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#15 本物か偽物か、判断に迷った

何事も対峙してみて初めて分かること、たくさんありすぎです。

「振り込め詐欺」のような集団的詐欺が日常になってしまった最近では、この刑事さん、本物?偽物?と判断に迷うことがありました。

よく「警察官を装った人物に尋ねられ~」という詐欺ニュースを聞きますが、そういうニュースが流れるたびに頭のどこかで「なんで騙されるんだろう?」と、うっすら他人事に思っていました。

でも、実際にそういう状況に対面すると、本当かどうか分からないもんだなとつくづく感じました。


ことの始まりは、先日スタジオにかかってきた電話。正確には、外出中だったので携帯電話に転送されてきた電話でした。着信は携帯番号だったので、お客さんからの問い合わせかな、と思っていました。

「〇〇警察署のものです」

という第一声に、まず、「え?」と思考回路が止まる。思いの他、動揺。

何かあったか?その警察署のエリアだとスタジオがあるエリアか?え、私、なにかやったっけ?違うんです!!!

みたいな、最後はちょっと謎の反応ですが、次に出てきた発想は「詐欺か?」という猜疑心。

電話の相手からは

「いまちょっと話していいですか」といわれ、とりあえず話を聞くことに。

どうやら何かの事件の捜査で、スタジオのある建物周辺にいるらしく、建物に取り付けられている防犯カメラの映像を確認したいとのことでした。防犯カメラを取り付けているのが大家さんならば、連絡先を教えてほしい、ということでした。

電話の相手が本当の警察だったとしても、電話で伝えるのは憚れるし、まずは大家さんに確認も必要。

と、その旨を伝えたところ、先方も「そうですよね、通常、我々も話を聞くときは名刺を渡しているので」と言われ、私がスタジオに戻る時間に再度来ていただくことにしました。

なんか、そういう当たり前の反応も、「スムーズすぎる」と疑ってかかるとキリがない・・本物か?とずっと気になっていました。


で、いざ対面したとき、目の前に現れたひとが本物の刑事さんかどうかを見分ける術など自分には全く無いんだ、ということに今さらのように気づきました。

訪ねてきたのは、二人。制服警官ではなく、スーツ姿。最初に警察手帳を見せられ、名刺も渡される。名刺には電話で話した「〇〇警察署」ではなく、警視庁という文字と部署名(〇〇捜査隊)。肩書もドラマで見聞きするような肩書が書かれている。
依頼の背景にある事情も伝えてもらいましたが、詳細な内容はやはり言えないらしく、電話で聞いた内容と大して変わらず。

「果たして連絡先を伝えてよいものか・・」

めちゃくちゃ悩みながら聞いていました。

(パッと見は会社員と変わらないし、警察手帳も名刺も作ろうと思えば作れる。しかし、あまりにも疑いの目を人に向けすぎるのも失礼か・・。
それにしてもこの名刺ペラペラだし、いや、名刺が厚くても信用できるとは限らないか。むしろ経費削減で薄いほうが普通か。)

こういうときどう判断したらいいのか、いまでもわかりません。

結局、大家さんの事前承認を得ていたこともあり、このときは「全体的な、なんとなくの感覚」で、本物の刑事さんとして対応しました。(ちなみに、連絡先をメモってたのも、警察手帳ではなく普通のノート)


こういう状況にたまたま遭遇して思ったのは、信用できるかどうかを判断できる術は持っていない。ということは、自分も騙される可能性はゼロじゃないんだな、と思った次第です。



もし気に入っていただけましたら、次回の更新もぜひ楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。