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社会保険クイズ⑨~国民年金が払えない蓮くん~こんな時、どうすればいいの?

このコーナーでは毎回、今までお話させてもらった話題などを題材にして
簡単なクイズを出題させてもらっています。

毎回、最初に問題となる事例を紹介して、その後に回答と簡単な解説をお
話する、と言うパターンで行なっています。

簡単な問題ですので、もしよろしければ一緒に考えてみて下さい。

1.主な登場人物

蓮(れん)くん・・・20歳
大学2年生。高校時代から同じレストランでアルバイトをしている。
仕事は楽しいが店長が厳しく、職場では怒鳴られることもしばしば。

陽葵(ひまり)さん・・・23歳
社会人3年生。大手企業に入社して3年目。おとなしい性格で、自己主張
が苦手。
残業が多いのが悩み。結菜さんの後輩。

結菜(ゆいな)さん・・・年齢不詳
陽葵さんと同じ会社に勤める新婚さん。勤続7年目。

2.問題編

今回は大学二年生、先日二十歳の誕生日を迎えた蓮君に再び登場してもらいます。

それでは問題です。

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蓮君は大学2年生ですが、20歳の誕生日を迎えたことで、日本年金機構
から国民年金の納付書が送られてきました。

しかし蓮君は、親元を離れて一人暮らしをしている上、先日足を骨折し、
アルバイトもしばらくできないことから、非常に生活が厳しく、国民年金
の保険料を支払うことができそうにありません。

大学を卒業して、生活に余裕が出るまで、保険料の支払いは待ってもらい
たいのですが、そんな事は可能でしょうか?

また、もし無視して払わなかった場合、どんな問題があるのでしょうか?

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と言う問題になります。

国民年金の延納はできるのか?
また払わなかった場合、どうなるのか?
と言う問題ですね。

それではお考え下さい。

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3.解答編

はい、それでは解答編にまいります。

ご存知の方も多いと思いますが、原則として20歳になると全員が
国民年金に加入することになります。

これは学生であっても、仕事をしていなくても、加入する事に変わりはあ
りません。

とは言え、蓮君のように学生であったり、働く事ができず収入がないなど
どうしても保険料が支払えない場合もありますよね。

現在ですと月額1万6千円以上ですから決して安い金額ではありません。

このような時のために、保険料の支払いが猶予されたり、免除されたりす
る制度があります。

蓮君の場合、大学生ですので、申請する事により「学生納付特例制度」
言う制度を受けることができ、保険料の支払いの猶予を受ける事ができます。
これがひとつめの答えですね。

次に、もし何もしないで無視して払わなかった場合ですが・・・。

少し長くなりますが、「年金」と聞くと「年を取ってからのモノ」
との印象が強いかもしれませんが、年金は年を取った時だけでなく、
病気やケガをして障害の状態になってしまった、
と言うような場合にも「障害年金」と言うものが受けられます。
これは「国民年金の加入者のみ」が対象となる制度ですが、
先ほどの「学生納付特例」を受けていれば、たとえ実際に国民年金を支払
っていなくても
、この対象となります。

ただ、これは国民年金の支払いを無視して払っていなかった場合、つまり
蓮くんが申請もなにもしないで、国民年金を支払っていなかった場合には
加入者とはみなされず、万一の時の障害年金も受け取る事ができなくなっ
てしまします。

このようなリスクの他にも、猶予されていた期間が、期間の計算上だけで
すが年金の加入期間に算入してもらえるなどのメリットもありますので、
払えない場合も、そのままにしておくのではなく、申請・届け出だけは必
ずしておいて下さい。

また、設問とすこし離れますが、学生だけでなく、社会人についても、
収入・所得の少ない場合の免除制度などもあります。
「払えないから」と言って、無視しているのではなく、免除の申請だけは
忘れずにやっておくことをオススメします。

はい、と言うことで皆さん、正解できましたでしょうか。

今日まで9回ほど、主に社会保険を題材にクイズを出題して来ましたが、
いかがだったでしょうか。
取りあえず、連続シリーズはいったん、ここまでとしたいと思いますが、
また違った形でのシリーズも考えておりますので、またその際にはお読み
いただけると嬉しいです。

それでは今回はこれで失礼いたします。


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