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自分の弱点がチームを強くする

サービスのリリースから約1年経った頃の話です。

私は、TeamUpというサービスのデザイナーをやっています。まだまだ少人数のチームであり、毎日多方面にコミュニケーションが交わされているので、一人のメンバーの動き方はチームに大きく影響します。

立ち上げ時のカオス状態に比べて、ちょっとずつ仕組みが整ってきたこともあり、チームの変化をリアルタイムに実感していました。そんな中で、自分は周囲から求められているような動きが本当にできているのか、変化しなければいけないところはないのか、と気になっていました(直前に大きな失敗をしていたこともだいぶ効いていたと思います)。

・ フィードバックをもらいに行ってみた
・ 問題が勝手に解決されていく
・ 自分の課題を解決するために、一人で戦う必要はない

フィードバックをもらいに行ってみた

自分の改善点を探るため、メンバーに対して「フィードバックをください!」と依頼を送ってみました。そこでもらったコメントからわかったことが大きく3つあります。

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1. コミュニケーションが閉じている

タスクに関わらない人に対する共有はうまくいっていない
他メンバーのことを考えると、全体のチャンネルで話した方が細かな内容が周りにも伝わり、良かったかもしれない

私のチームではSlackを利用しているのですが、エンジニアと私のプライベートチャンネルで会話を進めてしまうことがあり、それに危機感を覚えたメンバーたちがこのようなフィードバックをしてくれました。

2. ユーザーが「なぜ欲しいのか」をメンバーに伝えきれていない

ユーザのニーズについては要望の背景の部分がわからないと感じることがあり

今後デザイナーとしてやっていく上で、絶対に越えなければいけない課題です。

たしかに、「やるべきこと」は共有されているが「なぜやるのか」が不明瞭なタスクが時々あり、このために不安に感じていたメンバーがいたことがわかりました。

3. 全体像を把握しているのが自分しかいない

ニシさん依存が強い、プロジェクト管理としてはあまり良くないと思う
ニシさんベースで仕様が集中しているので万が一ニシさんが倒れるなどした際に細かい仕様が分からないことが発生してしまうことがある。簡単にドキュメント化してほしい

なんでも自分でやろうとしていたうえに、ドキュメントを溜めるところもなかったので、それはそうなりますよね、、、。言われてみれば当たり前なのですが、このときにはじめて事の重大さを認識することができました。

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他にもたくさんのコメントをもらったのですが、特に重要だと感じたのは上にあげた3つのような、私とメンバーとのコミュニケーションのあり方に対するものでした。

立ち上げたばかりのチームに自分がメンバーとして加わって、チーム内の開発に関する調整ごとを社長からできる限り巻き取ったという経緯もあり、これまで自分がコミュニケーションのハブになろうとしていました。ですが、もはやそれが全くもって機能していなかったのです。こんなに小さなチームで、自分が原因で彼らの連携を阻んでしまっていました。

この状況に焦りながらも、とりあえず「こういうフィードバックをもらって私はすごく納得したから、これから改善策を考えますね」という意図で、この集まったフィードバックをチーム全体に公開しました。

問題が勝手に解決されていく

予想外なことに、このフィードバックを公開したことで、私が自分で解決策を考えるよりも先にメンバーたちがこの状況の改善に向けて勝手に動き始めてくれました。

例えば、1つ目のSlackのプライベートチャンネルの使用が頻発していたことに対しては、メンバーのひとりが「全体のチャンネルがいろんな会話で流れちゃうのは良くないと思うので開発案件ごとにチャンネル作りますね!」と言って、私は気付いたら新しく作られたチャンネルに招待されていました。

また、3つ目のサービスの仕様や進捗が私一人に集中してしまっていたことに対しては、ドキュメントを残すことにきちんと時間を取ることで解決していこうと決まり、esaが導入されました。また、これによって要望の背景が共有されやすくなり、2つ目の「ユーザーがなぜ欲しがっているのかがわからない」という問題もかなり解消されました。今では、メンバー全員で積極的にドキュメントを書いています。

自分の課題を解決するために、一人で戦う必要はない

自分の弱いところ・課題に対して、一人で戦う必要は全くありません。「こんな課題があったけど、みんなの力を借りれば越えられそうです」と伝えることで、メンバー全員でより良いチームにしていくことができるはずです。(もちろん、自分自身で越えなければいけないところもたくさん出てくるので、それは別で改善策を考え、共有します。)

今回の例のように、問題の重大さのわりに解決方法が簡単ということは少なくありません。もしかしたら、それまでもメンバーは薄々思っていたけれど、指摘するきっかけがなかっただけかもしれません。たしかに、他のメンバーに対して何か言いたいことがある時って、伝え方にすごく悩みますよね。できるだけ相手を傷つけたくないですし。

だからこそ、自分の課題を指摘してもらえる機会を自ら作りにいくことは非常に重要なアクションだと思っています。メンバーの頭の中にある「言いたいけど、どうしよう」を引き出すことで、自分もチームも成長させられる絶好の機会になるはずです。

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