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衝撃のリサイクル自転車の世界

 地方の小都市に住んでいるのだが、徒歩と自転車だけで生活に必要なものはすべて揃う環境のため、三年前に引っ越して来て以来、車は保有していない。

そうなると、自ずと自転車の利用頻度が上がり、その修理やメンテに若干のコストがかかる。若干.......というのは、数年に一回、数千円というレベルである。だから車の所有および維持費と比べると、こんなのゼロみたいなもんである。

私が乘っている自転車は、実に20年以上前に購入し、18年間ほどレンタルルームに保管されていたものである。古いワリには走行距離が少なかったのと、そもそもその前に乗っていた自転車を酷使しすぎて、スポークがバキバキと折れまくっていたので、ブリジストンの当時としては価格帯が高めの頑丈なものを買った記憶がある。

ところが、先日の出先でど派手に後輪をパンクさせてしまったのだ!

ラッキーにも大型の自転車販売店のすぐ近くということで、そこに持ち込んで修理して頂いたところ、古すぎるタイヤもまるまる交換することになり、カタンカタンと異音も発していたし、変速部分もゆるい気がしたので、色々とチェックして頂き、結果的に7千円ほどを支払った。

悩ましい料金である。今どき、安い自転車なら2万円くらいで買えるやろうに。

私「かなり古い自転車なんで、修理しようかどうか悩みましたが、直って良かったです。」

店員さん「古い自転車の方が意外と作りが頑丈だったりするので、修理して長く乗ってあげてくださいね。

........なんか、その言葉で、私の中の妙なスイッチが入ってしまった。そろそろ電動アシスト自転車に買い替えようと思っていたのだが、あと数十年でも手放さずに大事に乗ろうと思ってしまったのだ。

大事な自転車がキレイに直って、乗り心地も快適で新品同様に思えたので、消えた7千円がそれほど高い買い物ではなかったと思っていたのだが。

今日、たまたまでかけた場所で、とんでもないものを見つけてしまったのだ!!

それは、遠出をしてでかけていったところにある、自治体が運営しているエコステーション的な施設で、中では、リサイクルについての展示があったり、廃油で石鹸を作ることができる工房、古着などをリユースするためにミシンを自由に使えるスペース、電気工具などを借りられるクラフトエリアなどがどどーんと用意されていたのだが、その一角に

自転車を自分で修理できる場所

があったのだ!!!

要するに、廃棄自転車を分解して、再利用ができるものは、その部品を取り出して整理&保管されており、その個々の部品をその場で購入(といっても、100円とか200円!!)し、それをその場で自分で直せば工賃は不要という、ものすごいコスパの優れた自転車修理スペースがあったのだ。

自転車のパーツ数が、大量であった!

圧巻!

ハード萌えする私、カナメの存在を一切忘れて、個々の部品を見回るのに忙しい。この部品、あんな部品、これ買ったらいくらやろとか脳内で数字がビシバシ飛び交う。そしてパーツはキレイに磨かれていて、実に美しい。

スタッフさん「まぁ表向きは自分で直すということにしているけど、全部細かくやり方は教えてあげるから、自転車さえ持ってきてくれれば。パンクなんか、直すよりチューブをそっくり交換した方が安いからね。」

ひぇえええええ。

私「なるほど。この部品たちは、その廃棄自転車から取り出してリサイクルしてるってことですか。だからこんなに安いんですね。」

スタッフさん「まぁ中古やけど、問題なく使えるものだからね。ただ自転車を持ってきてもらわないと、ちゃんと合うかどうか分からないから、パーツだけ売るっていうのはやってない。」

確かに。業者さんが大量にパーツを安く仕入れる場所ではないってことね。商業利用向けには販売してないって断り書きが貼られていたのは、そういうことか。

スタッフさん「自転車は、この躯体さえ残っていれば、あとのパーツはここに全部ある。(自転車というものは、直しながら)何十年でも使えるものやからね。」

私「それにしても、こんな良い施設があるとは!!これは情報としてすごい価値ありますよね。でも、あまり世間には知られてないですよね。」

スタッフさん「まぁ一度来た人、知ってる人は、何回も来るからね。」

そりゃそうだよー。知らない私なんぞ、7千円払っちゃったよーっ!!!

ところで、そこでは中古自転車を整備した完成品を販売したりもしているらしく、実際にその場に複数台出荷待ちの自転車があったのだが、どうやら観光スポットでレンタル自転車として使われるようだった。

この様な取り組みは、どこの自治体でもあるみたい。

シルバー人材センターなどでリサイクル自転車が販売されているところもある。

自転車のリサイクル等

物価も上がるし、自転車にそうそうお金をかけたくない、子供が何度も自転車を壊すので新車を買うのがためらわれる、そういう方は、ぜひぜひ地元のリサイクル自転車事業を探してみるといいかも。

自分で修理できるような場所があるなら、ぜひぜひ子供さんに挑戦させてあげてね!

次に修理する必要があれば、絶対にここにまた来るからね!


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