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記号過程、システム、意味

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人間と自然、人間と機械、人間とAI 対立するふたつのもの それらはなぜ対立するふたつのものになったのか? その答えを「記号過程」という用語を手がかりに考える
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AI生成マンダラ集(1)

『神話論理2 蜜から灰へ』の最後の1ページを読みつつ構造分析におけるAI活用の可能性を考える -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(49_『神話論理2 蜜から灰へ』-23)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第49回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができますが、これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 この一連の記事では、レヴィ=ストロース氏の神話論理を”創造的に誤読”しながら次のようなことを考えてきた。 即ち、神話的思考(野生の思考)とは、図1に示すΔ1とΔ2の対立と、Δ3とΔ4の対立という二つの対立が”異なるが同じ”ものとして結合すると言うために、β

GPT-4に秘伝の?神話分析のやり方を教えてみた -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む【番外編】

GPT-4は神話を分析できるだろうか? * * この一年ほど私は下記マガジンにまとめている一連の記事を通じて、レヴィ=ストロース氏の神話論理を”創造的に誤読”しながら次のようなことを考えてきた。 神話的思考(野生の思考)とは、下記図1における、Δ1とΔ2の対立と、Δ3とΔ4の対立という二つの対立が、”異なるが同じ”ものとして結合すると言うために、β1からβ4までの四つのβ項を、いずれかの二つのΔの間にその二つの”どちらでもあってどちらでもない両義的な項”として析出し、こ

AI、曼荼羅、深層学習。神話論理と言語の未来 -人間もしくはAIが「言葉の意味を理解する」とは

チャットAIの知性と、人類の知性ChatGPTの登場をきっかけに対話型の文章生成AIが注目を集めている。 わからないこと、知りたいことを対話型のAIに質問でも相談でもすれば、まるで親切でポジティブな人間のように的確な文を返してくれる。 例えば「○○とは何か?」式の質問(つまり「○○とはXXです」と答えることができる質問)や、学生のレポートや仕事の資料に使う文章やメールの文案といった、いままで私たちを「はて、どう書いたら良いものか…」と日々悩ませ、生産性と称されるものを低下

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”GPT”の向こう側/目に見え耳に聞こえる言語の壁に穿孔するキツツキのリズム -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(30_『神話論理2 蜜から灰へ』-4)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第30回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 最新の記事ほど濫読が激しさを増すので、これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 この一連の記事では、レヴィ=ストロース氏の神話論理を”創造的に誤読”しながら次のようなことを考えている。則ち、神話的思考(野生の思考)とは、Δ1とΔ2の対立と、Δ3とΔ4の対立という二つの対立が”

太陽の娘とキツツキの結婚における波動関数の収縮 -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(31_『神話論理2 蜜から灰へ』-5)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第31回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 この一連の記事では、レヴィ=ストロース氏の神話論理を”創造的に誤読”しながら次のようなことを考えている。則ち、神話的思考(野生の思考)とは、Δ1とΔ2の対立と、Δ3とΔ4の対立という二つの対立が”異なるが同じ”ものとして結合すると言う

GPTの"P"にマンダラ状の確率分布を描くβ脈動を組み込む -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(32_『神話論理2 蜜から灰へ』-6)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第32回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 この一連の記事では、レヴィ=ストロース氏の神話論理を”創造的に誤読”しながら次のようなことを考えている。則ち、神話的思考(野生の思考)とは、Δ1とΔ2の対立と、Δ3とΔ4の対立という二つの対立が”異なるが同じ”ものとして結合すると言う

蛙が飛び込むと、天地が開闢する -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(33_『神話論理2 蜜から灰へ』-7「カエルの祝宴」)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第33回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 この一連の記事では、レヴィ=ストロース氏の神話論理を”創造的に誤読”しながら次のようなことを考えている。則ち、神話的思考(野生の思考)とは、Δ1とΔ2の対立と、Δ3とΔ4の対立という二つの対立が”異なるが同じ”ものとして結合すると言う

蜂蜜の喪失から世界がはじまる -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(34_『神話論理2 蜜から灰へ』-8)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を”創造的”に濫読する試みの第34回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 この一連の記事では、レヴィ=ストロース氏の神話論理を”創造的に誤読”しながら次のようなことを考えている。則ち、神話的思考(野生の思考)とは、Δ1とΔ2の対立と、Δ3とΔ4の対立という二つの対立が”異なるが同じ”ものとして結合すると言うために、β1からβ4ま

「カエルの息子はジャガーであった」 ?!/ことばの環を閉じる -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(35_『神話論理2 蜜から灰へ』-9)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第35回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけます。 この一連の記事では、レヴィ=ストロース氏の神話論理を”創造的に誤読”しながら次のようなことを考えている。則ち、神話的思考(野生の思考)とは、Δ1とΔ2の対立と、Δ3とΔ4の対立という二つの対立が”異なるが同じ”ものとして結合すると言う

言語「生成」の究極へ -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(番外編)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第33回目ですが、今回は「番外編」として、言語の「生成」について書いてみました。 言語の生成といえば、まさに「生成AI」。 人間が生成する言語 AIが生成する言語 あるいは、言語それ自体が生成する言語(?!) その違いについて考えてみたいと思います。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでもお楽しみ(?)いただけ

川を渡ること・言葉を交わすこと/騙す言葉〜因幡の白兎  -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(20)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第20回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 これまでの記事を読まなくても、今回だけでお楽しみ(?!)いただけるはずです。このシリーズのエッセンスは下記の記事に書いていますので参考にどうぞ。 「構造」は脈動する?!レヴィ=ストロース氏といえば「構造主義」の思潮のきっかけを作った人物のひとりと目されている。わたしたちは『神話論理』から、レヴィ=ストロー

hyper-Δ項プレヤデス -レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(21)

クロード・レヴィ=ストロース氏の『神話論理』を意味分節理論の観点から”創造的”に濫読する試みの第21回目です。 これまでの記事はこちら↓でまとめて読むことができます。 前回の記事では、ワニの背に乗って水界を渡ろうとする主人公が、言葉のトラブルでワニに追われるはめになり、追いつかれてはやり過ごしまた追いつかれてはやり過ごす、追う者と追われる者が分離と結合を繰り返す、という因幡の白兎風の神話を取り上げたました。 (前回の記事はこちら↓) * 二が一になり一が二になる動き

レヴィ=ストロースの『神話論理』を深層意味論で読む(1) 空海の曼荼羅-「心」と『神話論理』を並べて深層意味論として読む

はじめに。空海の「心」と、「野生の思考」空海著『秘密曼荼羅十住心論』は、その名の通り「心」の十のあり方についての論として読むことができる。 『十住心論』を読む以前、私自身も現代人の素朴な常識に従って、”「心」のあり方は一つで、それは身体の脳神経か何かに還元して説明し尽くせるのではないか?”などというふうに考えていた。 しかし空海によれば、”心”の世界はもっと広大無辺である。 しかも、”心”は一個の身体を超えている。 * 『秘密曼荼羅十住心論』の第十住心「秘密荘厳住心

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