天才の転校生。

小学生の頃、転校生に憧れた。

何人か転校していく友達を見送ったし、転校してくる友達を迎えたのも一度ではない。

転校が多いのそれはそれで大変かもしれないけど、今までの自分をリセットして違う環境で違うキャラクターをまたゼロから作り上げることができるのだ。

そんな簡単なものじゃないかもしれないけど。

とにかく憧れたのだ。

そんな転校生のお話。

しかも海外からの転校生との思い出である。

名前は李くん。

ちょっと変わった子で。

落ち着きがなく、日本語もちょっとは喋れるけど、興奮すると母国語でまくしてるように喋る。

アブナイ奴だって言われてたし、体も大きくて、からかわれてケンカするのも日常茶飯事。

そんな様子だったから、女子は怖くて近寄らなかったし、いつも怒ったようにブツブツ独り言を言ってたりするので自分もコミュニケーションを取ったことがなかった。



ある日曜日のこと。

妹と近くの公園へ遊びに行った。

ブランコが二台(って言うのかな)と砂場しかない小さな公園。

そこのブランコがお気に入りだったのである。

その日は先客はいなくて妹と二人でしばらくブランコ漕いでた。

すると李くんが現れた。

「あ、まずいやつに会っちゃったな」と正直思った。

妹にちょっかいかけられたら守らなきゃと幼心に感じたんだと思う。

でもなんかその時は自然と「一緒に遊ぼうよ。ブランコ乗る?」って言って席を譲った。

李くんは「うん」と言って漕ぎはじめた。

「近くに住んでるの?」とか「食べ物なにが好き?」とかブランコ漕ぎながら話した。

そこで初めて李くんと喋ったのかな。

なんだ普通に喋れるんじゃん、と拍子抜けした記憶がある。

いつも興奮して怒ってる姿しか見てなかったから。

落ち着いて話す李くんはなかなかオトコ前なのである。

すると李くんが「おれ、計算できる」って言い出した。

「問題出して」って言う。

いきなりの展開に戸惑うも最初は二桁の掛け算。

「13×27は?」「351」
「26×75は?」「1950」

あっという間に答えが出てしまう。

暗算で計算しているのだ。

なんかとんでもないものに出会うと笑ってしまうクセがある僕はゲラゲラ笑いながら手を叩いて喜んだ。

最初は地面に筆算をして答え合わせしてたんだけど。

李くんは「もっと、もっと!」って言ってくる。

「123×29は?」
「3567!」

すぐ答えが出る。

このぐらいになるとこちらの計算も怪しくなってくるし、時間もかかる。

なにしろみたに少年は算数が得意ではないのだ。

高校生の時に数学0点という「オマエはのび太か!」っていう点数を叩き出してしまうことになるのだがそれはまた別の話。

李くんのおかわりはとまらない。

「もっとだよ!」

筆算もめんどくさくなってきたので答え合わせもやめた。

「369×687は?」
「253.503!」

もう合ってるのかすらわからないけど。

どうでもいいのだ、そんなことは。

自信満々で答えを言う李くんの目はキラキラしてた。

「すげー!」と言って喜んでると李くんは物凄い勢いでブランコを漕ぎ出した。

「もっと、もっと、もっと!」って言う。

そうは言っても小学生。
難しい問題出そうと思っても三角関数とか方程式なんて出てこない。
しかもみたに少年は算数が苦手。

悲しいかな、みたに少年の難しい問題のマックスは大きい数字の掛け算だったのだ。

「10896×68659は?」
「748.108.464!」

一番大きな数字でさえこれである。
7桁の立方根とか気の利いたこと言いたかった。

飛んで行ってしまうのではないかと思う勢いでブランコを漕ぎながら、数字を叫んでる李くんを見て「天才っているんだな」って思った。

李くんにしたら物足りない計算だったかもだけど。

確かに僕らは心が通い合った、気がしたのだ。

この時から先入観というか、人からどう言われてようと、まずは自分でコミュニケーションを取ってみないとわからないんだな、って思うようになった。

小学生の頃だけど自分の礎になった経験でした。


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打楽器戦士のエッセイ 「たたきもの 人生」

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