いよいよあなたの出番です!

 いよいよあなたにスポットライトが当たる時がきました!大観衆の前での発表です!
 何百人規模の大きなセミナー会場から、2~3人ほどの勉強会でも、とにかく、あなたが何かを話さなければならない瞬間です。

 緊張しますね…。

 司会者の席から、はたまた舞台袖で、講演会の様子やスピーチされる方の様子を見ていると、いろいろ気づかされます。
 「この話は面白い!」と惹きつけられる話をする方もいれば、「この話なげぇ~な…中身もないし、いつ終わるんだろう」と、せっかくの笑顔もひきつる場面も多々あります。この差はいったい何でしょう?

 以前にお話ししました「誰に向かって話すのか」を思い出してみましょう。
 不特定多数の「みんな」という得体のしれない怪物に向かってしゃべっていませんか?
 意識してほしいのは、「あなたに聴いてほしい!だからあなたに話す!」です。聴いている側が「私に向かって語りかけてきている。」と思わせることができたら大成功です。

  「みんな」ではなく「あなた」を意識して話してみましょう。

 そして、やたらと話が長い人の特徴は「話がまとまっていない」です。落語家さんであれば高座で1時間も話し続けることができるかもしれませんが、あれは「話芸」です。芸術です。聴いている側が鑑賞するように構成された物語です。この域を求めるのであれば芸を磨くことです。
 そうではなく、トークのスキルを磨きたいのであれば、まずは1分でまとめる作業を繰り返し実践してみてください。
 そして、話が長い人の「話がまとまっていない」という現象ですが、一つには、言いたいことを盛りこみすぎな点があげられます。ステージに上がってお話をするわけですから、言いたいことを全部話したくなる気持ちもわかりますが、この意識はすでに聞いている「あなた」の存在しない、自分の身勝手なただのおしゃべりです。
 事前の準備で言いたいことが10や20あるならば(これは棚卸しの作業ですね)、それを全部盛り込もうとするのではなく、その中から言いたいことを多くても3つくらいに絞ります。
 聞いている人も、20もの話題を話されても何一つ覚えていません。正直、言いたいことはただ一つでいいです。
 この人たちの前で、結局言いたいことは何か、その一つを絞り込んでください。

 次に、構成です。「体験談を話す」のところでも触れましたが、一つに絞り込んだテーマに向けて、ストーリーを組み立てていきます。
 絞り込んだテーマを「まとめ」の着陸地点とするならば、「導入」の部分をどうするのか、「展開」の中にどのような具体例を盛り込んでいくのか、書き出してみてください。これもまた、トークの棚卸し作業です。出てきたトピックスの中から使えるそうなものを選んでいき、話題の中に盛り込み、また、ここは不要と思うものは思い切ってカットしていきましょう。
 そして、導入、展開、まとめとして、一連のストーリーができているのか?確認してみてください。

 すこし話が横道にそれますが、この「横道にそれる話題」もトークの上手な人は、棚卸し作業の中からこぼれてしまったトピックスをじょうずに拾いあげています。
 突然、突拍子もないことを言いはじめるひとも中にはいますが、会場内の空気や、聞き手の表情などをうかがい、「この話題より、こっちの話題の方がウケるかもしれない…」と瞬時に判断し、話しています。
 実はこれも、話題のストックとしてちゃんと用意されているものです。
事前の準備、話題の棚卸し作業は話題のストックづくりです。今回採用されなかった話題でも、いずれまた使う時が来るかもしれないので、大事に取っておきましょう。

 そして、口角を上げてしゃべる。です。

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