B6サイズの小説同人誌の良さについて(実物写真・装丁まとめ付き)

あいださんのカバー付き文庫本のおすすめ記事がとても素敵だったので、今まで作ってきたもののまとめも兼ねて、B6サイズの小説本のおすすめ記事を書いてみることにしました。

普段、文庫サイズもA5サイズもB6サイズも用途によって使い分けて小説本を作成していますが、B6本のどんなところが好きかについて、簡単に書いてみようと思います。

文庫サイズとA5サイズのいいとこ取り

①表紙を大きく使える
B6サイズはA5サイズより小さいものの、表紙を文庫サイズよりは幾分大きく見せられるので、イラストやデザインを目に留めていただきやすいのかなと思っています。
カバーを巻いても質感がよくわかったりして綺麗なので、総集編などにはぴったりかなと思います。

②組版が見やすくページあたりの文量の格納性も高い
文庫だと1段組、A5だと2段組の組版が多いのかなと思っていますが、B6はその中間をうまくとってくれるサイズだと思っています。
文庫はサイズの関係上文量が多いとページ数がかさんでしまい価格もあがってしまいがちなのと、A5は2段になりがちなのでどちらかというと合同誌などに向いているのかなと思っているので、その中間をうまくとれるB6をよく使ってしまいます。

ただ、難点として、B6サイズを標準で取り扱っている印刷所さんがA5や文庫ほどは多くないのも事実なので、そのあたりが少しつらいところです。
とはいえ、下記の印刷所さんではいつもB6でお世話になっているので、下記の印刷所さんで普段印刷されている方で、次はB6でも作ってみたいなという方がいらっしゃればぜひ作ってみていただけたらなと思います。

・緑陽社さん
・STARBOOKSさん
・栄光印刷さん
・太陽出版さん

実物写真と装丁仕様まとめ

続いて、実際に作った小説本の仕様について、

・カバー用紙
・表紙用紙
・本文用紙
・インク
・印刷所

の順番で、デザイン寄りのコメントつきでまとめてみました。

①ハルミネ

カバー用紙:ヴァンヌーボVGスノーホワイト180kg
表紙用紙 :ミニッツGAスノーホワイト170kg
本文用紙 :クリーム書籍用紙72.5kg
インク  :カバー:4C / 表紙:DIC-F38
印刷所  :緑陽社
デザイン :キスケさん

総集編の1冊目で、「明るく爽やかな読後感」をテーマに今までの作品を収録した本だったので、基本のテーマカラーは白、カバー下は遊び心を込めた特色インク、タイトル部分には黒の箔押しをしているのがポイントです。
総集編2冊のデザインはキスケさんにお願いさせていただいており、カバーの紙はヴァンヌーボというインクが乗った部分に艶が出るような綺麗な紙を使ったのですが、ものすごく綺麗でした(しかしめちゃ高いです。。)。


②ラウトフラウト

カバー用紙:ヴァンヌーボVGスノーホワイト180kg
表紙用紙 :色上質最厚口 黒
本文用紙 :クリーム書籍用紙72.5kg
インク  :カバー:4C / 表紙:DIC-621
印刷所  :緑陽社
デザイン :キスケさん

総集編の2冊目で、「切なく独特の読後感」をテーマに今までの作品を収録した本だったので、基本のテーマカラーは黒、カバー下は黒×銀インク仕様になっています。
こちらも1冊目同様カバーの紙はヴァンヌーボというインクが乗った部分に艶が出るような綺麗な紙を使っており、1冊目と同じ紙にもかかわらず、インクが紙全体にのっていることでこちらの方がずっとしとやかで独特な質感に刷りあがりました(本当はこの仕様+黒の小口染めと白の箔押しをしたかったのですが、見積もり金額と納期を見て吹き出したので断念しました、笑)。


③Summer has come

カバー用紙:ハイマッキンレーアート135kg+マットPP
表紙用紙 :里紙 雪 170kg
本文用紙 :クリーム書籍用紙72.5kg
インク  :カバー:4C / 表紙:DIC-552
印刷所  :緑陽社
デザイン :welca

いつもシリアスや落ち着いたイメージばかりに傾倒してデザインや本作りをしがちだなと思っていたので、夏だし、たまには楽しくポップなイメージの1冊を作ろうと思い作った1冊です。
イラストを描いてくださったmurataさんのイラストがとてもかわいすぎたので、その印象と作り出したいイメージとの赴くままにデザインしました。
里紙の雪と濃いグレーのインクは絶対に合うだろうとずっと思っていたので、そういうチャレンジもした1冊でした。
TP明朝を購入してすぐ作った本だったので、テンションが上がりすぎてTP明朝にあふれています(笑)


④アルタルフ

カバー用紙:コート135kg+マットPP
表紙用紙 :キュリアスIR 146kg ホワイト
本文用紙 :書籍バルギー
インク  :カバー:4C / 表紙:DIC-619
印刷所  :太陽出版
デザイン :welca

上下巻に分かれた長編の1冊目です。
明るさを表すために白と金をベースにデザインを進め、カバー下は1Cで塗りつぶした背景を線画で型抜くことで、擬似的に白と金の2色刷りっぽく見せています。
キュリアスはもともとキラキラしているので、金インクとあわせると想像以上にキラキラして見え、綺麗に刷り上げていただいた1冊でした。


⑤SILFANY vol.1

表紙用紙 :シルキーアイボリー18kg+マットPP
本文用紙 :栄光コミック
インク  :4C
印刷所  :栄光印刷
デザイン :表紙 / モージさん
      本文 / welca

オリジナルの短編小説誌「SILFANY」の創刊号です。
自分がデザインを大好きになるきっかけになったデザイナーさんのモージさんにご相談させていただき、小説っぽさからは少し離れた攻めのデザインでまとめていただいた1冊です。
「読む」ということに対する心理的ハードルを少しでも少なくしたかったので、本文用紙もクリーム系ではなくあえて目に明るいホワイトなものを選び、手触りもすべすべしているものではなく、読み進める感じが物理的にわかるような少しざらついた質感のある紙を選びました。
また、手に取った時に重みを与えたくなかったため、厚みがあっても軽い紙を探していたところ、栄光コミックが一番しっくりきたのでSILFANYではずっと栄光コミックを使っています(笑)

最後に

などなど、他にもB6サイズで小説本は作ってきましたが、手元にあるものを載せてみました。
小説本は厚くなればなるほど費用と納期との戦い的な側面があると思うのでなかなか難しいですが(200ページ以上は納期前倒しなどもある)、B6も楽しいのでもっともっとB6サイズの小説本も増えてほしいなと思います。

その他、今まで作った小説本の詳細な仕様や特殊装丁について、お知り合いの方々のご本と一緒にまとめて収録した「小説本の特殊装丁」をテーマにした雑誌「SILFANY別冊vol.2」もBOOTHにて頒布中なので、よかったら見てみていただけたら嬉しいです。

Twitterhttps://twitter.com/welcaaam
Web :http://www.lylehout.com/


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welca

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