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安かろう悪かろう


 皆さん、こんにちは。安い! 早い! 悪い! 木賃ふくよし(芸名)です。
 安物買いの銭失いなんて言いますが、これは割と正しいと言えます。

 まあ、目の前の値段だけに惑わされると大体は損をするって話ですね。

 先日、人と話をしていて「コインランドリーが便利でいい」と言う話になったんですよ。一人暮らしの洗濯機ナシ、という状態では確かにコインランドリーが便利です。
 特に「干すのが面倒」ってタイプの男に取って、乾燥までやってくれるコインランドリーは超便利。
 ワタクシはこの「便利」こそが「価格」であるという考えをしているので、当人が便利だと思っているならそこにケチをつける気はありません。

 しかし、それが本当に「便利」で「安い」のかと言われると、思案を挟む余地はあります。
 彼曰く、洗濯は面倒なのでコインランドリーで全自動の方が楽、とのこと。それ自体は否定しません。
 ですが、彼の場合、最寄りのコインランドリーまで徒歩4分ほど。行き帰りで8分。
 しかも、完全全自動洗濯の方は値段が高いため、洗濯機と乾燥機の二回に分けて往復する必要があります。無論、スマホでもいじっててその時間をやり過ごす方法もありますが、そうなると洗濯+乾燥中の30分ほどを、緩やかとは言え拘束される事になります。

 洗濯機が¥300、乾燥機が¥400、最低時給を¥900(京都府)とすると、移動時間や作業時間、拘束時間などで考えて30分は浪費します。まあ、勤務している程ではありませんから¥150引いて、¥300ぐらいのロスとしましょう。
 つまり、一回の洗濯に概算で¥1,000かかっている訳ですね。数字はかなりテキトーですが、細かいところは自分で自分に当てはめて計算してください。

 では、乾燥までやってくれる全自動洗濯機を購入したとしましょう。
 彼の場合は洗濯が2週に1回程度。つまり、月¥2,000。年間¥24,000が洗濯代金となる訳です。
 ショボめの全自動洗濯機で¥70,000ぐらいなので、3年でペイ出来てしまうんですね。

 無論、これに電気代や水道代も加わりますから、もう少し費用は上乗せされます。家庭用だと乾燥機がショボいという意見もありますが、¥150,000ぐらいの洗濯機なら問題ありません。それに、乾燥が半端なのは洗濯物の量が多いからです。男の一人暮らしとは言え、2週間分の洗濯物は多すぎる。電気代は嵩みますが、こまめに回すようにさえすれば、ショボい乾燥機でも綺麗に乾く。

 これも無論のこと、環境による。近所にとにかく安いコインランドリーがあるなら、そちらの方が良い事もあるだろう。近々環境が変わる予定があるから、洗濯機を買いたくないかも知れない。そもそも、賃貸的に洗濯機を設置出来ないかも知れないし。
 あと、なんかコインランドリーって空間が好きとか色々あるだろうし、その価値は自分で考えてくれ。

 また、これを読んで「洗濯機スゲー!買うぜ!!」ってなった人がいた所で、ワタクシには1円も入ってこないので、洗濯機自体はどうでもいい。単に「眼前の価格」が高いと二の足を踏み、かえって損をし続ける。そーゆー事が「安物買いの銭失い」である、とそれが言いたいだけなのだ。

 1個¥120の商品が、10個パックで¥1,000で売られている。しかし財布の中身が心もとない。仕方ないから割高な¥120を買う、なんて経験は多くの人がしているのではないだろうか。

 (´・Д・)」 ワタクシはスゲーしてる。


 まあ、上記の例だと「安物」は¥1,000の方なのでは? という考え方もできる。¥120の商品が食べ物だった場合などがそれだ。
 10個を食べきる前に食品が傷んでしまった。3つ残ってしまったとして、個別に7つ買った場合は¥840。商品1個以上の無駄金を支払った事になる。

 あと、安物を買ったら一瞬で壊れた、とか。そーゆー経験ありませんかね?

