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大学生の時、汗が止まらなかった話

私が大学生の時、春休み明けに学校に行って講義を受けていると、額から汗が止まらなかった。春休み中はほぼ家で一人きりで引きこもっていたので、久しぶりに周りに人がいる状態で緊張していたのだろう。さらに、普段運動もロクにしていなかったため、久しぶりに通学で体を使ったことで汗をかいたのだろう。

もともと汗っかきだから、最初のうちはあまり気にしていなかったが、10分、20分、30分と汗がいっこうに引く気配がない。まだ、4月頃だったので暖房がきいていたこともあり、汗が出て続けていた。当時来ていた黒のトレーナーもしっとりしてきて、ひとりサウナ状態になっていた。一番気になったのが後ろの席から汗がヤバいやつがいると思われることだった。そう考えると余計汗が出てくる悪循環だった。結局、講義の90分間近く汗をかき続けた。

すると、その翌日から通学時に電車に乗ると汗が出て止まらなくなってしまうようになった。もちろん、通学時には同じ大学の同級生たちもいる。もし、汗だぐになっているところを見られたら…と同時に、座席の前にいる人から見て、前の人間が汗が出続けていると思われるのが恥ずかしくて、そう考えて「汗よ、出るな、頼むから出るな」と思うと余計汗が出てきた。学校につく頃にはサウナから出てきたみたいな状態になるし、自分が座っていた座席に汗の跡が残るのが恥ずかしくてしょうがなかった。

この症状は、日によって汗の出方には差があったが、約2年間私を苦しめ続けた。特にゼミの発表などで人前で話すときには、緊張もあって黒板の前でずっと汗をかきながら説明をしなくてはいけなかった。当時は何をするにも、汗が止まらなくなったらどうしようと考えるようになり、発表などの人前に立つ1日前から水分を控えるようにしていた。

大学を卒業する頃にはあまり汗をかかないようになっていた。私は大学に入学した頃に事情があって、最初の2か月授業に出ることができなかった。もともと、明るい性格ではないので友達もおらず、一人でいることの方が楽なので基本孤立していた。そのため、大学の長い春休みも基本家で引きこもっていた。周りに心を許せる人間がいないという精神的な状態と、肉体的にも引きこもりがちで昼夜逆転することも多く自律神経がおかしくなっていたのではないかと思っている。大学のゼミで汗まみれになりながらも、少しずつ周りの同級生と会話する機会が増えたことで精神的な落ち着きを取り戻して自律神経が整い汗をあまりかかなくなったと思っている。当時かいていた汗のしずくは、私の心の涙だったのかもしれない。

※甲状腺の病気などで汗が止まらなくなることもあるので、本来は病院に行くことが正しい選択だと思う。

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