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獲得コスト77%ダウン!ポストイット式FaceBook広告テストメソッド

 マーケティングディレクター兼データサイエンティストのtohari.です。
今回は海外で大きな成果を上げたフェイスブック広告の最新のテストメソッドについてご紹介していきます。

この方法は、海外のあるBtoB商材のFB広告運用でCPAを2,742円から77%ダウンの597円にまで劇的に向上させた手法です。
Facebookは日本国内ですと、人気にやや翳りが出ていますが、BtoBビジネスを中心にまだ十分な広告需要がありますし、Instagramでも基本的に流用可能ですので、BtoCでも利用可能です。

変数となり得る要素を1つ1つ潰しながら短期間で合理的に優れたクリエイティブを抽出する方法ですので、考え方を理解するだけでも他の広告手法にも応用できると思います。
とても理にかなったテスト方針ですので、ぜひ参考にしていただければと思います。
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ポストイット式テストメソッドとは

ポストイット式テストメソッドとは、「訴求」→「画像」→「LP」→「本文」のように1つ1つの広告要素をそれ以外の変数をなくす形でテストし最適解を導出していく、いわゆるABテストの総合版メソッドです。 

具体的には、上図のように最初は文字だけの広告をテストしていくところから始まります。その中でまずは有効性の高い訴求ポイントを発見し、そこからさらにいくつかのテストを繰り返すことで、画像、広告本文、LPなどを合わせた最適解を見つけていきます。

このメソッドがポストイット式と名付けられた所以は、通常広告文(訴求ポイント)のテストの場合、「見出し」または「本文」のところにテストしたい広告文を用いて検証していきますが、この方法は一番インパクトの大きい画像の部分で広告文をテストする点にあり、それがまるでポストイットのようなビジュアルになっている点にあります。

画像部で広告文をテストする場合、見出しや本文の表現はできるだけシンプルで複数の広告文(画像)をテストする場合でもそれらは共通にしておくなどすることで、まさに1つ1つではありますが着実に検証していくモデルになっていると言えます。


ポストイット式テストメソッド 5ステップ

ポストイット式テストメソッドは大きく5つのステップに分かれています。

まずステップ1では、最初にテストする訴求ポイントを20個見つける作業からスタートします。それをステップ2で先ほどのようにポストイット画像を用いてテストし、反応の良かった上位4つの訴求ポイントを導出していきます。そこからさらにステップ3で、導出された4つの訴求ポイントをベースにさらに広告文のバリエーションを20個作成し2回目の訴求テストを行い4つに絞っていきます。ここまでがポストイット画像を用いたテストになります。

その次はステップ4の画像&LPテストになります。このテストでは、ステップ2、3で行ってきた訴求ポイントのテストで導出された優秀広告文4つを用いながら、そこに画像とLPを組み合わせてテストしていきます。そして最後にステップ5として広告本文のテストを行います。ここまできますと、訴求ポイント(広告見出し・本文)、画像、LPがセットになった優秀な広告文が出来上がる、というわけです。

ポストイット式テストメソッドは、ここまでの一連の作業を短時間・低予算で回していくやり方になるのですが、その辺をもう少し詳しくご紹介していきます。


ステップ1:訴求ポイントを20個見つける

ステップ1では、試したい訴求ポイントを20個見つけていかなければなりませんが、その時に調べていくのが、類似商品・サービスのレビューサイトです。Amazonのようなもの、と認識していただければ良いと思います。

この時、今回物販を行おうとするのであれば類似商品のレビューをチェックし、コンテンツ販売を行おうとするのであれば書籍のレビューを見ていきます。ちなみにコンテンツとは、例えば営業ノウハウ、プログラミングノウハウなどの情報商材がそのイメージになりますので、営業本やプログラミング本などのレビューを見る、ということになります。
 
そしてこのレビューを見る際ポイントになるのが、「低評価」のレビューを見る、というところです。

通常レビューを見る場合、良いレビューを参考にするケースが多いのですが、ここでは不満や問題を見つけるために低評価レビューを見ていきます。
そして見つけ出された低評価の内容は、まずはそのままテキストファイルにコピペしていきます。

そしてある程度数が溜まったらそれをベースに見込客の現在の不満や問題点として整理し、登場回数の順に20個ほど書き出していきます。

これが最初の訴求テストに使われる訴求ポイントのもとになりますが、注意点としてその20個の内容は被らないようにします。もし20個も不満や問題がなければある分だけ書き出し、テストしていく形になります。
 
ちなみに以下の図は低評価のレビューから不問・問題を抽出した例になります。

例示にように抜き出せば良いので、それほど難しくはないと思います。

それと、この不満や問題の洗い出し作業についてですが、この海外の事例ではamazonを使用するやり方を教えてくれていますが、筆者の場合、ChatGPTなどのAIツールに尋ねたりもしています。ただし古い情報だけにならないようにブラウジング機能を兼ね備えたAIツールの使用が望ましいです。
また不満や問題は生の声を拾いたいところでもあるので、要約されてしまうAIツールはあくまでも予備的に使うのがおすすめです。
 