 身近な所では、店先の値段だけで飲食店を決めたら、ビックリするほど不味かったとか。
 うん。勿論のことながら、「えっ!? このクォリティがこの値段で!?」って言うほどコストパフォーマンスが高い事もある。
 そりゃ、好みやこだわりや都合もあるし、その辺はケースバイケースなのだが、基本はクォリティが値段に現れるので、安物買いの銭失いは割と正しい言説だろう。

 つまり、安かろう悪かろうはある意味では当たり前なのだ。

 しかし、最近は社会が発達してきたのか、この「悪かろう」の底辺が底上げされて来ている、とワタクシのような昭和の人間は思う。
 いや、懐古主義で思い出補正し、

 「昔は良かったのに、
 今はダメになった」


 なんて事を言う人は多いが、昔の方が良かったモノを探す方が困難である。賃金、生活、治安、衛生、商品クォリティ。その基準値は確実に底上げされている。
 昔の方が良かったのは景気と金利ぐらいだ。

 例えばファミレスなんて、昔は概ね高かろう悪かろうだった。使い勝手の問題で、利用客がいるからそんな商売も成り立った訳である。
 しかし、大手ハンバーガーショップや牛丼屋が安くて便利を武器にして伸びたから、それにつられる形で今ではファミレスも安かろう悪くなかろうにシフトしていった。
 一部ファミレスは「安い=客質の低下」として、価格は守りつつ、品質を上げたなんてケースもある。

 大手アパレルもそうだ。ユニク□(伏せ字)なんて、安かろう悪かろうの代表だったが、時代とともに縫製やデザインは改良され、今では安かろう悪くもなかろうを通り越し、安くもなかろう悪くもなかろうになりつつある。

 平成の始まりにはまだまだあった令和の今になって、「粗悪品」と出会う確率がとことんまで低くなったと思うのだ。
 いや、粗悪品や悪質な商品がない訳ではないし、詐欺や詐欺まがいだって、まだまだなくなっちゃいない。
 しかし、いわゆる「駄目な商品」「駄目な店」ってのは相当な所まで淘汰されたと感じている。
 そして、その出会った粗悪品でさえも、


 (´・Д・)」 相当マシ。


 なクォリティだと思っているのだ。


 (´・Д・)」 いや、今でも酷いよ? って言いたいだろうけど、昔はもっと酷かったのよ。

 ただ、粗悪品が激減した現在を、ワタクシは少し残念に感じている部分がある。
 そもそもB級映画とか好きなんで、パチもん、バッタもん、パクリ商品ってのにワクワクする性格というのはある。

 懐古主義者ではないが、昔懐かしさは魅力だし、粗悪品には粗悪品の魅力とか味があったとも思うのだ。
 例えそれがどんな悪質な商品であったとしても、それに騙されて悔しい思いをした経験ってのは、過ぎた今となってはノスタルジーに変換されてしまったりもする。


 (´・Д・)」 いや、懐古主義者じゃないよ?


 そーゆーもんだって話で。


 それにもう一つ。


 先日、¥100ショップで小鍋を買おうとしたんですよ。小鍋。
 小さくて、薄くて、軽くて、すぐに壊れる雪平鍋とかのアレ。

 ちょいとした柄杓の代用品に出来て、湯を沸かす程度の火にかけても大丈夫な小鍋。

 ところが、売ってないんですよね。


 なんか、¥500とかしてて、テフロン加工までしてある。


 (´・Д・)」 いや、そーゆーのは要らんねん。



 素手でも形をグニャグニャ曲げられる安物が良くて、カップ麺にお湯を注ぐのに最適! って形に加工したかったのよね。

 (´・Д・)」 あと、商品そのものじゃなくて、商品をバラバラに解体して、その一部パーツだけDIYに使いたい、とかってパターンとかもあって、


 安かろう悪かろうが
 欲しいんですけど?


 その粗悪品が
 ジャストなんですけど?



 って商品が激減してるのは悲しい。


 (´・Д・)」 まあ、それも滅多に買わんし、その売上も¥100じゃ無くなるのも仕方ないけど。



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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。