでわかるようにできる

○TitleとDescription
画像検索結果にそのまま使用される

上記とその他の情報が公式にSearch Consoleヘルプに出ています。
Google 画像検索に関するおすすめの方法
https://support.google.com/webmasters/answer/114016?hl=ja


セッション3:Bringing Search insights to site owners/Mariya Moevaさん

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続いてプロダクトマネージャーのMariyaさん。サイトオーナーに向けて検索のインサイトの提供するためのツールを開発されています。

Googleの検索ボックスにキーワードを入力すると出てくる、オートコンプリート機能にも関わったが、知人から「どうやったら非表示にできるの?」と言われてがっかりした(意訳)という話。笑

CMSと連動して使えるいくつかのツールを作っており、WixやWordPress、アメーバブログなどに導入しているとのこと。

そのうちWordPressにプラグインとして簡単に導入できるSite Kitについて、デモを交えて詳しく紹介してくれました。

Site Kitをインストールすると、Search Console, Analytics, Adsence, Page Speed Insightの4つがWordPressの管理画面上で利用可能になります。1ページごとのAnalyticsデータが見られたり、いちいちそれぞれの管理画面に切り替えずとも使えるというのが便利と感じました。自分で触れるサイトで取り入れてみよう。

Site Kitは下記からダウンロードが可能です。(Beta版)
Site Kit by Google
https://sitekit.withgoogle.com/


セッション4:SEO Mythbusting/Malik Mairaj Syedさん

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Malikさんのセッションではかなりゆっくりはっきり話してくれたので、非常に聞きやすかったです。(ちなみに、海外勢はみなさん英語でセッションですが同時通訳で日本語でも聞けました)

セッションタイトルのMythbustingとは「都市伝説」を表す言葉で、Malikさんが出すお題に対してTrue or Falseで参加者が答えていく形式でした。

初歩的なお題も多かったですが、ん!?というものも多く、気づきがいっぱいで充実のセッションでした!

SEOの真実

○TitleとDescriptionは重要

○しかしいまだにContents is King

○ccTLD(.jpや.auなどの国別コードトップレベルドメイン)は評価される
 *各国に属していないと取得できないので

○PageRankはランキングシグナルに使っている。しかし200以上のシグナルのうちの1つに過ぎない。現在は一般には公開されていない

○ページスピードは重要

○バックエンドは指標にしていない

○HTTPSはnon-sensitiveな静的サイトでも強くおすすめする

SEOの都市伝説(ウソ・誤り)

× 文字数に制限がある(何文字以上じゃないといけない、何文字以下じゃないといけない)

× キーワードの含有率が関係している(本文中のXX%にキーワードを含まなければならない、は都市伝説)

× ドメインが古いとランキングが上がる(当然だが、古いドメインでもコンテンツが悪ければ上がらない)

× .comや.netは、.guruや.xyzのような新しいドメインよりも評価される

× 高いPageRankのドメインを買えば、ランキングは上がる

× ドメインにキーワードが含まれるのが多ければ多いほど良い

× ホスティングサーバーの速さが重要である

× 構造化データはランキングに影響する


セッション5:ウェブマスターオフィスアワー(Q&A)

メインセッションの最後はウェブマスターオフィスアワー。これまでの登壇者の5名が再登場して、事前に参加者から集めた質問に回答していくコーナーです。

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気になったものを抜粋↓

○新しいリンク属性
nofollowで指定されていたところを、rel="sponsored"とrel="ugc"という値ができた。リンクをGoogleが理解するための助けになるので使って欲しい。

他のベンダーはこの値に対応するか検討中なので、rel="nofollow ugc"のように、どちらも書いたほうが現状では良い。・・ここは正直理解しきれなかったので、こちら↓を参考いただくと良さそうです。

rel=nofollowの扱い変更とsponsored属性・ugc属性の導入に関してよくある質問 | 海外SEO情報ブログ
https://www.suzukikenichi.com/blog/faq-about-changes-of-nofollow-and-new-attributes/

○ユーザー言語による影響
hreflangで指定すれば良い。

ページに言語や地域ごとの複数のバージョンがある場合、こうした別バージョンについて Google にお知らせください。それにより、Google 検索はユーザーの言語や地域に応じた最適なページのバージョンを表示できるようになります。

引用元:ページのローカライズ版について Google に知らせる - Search Console ヘルプ
https://support.google.com/webmasters/answer/189077?hl=ja

○自動ペナルティ
自動ペナルティ(正式には、アルゴリズムによる対応)を受けたかどうかを判断する基準や、通知はあるのか?答えは無い。

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気になったものを抜粋2↓

○SVGの代替テキストに当たるものは?
altの代わりにtitle要素、desc要素に記入でOK

○ゼロクリック検索
Googleにトラフィックを取られたと感じるかもしれないが、質の高いトラフィックが来て、CV増につながることもある。

例えば「野球の試合結果」のような、シンプルな答えはユーザーは情報を得た先にさらに調べたければアクションを起こすはず。

より詳しい情報や、アクションを起こさせる機能をサイトに持たせると良いのではないか。

ゼロクリック検索は英語ではposition zeroというようです。(Malikさんが質問に答える前にposition zeroの話だよね?と言っていたので)「検索順位0番目」的な意味なのかなと。

