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『天気の子』を観て、自分の仕事を見つめ直した話し

1.自己紹介(短め)

25歳。アニメが好き。帆高くんが進学する東京農工大学卒。今の仕事は建設業の現場監督で、水害が起こったときのために、都内でポンプ所を作っている。
このnoteで必要な個人情報はこんな感じです。 

2.天気の子の感想とnoteを書いた理由

天気の子を観ました。 

前作以上に新海誠感(オタク感)が強まっていて、ホッとしました.... 

『君の名は』というヒットがさ確約されたような脚本、プロデュースをした作品の後に、このいい意味で新開監督らしい賛否両論分かれるような『天気の子』を作るなんて。

新海監督の自分が観たいものを造る!みたいな心の叫びを感じました。

君の名は、の後にいったい何を言われ続けたんだよっていうくらいにわざとらしいですが、

社会的なルール上の正義と、自分の中の正義との対比、

まさに(新海監督ご自身がこのような趣旨のことを言っていました)、

今まで通り自分が観たいものを創った文句あんのか?ですね、好きです笑



はい、

映画の内容の感想ですが、、


僕、新海誠の映画を観ながらずっと仕事のことを考えていたんです....笑


最終的に『今の仕事は、間違いなく自分がやるべき仕事で、自分がココにいる意味は確かにある』という決意に近いモノに行き着きました。 


自分は今年26歳になります。社会人4年目です。

同年代の天気の子を観た感想は、童貞臭い、プロモーション、スポンサー、青春したい、背景が綺麗、やっぱ新海誠だわ、ストーリーは君の名はの方が面白い、夏美さんサイコウ、夏美さんと本田翼いったいどちらのほうが可愛いんだ(迫真)とかそこらへんでしょう。 

つまり、僕の感想というのはなかなかに唯一無二であり、あまり感じることはできないものだと、そしてそれは僕の経験・今までの選択がそうさせるのであり、天気の子について深く考えれば、『より自分のことを知るきっかけになる』のではないかと思ったんです。 

だから、このnoteをできるだけ早く残そうと思いました。 


3.仕事と大学の話し(自分の背景を少し掘り下げてみた)

今、僕はポンプ所をつくる工事の現場監督をしています。 

海抜が低い地域が水没した時に、動力で水を川に汲み出すための施設、それが僕が作っているポンプ所です。

だから、このポンプ所は冠水した後に力を発揮する施設ということになります。

でも、だからといって、この仕事の重要度が下がるということにはなりません。

河川上流のダム、下流の堤防・貯水施設、いざというときのポンプ所、二重三重の策、最悪の想定への対策を立ててこその防災だと僕は考えます。 

そして、

この現場監督とかいう仕事


めっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっちゃ


キツいんですよ 


オリンピック関連の工事のこと考えると震えが止まりません。
自殺者出るのもわからなくもない、そういう業界です。 

(様々な事件後、働き方改革が始まり、変わろうとしています。) 

(天気の子を観ていると平成30年7月豪雨をどうしても想起してしまいますが、災害大国のニッポンで、災害復興工事も週休2日で定時帰り厳守にしますねっなんてできません。その覚悟と志がある人だけが残る業界になって、今後ますます人は減ると予想してます。警察や消防と同じような公務員的な立場、イメージにならなければいけません。)

と、業界の今後に考えを巡らせつつ.... 

実は自分、ホントは現場監督ではありません!笑 

元々は環境系の技術職で入社したんです。内勤なんです。
ただ現場のことも分からねえままで技術職が務まるかぼけっ!ということで、いま現場で経験を積ませてもらっています。

開発系の職の人が現場に出される。
よくある話しです。 

なぜ建設業の環境系技術職を選んだかというと、環境に携わる仕事に就きたかったから、もしくはその足がかりになるかもしれないと思ったからです。 

建設業には環境に関わる仕事が山のようにあります。

ISO、SDGs、土壌汚染、重機のCO2排出、騒音・振動問題、産廃管理・排水処理、開発による生態系への影響評価、防災、インフラ……etc


子どもの頃から、自然とか環境問題とかが好きでした。
家にある図鑑を読み漁ったり、裏山を探検して初めて見るセミの幼虫とか蛇に感動したり、野良ザクロ食べてみたり、地球温暖化ってなに?!生き物の絶滅???生きた化石?!?!??って、そういう子どもでした。 

そういう背景がありつつ、中学の理科の授業をきっかけに理系を選ぶことにしました。
(理由は様々ですが高校入学時には東京農工大学に行くと決めていました。)

そして2012年に東京農工大学に入学しました。正確には、東京農工大学 農学部 環境資源科学科です。 学部生の頃は大気環境問題の仕組みを解明する研究を行っていました。いわゆるPM2.5が関係してくるような話しです。
(僕の研究室の先生はアジアの大気汚染の研究の第一線で活躍してる、もしくは今後活躍する方です。自分の研究室生活を振り返ると、もっとちゃんと研究やっとけばよかったと反省しています。)

劇中では帆高くんの農工大入学を仄めかす描写が出てきます。


3.それで?

現場監督を目指しているわけではないけれど、現場監督をやっていて、 

正直、最近の仕事へのモチベーションは低めでした。 

だってキツいし、暑いし、残業すると上からお達しが降ってくるし、めっちゃ怒られるし、掛矢重いし、他人の命を預かるとか責任重すぎだし、なんか自分だけ仕事多いし、大学の同期で建設業に進む人なんて1人もいないし。

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※掛矢(写真)


もう途中で投げ出して、内勤に帰っちゃおうかな........と考えたこともあります。 











『天気の子』では東京が雨で水没します。 








今はそれがあり得るんじゃないかと感じる時代になってしまいました。 


※2020.5.24追記
統計上も豪雨の発生率は上昇トレンドです(下図参照)

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そして、僕の中で水害を通じて天気の子というフィクションがリアルと繋がったんです。 

思ったんです。

今の仕事って会社の金稼ぐためだけにやってるんだっけ?
違うよな、街がこうならないために、誰かを守るために、自分って仕事してんだよなって。 

もしかして、おれの仕事を無事に終わらせれば、この映画の結末も変わるんじゃないか、それって現実でも確かに必要な仕事なんじゃないかって。 

そもそも、この異常気象、自分が大学に進んだ理由そのものなんじゃないか。てか、帆高くん農工大入学すんのかよ....って。
そういえば自分も環境への純粋な興味・好奇心から農工大行ったな、忘れてたけど....って。

もしかして目の前の工事のことだけではなくて、環境問題のことまで当事者として考えられる現場監督ってそういないんじゃないかって。 

おれにしかできないことがもしかしてあるんじゃないかって。

そうして

今の工事を絶対にやり遂げると心に決めたんです。

これは足がかり、選択肢を増やす努力をやめるつもりはありません。

でも、また折れそうになったら、1度はここに戻ってこよう。









※2020.5.24追記
2019年度の仕事の評価めちゃめちゃ上がりました✌️
この記事を書いた1ヶ月後に台風15号と19号が関東に直撃し、自分の都内の現場もろとも大変なことになりました。僕の地元近くも冠水しました。

評価面談で上司からキッカケを聞かれ、夏頃から仕事への意識が変わりましたと言ったら頷いていたので、モチベーション1つで変わるんだなと。  

また夏が来ますね、ホントこの国住み辛すぎます。  

以下、ツイートです。
ちょっと口が悪いです。
ただリアルではあると思います。
























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