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栄養学から考える てんかん      ー過剰なタンパク質は体の毒ー

年をとっても我が子は愛おしい



朝の散歩でご挨拶する老犬さんがいます。
足取りはゆっくりでも四本の足にシッカリ体重をかけてボチボチ歩く我が子を、飼主さんはニコニコしながら歩幅を合わせてました。
その二人はとても微笑ましい


犬や猫も毎年の健康診断や予防接種に人の医療に引けを取らない高度な治療のお陰で長生きになってきたのは嬉しいことです。

私たちは、我が子が長生きしてほしいと願ってます。
ただ、それも元気であってこそですよね。
老犬になって病気を発症してしまうことは本当に辛いことですから…

病気を持たなければ、年をとり認知症になってシッポを振る回数が減ったとしも、毎日ガツガツ食べてアチコチにしたウンチのお世話をする(笑)
そんな老いた我が子を愛おしく思うんですよ。



老犬に突然現れたてんかん症状



ただ、この所 老犬のてんかんの話を立て続けに聞きました。飼主さんによると、最初に起った時は、目を見開いて手足を硬直させて痙攣して、もうダメかと思ったけど2~3分もたてば何もなかったように立ち上がると言うことです。

◇てんかん◇
てんかんは腫瘍等の影響で脳への異常な刺激が原因しているそうですが、それ以外でもてんかんと同じような症状が起きることがあります。

・脳に異常がある(脳腫瘍、脳炎など)
・脳以外に異常がある(肝疾患、腎疾患、心疾患など)

長期間に栄養バランスが崩れた時に起こるてんかん様症状は、体内のカルシウムが神経を刺激しているようで、その元をたどればタンパク質の過剰摂取が原因です。

今回はこのバランスが崩れた時に、身体の中ではどのようなことが起きているのかお話ししていきます。


自然界の犬の食性に立ち返る


犬の祖先のオオカミの獲物は草食動物ですが、その獲物の肉に含まれるタンパク質は21~22%程度なのは御存じですか?
生肉なので酵素も含まれていて消化を助けて代謝を促しています。

オオカミはそれを食べて数万年もの間滅びることなく繁栄してきた。
つまり、体はそのバランスの取れた獲物の肉と内臓を食べて適切に消化吸収され、栄養素を体内でスムーズに利用して今に至ってる。

確かに犬は穀物の消化は苦手ですが、それを食べなくても草食獣の内臓に詰った消化途中の繊維や炭水化物の栄養素を摂っています、
ですから、
犬は穀物の消化は苦手だとしても穀物が不必要な訳ではありません。


元々、グレインフリーのフードは小麦などのアレルギーをもっている子に対応したフードですが、犬が穀物の消化が苦手ということが、いつからか犬はグレインフリーでなくてはならないような印象にすり替わってしまったのではないのかな?


タンパク質を摂ると体液が酸性になる


タンパク質は絶対必要な栄養素です。体を動かすエネルギーを作ったり、傷ついた細胞や皮膚、被毛を再生したり出来るのもタンパク質のお陰です。

ただ、犬の周りにはタンパク質のフード、オヤツが溢れています。
特にドッグスポーツをする犬には肉を与えることが多いようです。犬も猫も毎食豪華な食餌が食べれておお喜びでしょうが…

体はタンパク質を摂ることで体液が酸性になります。
そして、タンパク質の多い食餌やオヤツは他の栄養素とのバランスを崩してしまいます。


タンパク質がカルシウムを狂わせる



体液が酸性に傾くと、体は体内のカルシウムを使って中和しようとします。

カルシウムがPH 調節に使われることで体を機能させるのに必要な血中カルシウムが不足してしまうと副甲状腺ホルモンが分泌され骨や歯からカルシウムを溶かしだしてバランスを保とうとします。これを脱灰と言います。

骨からカルシウムが溶かしだされると骨が弱くなることは言うまでもありませんが、骨から溶かしだされたカルシウムは体の機能を狂わせて色んな所で問題をおこします。




脱灰したカルシウムが体内に溢れた時の問題点は


脱灰でカルシウムが体内に溢れた時の問題になるのがカルシウムが

・腎臓に入ると結石の原因になり
・免疫細胞に入るとアレルギーや白血球の機能を低下させ免疫を低下させます。
・神経細胞に入るとイライラや多動症、攻撃的になったり、てんかんの原因になります。


※よくカルシウムが不足するとイライラすると言われるのは、カルシウムの不足がひと回りして脱灰カルシウムが神経細胞を刺激していると言うことです。


過剰なたんぱく質は体の毒になる


生きていくために絶対必要なタンパク質ですから、効果的に代謝して体に必要な栄養素として使い切らなくては体のマイナスに働いてしまします。

口から入ったタンパク質(例えば肉)は胃で分解されて小さな分子のアミノ酸にまで細かくならないと腸壁から吸収されず正常に利用されません。

正常に利用されないだけでなく、大きな分子のまま吸収されたりすると、免疫細胞は異物と判断しアレルギーの原因にもなります。



吸収されたアミノ酸は細胞の核に入ってエネルギーを作りだしたり、自分用のタンパク質に作り変えられます。

タンパク質を効果的に代謝するために絶対必要なのがビタミンB6やビタミンB2、そしてエネルギーを作る過程ではミネラルが必要です。

つまり、タンパク質を沢山食べるほどビタミンやミネラルの量も多く必要になります。


折角の愛情のこもった食餌ですから、高タンパクのフードや肉のトッピングをしてる場合や、手作りごはんを作っているならビタミンB群とミネラルを加えてください。
どんな材料をどのくらい入れればバランスが取れるのかわからなければサプリメントで解決できます。


因みに
ビタミンB1の欠乏症状は、疲労、食欲不振、イライラ、神経炎、
ビタミンB2の欠乏症状は、脂漏性皮膚炎、口の潰瘍、白内障
ビタミンB6の欠乏症状は、皮膚疾患、てんかん、動脈硬化、筋肉の弛緩、脂肪肝、貧血
マグネシウム欠乏症状は、神経過敏、筋肉攣縮、動脈硬化、肝臓障害
どの栄養学の教本にも書いています。

※ここでは、タンパク質を代謝する為の栄養素を紹介していますが
食餌の代謝を促すためにはマルチビタミンミネラルがオススメです。



「ビタミンやミネラルを摂っていなくても私は元気に生きていける。」
と思ってる方が殆どだと思います。
しかし、10年先、30年先に同じことが言えるでしょうか?

錆びない体を維持する為に…

私たちの4倍~5倍の速さで生きている犬や猫が元気な老犬、老猫になってくれる事を願って今を大切にしてほしいと思っています。



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