Googleで「週間天気」と検索すると、現在地の天気予報が表示されるのもゼロクリック検索のひとつ。位置情報などのGoogleマイビジネスの情報が表示されるのもよくありますよね。要は検索結果ページで1つもクリックせずに検索行動を完了する状態を「ゼロクリック」と言っています。

○サブドメインと個別ドメインでランキングに影響差はあるのか?
複数のサイトを立ち上げるとして、サブドメインを使うのが良いのか、それぞれ個別のドメインが良いのか?という質問でした。

答えは、ドメインはランキングを決める指標(シグナル)ではない。ビジネス上の判断、ユーザー側の利点(わかりやすい、覚えやすいなど?)を優先して決めると良い。

○指名検索で上位に出ない理由
医療系のサイトに関する質問でした。質問自体は割愛しますが、検索結果に問題がありそうであれば、Googleにフィードバックを送ると良さそうです。

Google では、アルゴリズムの改善やウェブマスターへの情報提供などを通じ、検索の改善に日々努めています。もし問題のある検索結果を見つけた場合には、デスクトップでは「フィードバックを送信」から、モバイルの場合は「ご意見・ご要望」からお知らせください。検索を改善するための情報として活用させて頂きます。

引用元:Google ウェブマスター向け公式ブログ: 医療や健康に関連する検索結果の改善について


ライトニングトーク(LT)タイム

Webmaster ConferenceではいつもLTタイムを設けているそうです。辻さんなど面識がある方もいましたが、大半が初めて知る方でした。

皆さんもりもりの内容で、超スピードで過ぎ去りましたが刺激を受けまくるLTでした。スライドはSNSなどで公開されたもののみ、リンクを貼っていきますね!

Webmaster Conference Sapporo タイトル&スピーカー(敬称略)
Lightning Talk

・ツイッター廃人(フォロワー6.4万人)による、ツイッター運用のコツ講座 - 千代田まどか(ちょまど)
・あなたは全問正解できるか?難易度"高" Webmaster Quiz 〜 全員参加型 インタラクティブ セッション 〜 - Kenichi Suzuki (@suzukik)
入社半年の新人SEOコンサルが勧めるSEO筋の鍛え方 - 青木創平(ナイル株式会社)
・制作現場で起制作現場で起こる事件の防ぎ方 ~良質コンテンツ作りのためのポカヨケ~きている - 吉川 枝里
・検索エンジン経由で読者を奪う、漫画ネタバレサイトの実態 - 松本郷平
『日本の求人サイトにおいてGoogleしごと検索でのペナルティが多発するワケ 〜日本のオンライン求人市場の”常識”と大きく異なっていた求人情報構造化データ〜』 - Yoshio FUJIWARA
・人の評価とGoogleの評価 - 株式会社サイバーエージェント 木村 賢
・札幌でのSEO - 辻正浩

テキスト引用元:Google ウェブマスター向け公式ブログ: Webmaster Conference Sapporo 開催のお知らせ


今後の情報収集に役立つリンク

金谷さんほかから紹介されていたリンクをまとめておきます。

ウェブマスター向け検索情報

Google ウェブマスター向け公式ブログ

検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド
詳しい検索の仕組みを理解するために。

ヘルプフォーラム

○ウェブマスターオフィスアワー
Twitter
Youtube 


まとめ

たまたまSNSでシェアされているのを見て、二次締め切りで滑り込めたイベントでしたが、平日日中の時間を使っても十二分に価値のある内容でした。参加できてよかったです。

このイベントに参加したことで、「SEO=テクニック」ではなく(だけではなく)、「SEO=思考・思想・指針」なのかと感じました。

求める人に必要なだけの情報を届ける(時に、それ以上に相手のためになる情報を届ける)のはウェブディレクションにおいても非常に重要なことなので、SEOの食わず嫌いだった部分にも前のめりで取り組んでいきたいです。

今まであまり接することのなかったSEO界隈の皆さんと、触れ合う機会が持てて、刺激を受けたことも収穫でした。

主催のGoogleの皆さん、LTに登壇された皆さんありがとうございました!


おまけ

今回のイベントの冒頭で紹介されたCode of Conduct(行動規範)のお話がとても好ましかったのでメモに残しておきます。

1. Be excellent to each other. (お互いにエクセレントであれ)
2. Speak up if you see or hear something.(ハラスメントがあれば運営に教えてくれ)
3. Practice saying "Yes and" to each other. (いろんな考えがあるけど、すぐ否定するのではなく、まず意見があることを受け入れてからの話にしよう)
*カッコ内の日本語は意訳

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