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ニコニコ動画を真に衰退させたのは運営ではなく「視聴者達」である

以前投稿した記事が少しだけ話題になってから半年くらい経ちました。

ニコニコ動画は確実にあと2~3年で終了する
「まだニコ動には需要がある」と思ってる人達が一部存在していた件

上記記事では、ニコニコ動画が衰退してしまった原因について色々と考察をしてきました。
利用者はよく「サービスが使いづらいから」という理由を上げるのですが、私は上記の記事内で
・面白い動画が少ないから
・ニコ動で活動したときのメリットがないから
が本当の理由であると考察しました。

ですが、改めて考えてみると、他にとても重要な衰退の原因があることに気が付きました。
結論を述べますと、以下の通りです。


「自分だけが楽しめる動画さえあればそれで良い」
という考えが視聴者達に根付いてしまった


ニコ動の強みとして重要な機能は今も昔も『コメント』と『ランキング』であることは変わりません。
ですが、ニコ動の全盛期から数年が経ち、ユーザーがこれらに需要を見出さなくなくなってしまったことが直接的な衰退の原因の1つとなるのですが、なぜそうなってしまったのかを考え直してみると、上記の結論にたどり着くのです。

皆さんは今のニコ動のランキングに蔓延している動画がなんであるか知っているでしょうか?

答えは「公式アニメ本編」、そして「ゲームのプレイ動画/実況動画」です。
最近だとカテゴリ再編により「バーチャル」が追加されてからは、「バーチャルYoutuberの切り抜き集」も蔓延しているのをよく見かけます。

これらの動画、共通点は一体なんでしょうか?

答えは簡単、

ぶっちゃけ他の動画サイトに投稿されていても良い

ということです。

なぜならこれらの動画に「ニコ動らしさ」なんてものは無いからです。

どうしてこのような動画達が蔓延するようになったのか?
結論は上に書いた通り、視聴者が自分1人で満足できる動画だからです。


昔のニコニコ動画というのは、いろんな作品のキャラや有名人、人気BGMなどを使った動画が雑多に存在し、多くのムーブメントが形成されていきました。
あらゆるジャンルの動画がランキングにあふれ、毎日面白い動画が投稿され続けていました。
視聴者も投稿者も、みんながあらゆる流行を同時に楽しんでいたという空気感がありました。
これこそが「ニコ動らしさ」であると私は思っています。


ですがここ数年、そういった動画がランキングに上がることはほとんどなくなりました。
それもこれも、視聴者達が自分だけが満足できる動画しか見なくなったことが原因だからです。

視聴者達は時代と共に自身が興味あるアニメやゲーム実況、切り抜き動画等しか見なくなり、ランキングが一定ジャンルの動画だけで埋め尽くされることが当たり前の時代になってしまいました。

そうなってしまえば、ニコニコ動画が衰退するのは必然です。
なぜならこれらの動画はニコ動だけに存在している理由があまり無いからです。

今や生放送配信者や実況プレイヤー達はほぼニコ動から離れ、活動の場はYouTubeに移りました。
そうなって当然です。配信するだけでお金がもらえ、且つ利用ユーザーもニコ動より圧倒的に多い。ニコ動を去る選択は当然と言ってもいいのではないでしょうか。
アニメもニコニコで見る必要はありません。Dアニメやアマプラで十分です。ニコ動より圧倒的に配信日も早いですしアニメの量も多いです。


こんな状態の中、2017年11月のniconico(く)発表会で史上最悪の醜態を運営が見せたことにより、ニコ動のイメージは地の底へと失墜しました。

運営の体制が見直され、ニコニコの改善がいろいろと行われているようですが、ニコニコを改善したところでユーザーの本質は変わりません。
おそらく今までとなんら変わりないランキングがそこに存在し続けることでしょう。

なぜなら視聴者は自分の見たい動画だけで満足してしまうからです

こうした状況下では、投稿者達がどれだけ「ニコ動らしい」動画を投稿しても、大した再生数を得ることができず、ランキングにも上げることができません。モチベーションは下がり続け、最後にはニコ動から離れてしまうのも当然と言えます。

新規に入ってくる視聴者達はニコ動で動画を見る理由が無く、
古参ニコ厨も現状のランキングを見て落胆し、離れていってしまうのは当然なのではないでしょうか。

これらの合理的な理由の元、ニコ動は衰退に至ったのだということが良くわかります。


まとめ

今までに書いた記事の考察も含め、内容をまとめると、

ニコニコ動画は「投稿者」も「視聴者」も離れていってしまっている。
それぞれが離れて行ってしまった原因は、
投稿者・・・ニコ動で活動するメリットが薄い
視聴者・・・自分の求める面白い動画が少ない
という結論になります。

ゆえに、特定の動画だけ見て満足するのではなく、あらゆるジャンルの動画を雑多に楽しむというかつてのニコニコ動画の空気感を取り戻すことができれば、復活の兆しは見えてくるのではないでしょうか。
そのためには、アニメやゲーム等他の動画サイトでも需要のある動画ばかり重視するのではなく、ニコニコ動画だからこそ重視される動画を大切にし、視聴や投稿を促すようにする必要があります。


だから何度も言うように、

他サイトと明確に差別化できる「ニコニコ動画らしさを得られる改善」

が、今のニコ動における最重要課題なのです。



まあ、それだけでユーザーの自己満足な感覚を変えられるかというと、あまりできる気がしませんが。




あとがき

それにしても、なぜニコニコはスマホアプリに対してろくに改善を行おうとしないのでしょうか。
例えばニコるは未だにスマホ版には実装されていない機能です。当然スマホユーザーからニコるのカウントがされることはありません。
なのに、あまり使ってもらえないならサービス終了しますと明言されています。
今やニコニコ利用者の6割以上がスマホユーザーなのに、なんでいつもスマホ版の機能強化をしないのか理解に苦しみます。6割のユーザーはニコるできなくても良いということであれば、最初からニコるを継続させる気が無いとしか思えないんですよね。
正直なところ、あと1年持つ気がしないんですよ。全くニコるが使われている気がしないので。

あと、こないだドワンゴの社員さんが退社した時のお気持ちブログが話題になっていましたが、その時に必死に"残ったドワンゴ社員達"が自分でドワンゴを擁護している様子が見受けられました。その中には元社員すらいたくらいです。
こっちから言わなきゃわからないのが非常にもどかしいのですが、自社の社風や自慢、仲良いアピールを堂々とSNSで発信するのは寒いと思われるから止めて欲しいんですけどねぇ…
そういうのはリクルートサイトに書くだけにして欲しいところ。


本当に大衆に宣伝すべきことはドワンゴの「コアコンピタンス」であるべきだと思うんですが、違いますかね?


自社をアピールすることよりも、ニコ動をアピールすることに注力したらどうですか?


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