君は僕の最後の女の子25

彼は私をフェンスの方へ強く引っ張った。私は抵抗した。私は行きたくなかった。その中へ。でも彼は私を軽く引き抜くようにフェンスに引き寄せて、ヒョイと登ると手招きした。登らなきゃ。高い。下を見てはいけない。

閉鎖されたはずのバッティングセンターが何故その時だけ一時的に開いたのかはわからない。彼はスイスイと猿のように軽やかに腕だけで登って行くようだった。まるで懸垂の自慢をしてるように。私は一足遅れて向こう側に着地する。思ったより地面が下にあって、尻もちをついた。彼は笑った。
「思ったより安定した転がりっぷりだったね。」
私は小さい割に尻がでかい。思わず真っ赤になる。
「ちょっとはぽっちゃりだけど、そんなに太っては。」
と言ってからもっと頬が火照る。
「可愛いよ。肌もツヤツヤ。いいね、かなり色白でしょ。」
私はここだけの話、肌の綺麗さと手の綺麗さには自信がある。