君は僕の最後の女の子24

僕は何度も殴ったよ。だからこんなに怖い腕をしてるんだよ。

「そんな僕もかなり人を殴ったんだ。意識を失わせた事もある。」
彼はボソっとそんな事を言った。悲しそうに自虐的に呟いていた。
そう彼は、父に似ている。

正確に言えば父と呼んでいた人で今は他人だ。
記憶はない。私は死にそうになった事があると母が言っていた。でも何で私が死にそうになったかは教えてくれない。
今の父は優しい。それも最近勝手に戸籍を調べて知った。お父さんの正確が変わった、そうとしか思ってなかった。

私にはところどころ記憶がない。

私が運命共同体だと思った友人もきっと同じ責めを負っていたのだろう。皆目を背けていた。得体の知れない怪物に向かって石を投げつけていた。

それが自分の方へ来ないように。

それが自分の方へ来ないように。


彼は私を殴っていた父の悲しみを負った人。