ステップ2:ポストイット画像で訴求を4つに絞る

続いてステップ2では、リストアップされた不満・問題点を20個の広告文に作り変えてテストし、上位4つを特定していく作業に入ります。

広告文はYes,Noクエスチョンになるように作り、画像の訴求ポイント以外の本文と見出しについては、シンプルで当たり障りのないものをすべて共通で使用するなどでテストを行います。

訴求テストのポイントは、変数を極力減らして画像部の訴求にフォーカスすることですので、見出しや本文はできるだけ色をつけない形が望ましいです。
 
その他、訴求テストの細かなルールについては以下の通りです。

全部で7つありますので、基本その通りに設定してください。
 
 

ステップ3:再度20の広告をテスト→4つに絞る

ステップ3では、ステップ2で上位4つに絞った訴求ポイントを、それぞれの方向性を維持しながらバリエーション広げる形で、再度20個の広告文を作成していきます。そしてその広告文をもとに2回目の訴求テストを実施し、ここでも上位4つの広告を特定していきます。運用ルールはステップ2と同じです。

ここまででステップ2で上位4つ=20%を特定し、ステップ3でその中のさらに20%に絞り込んだので、全体の最上位4%まで広告案を絞り込むことができています。勝ち残った広告案ということです。
 
このようにして絞り込んだ広告案の具体例は以下のようなものです。


 

ステップ4:広告画像&LPヘッドラインテスト

ステップ3まででかなり訴求ポイントが絞り込まれた状態になりました。
ここからはポストイット風画像はやめて、広告画像とLPのテストに入っていきます。

まずLPのテストですが、以下のように行います。

LPといってもメインコピーとサブコピーの2つをテストする形になります。

ここでは、ステップ3までのテストで勝ち残った訴求ポイントを反映させたLPを2種類作成してテストしてみるのですが、基本的には勝ち残った広告文を流用していますので、LPで展開させるための念の為の最終確認といった意味合いになります。図のように単純な内容ですので、簡単にできると思います。
 
広告画像テストについては、ステップ3で絞り込まれた4個の訴求ポイントそれぞれに対して広告ビジュアルを5種類ずつ作成して、やはり計20個の広告テストをしていきます。

ステップ4の運用ルールは以下になります。

ポイントとしては、広告目標を「コンバージョンに変更」、それに合わせてデータ取得を20CVまたは1万円で切れるようにするところです。
 
このようにステップ4では、広告画像とLPを同時にテストしていくわけですが、広告画像、LPともに最も効果の高かった1つずつを特定していきます。
そしていよいよ最後のステップに入ります。
 

ステップ5:本文テスト

ステップ5では、まずLPについて成約率の高かった画像をLPの1stビューに入れるかどうかを検討します。LPの1stビュー画像についてはメインコピーとの関係もありますので、内容上齟齬がない画像であればLPにも反映してみるといった程度の検討で問題ありません。
 
広告本文のテストについては、勝ち残った1つの見出し&画像を共通で使用して、4つのバリエーションで本文を作成・テストしていきます。

この場合の①ストーリーとは、例えば「2人の男がいて・・・」といったような物語調の広告パターンを指します。②コンテンツとは、ユーザーの抱えている悩みなどに関する記述などが代表的な例になります。
③成功事例は、この商品やサービスを使ってうまくいった事例やお客様の声など、④短文は問題や解決策を短く伝える文章になります。テストルールとしてはステップ4と同じです。

このようにステップ5のテストを完了させることで、精度の高い広告とLPの作成に繋げていくことができるというわけです。
 
 

最後に

一旦はこれでポストイット式テストメソッドが一通り終了ということになりますが、実際に運用していくと、どんな優秀な広告であっても効果が落ちてくるタイミングが来ます。その場合には再度ステップ1や2に戻ってもう一度新たな広告づくりを行なっていく必要が出てきます。
その辺は通常の広告運用と同じですので、運用が続く限りテストが続いていく、というイメージを持った方が良いです。
 
今回は海外の最新テストメソッドのご紹介をしていきました。
特別難しくはありませんが、かなり精緻なメソッドではありますので、普段あまりPDCAを意識しない方にとっては少し面倒に感じるかもしれません。

でもこれだけやれば少なからず成果は出てきますので、まずは試しに一度やってみるという形で自社広告の運用に取り入れていくのも良いと思います。

もしうまくできるか心配という場合には、筆者の方でお手伝いさせていただくことも可能ですので、プロフィールサイトの方より、お気軽にお問い合わせいただければと思います。
 

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