笑え

 感動の共有。そんなに大げさでなくても、何かしら共感できるのであれば、会話は成立する。でも、なにぶん人と人との繋がり。この人とは気が合わない、どうも虫が好かない、なんていう人もいるでしょう。この部分はもう感覚の問題です。合う人もいれば合わない人もいる。八方美人になることもないので、その辺の割り切りは必要なことかもしれません。

 とはいえ、ビジネスシーンでは多少なりとも八方美人でなくてはならないところもありましょう。自分も仕事を獲得していくうえで致し方のないこと。ましてや自分は「アナウンサーをしています」だの「ラジオでしゃべってます」だの言っても、「へぇそうなんですね…」で終わってしまうこともしばしば。今の仕事はある種、芸能の世界なので、人気稼業、水商売的な要素は多分にあると思います。
 そこまででなくても、営業マンとして仕事をしていたときも、好かれなくてもいいから「嫌われないようにする」と言うことは強く意識していました。もちろん好かれるために努力することは必要ですが、そうするとあるとき急に、「なぜ自分は好かれないんだろう…」と頭を悩ませることもあり、今では気楽に「なるべく嫌われない」ことを心がけています。

 では嫌われないために。

 ある程度の清潔さは保っていてください。
 容姿については持って生まれたところもありますし、興味があればファッション雑誌などをめくってもらえれば答えが見つかるかもしれません。その辺はその道の専門家にお任せするとして…。

 ここでは声、話し方の印象について解説します。
 やっていただくことは簡単。
「笑顔で話せ!」です。
 人は見た目が9割だの100%だのと言って、その手の書籍やセミナーも多くあります。その見た目とやらは何かと問われれば、一つに「笑顔」があります。
 私がかけだしのラジオDJで、初めて自分の担当番組を受け持った時、緊張のあまり顔がこわばっていました。トークも空回りするわ、息は続かないわ、頭は真っ白な状態だわで、早く番組が終わってほしいとさえ思ったほどです。
 その時、当時の担当ディレクターに言われたのが
「笑ってしゃべれ」
「笑えなくっても口角を上げろ」
というものでした。
 顔の見えないラジオの世界、しかも、どこの誰だから知らないやつが、堅苦しく何かしゃべっている。今思えば、ガチガチの緊張した声をよくもまぁ生放送の電波に乗せたものだと赤面してしまいますが、この言葉をきっかけに、番組の進行がスムーズになり、私の番組を楽しいと言ってくれるリスナーも登場しました。
 私が実感した、笑ってしゃべることの効果は、
・声が明るくなる。
・緊張が緩和される。
・しゃべるのが楽しくなる。
・その場の空気が明るくなる。
・明るい雰囲気が人に伝染する。

などなど、ポジティブ要素が多いです。
 それではまず、「おはようございます」を普通に言ってみてください。

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