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#2 CryptoKitties -仮想猫育成ゲーム-

CryptoKittiesは、仮想猫の育成ゲームです。仮想猫は、それぞれ遺伝情報を持っており、猫同士を交配させると、親猫の特性を受け継いだ子猫が生まれます。実際、この手のゲームは星の数ほどありますが、CryptoKittiesが独特なのはEthereumブロックチェーン上で動いているゲームということです。

2018年3月、CryptoKittiesが米国の著名ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツらから約12億円の投資を受けたことでさらに有名になりました。

なにが凄いのか?

①自分だけの猫を生み出せる

ゲーム自体に12億円の価値はないと思います。それでもここまで投資が集まるのは、CryptoKittiesがゲームの在り方を変えるからです。ゲーム内のコンテンツに自分でオーナーシップを持つことができ、そのコンテンツを市場で売買できるゲームは今後、業界を変える可能性があります。実際に、$100,000(約100,000,00円)売買された猫もいるようで、かなりの盛り上がりを見せていました。

②Ethereum ERC-721

CryptoKittiesには、ERC-721というEthereumブロックチェーンにおける、スマートコントラクトの規格が使われています。

これを使うことによって、スマートコントラクト内でNon-Fungible Tokenを扱えるようになります。Non-Fungible Tokenはオーナーシップや取引履歴を記録することができるようになるという特徴があります。実際にEthereumのコアプロトコルの仕様とクライアントAPI、スマートコントラクトの規格などのイーサリアムプラットフォームの規格改善を提案するEIP(Ethereum Improvement Proposal)では下記のような使用例があげられています。

・物理的な財産 — 家, 絵画
・ヴァーチャルなコレクション — 子猫の写真, 貴重なカード
・ネガティブヴァリューアセット — ローン, 負債

一般的に言って、全ての家や貴重なカードは唯一無二の存在です。これらの所有権をトークンを媒体に売買できるようになることで、新しいビジネスチャンスが広がると思います。

③管理者がいない

CryptoKittiesはブロックチェーン上で動いているDappなので、央管理主体がいません。開発コミュニティーといえども都合のいいようなレアな猫を生むことはできません。また開発コミュニティーがいなくなっても自分のアカウントにいる仮想猫はトークンという形で存在し続けます。

まとめ

CryptoKittiesはゲームですが、ERC-721を使ってできることはゲーム以上の価値があります。リアル、ヴァーチャル問わず様々なモノがトークン化され、そのオーナーシップを一瞬で取引することができるプラットフォームができるのは思いの外早いのかもしれません。







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