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双日が次世代再生可能燃料製造業の米Next Renewable Fuelsに出資

双日は、100%子会社である双日米国を通じて、米国で環境負荷の少ない次世代再生燃料の製造を目指すNext Renewable Fuels, Inc.(NEXT)に出資したと5月29日に発表した。

NEXTは、2016年に米国・ヒューストンに設立された、次世代再生燃料の製造を行う企業。同社が製造する燃料は、廃食用油などの有機物をリサイクルし、石油系ディーゼルと同様の機能を持ちながら、温室効果ガス排出量を85%削減できる先進的なバイオ燃料。
現在、米国・オレゴン州ポートウエストワードに次世代再生燃料を製造するプラントの建設を計画しており、2026年に商業運転を開始する予定となっている。

NEXTがウエストワードに建設を計画しているプラントでは、廃食油や植物油、動物油脂などを原料としたSAF(持続可能な航空燃料)の製造方法として唯一商業化されているHEFA(植物油や動物油、廃食油を水素化処理および脱炭素化することによって目的の炭化水素系燃料を製造するプロセス)技術により、次世代再生燃料を製造しSAFと再生可能ディーゼルを合わせて1日あたり5万バレル(約8000キロリットル相当)、年間で7億5000万ガロン(280万キロリットル相当)を生産する計画。これによりライフサイクルでの温室効果ガス排出量を最大で80%削減できるとしている。

NEXTが建設の計画をしている製造プラントの完成予想図(写真:双日)

NEXTは、昨年11月ユナイテッド航空の傘下でサステナビリティに特化したベンチャーファンドである”ユナイテッドエアラインズ ベンチャーズ”から出資を受けているほか、大手石油会社ともパートナーシップを締結している。

双日は、すでにNEXTと提携関係にあるパートナーとも連携し、安定的な原料の供給や販路の開拓などを通じ、NEXTの企業価値向上を目指すもの。

双日では、2050年に向けた長期ビジョン「サステナビリティチャレンジ」のもと、事業を通じた脱炭素社会の実現に向け取り組んでいる。
同社はSAFの供給拡大に寄与するとともに、日系エアラインに対する供給体制やSAFを日本に輸入するためのサプライチェーン整備を通じ、航空業界の脱炭素化に貢献していくとしている。

米国は世界の航空燃料の使用量の約50%を占める一大市場であるとともに、SAFの製造を積極的に推進しており、供給・使用を世界に先駆けて拡大していくと見込まれる。

2023年6月1日掲載


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