見出し画像

苦しみの中でより良い状態を保つためにレジリエンスを高める 3

すっかり間があいてしまいました。鍼灸師の先生から頭を休めろと言われ、休もうとしていたらブログからも遠ざかってしまっていました。

慢性疾患を抱える人のレジリエンスの高め方ですが、まずは、身体の管理。やはり慢性的な痛みなど、耐え難い苦しみに襲われ続けているときに心の平安を保つのは難しいです。

疾患や症状のコントロールに西洋薬を使わざるを得ない場合もあると思います。薬がやはり一番安価で、経済的余裕がない場合は頼りやすい。薬がないと管理ができない病気もあります。

ただ、やはり対症療法の薬は効けば効くほど副作用もあります。何かを遮断・阻害する、または何かの受容体に働きかけるといった場合、その部分が1つの働きだけを担うということはなくて、往々にして複数の機能に関わっていて、抑えたい機能以外も抑えてしまいます。そして機能というのはどんなに些細な働きであってもそれが存在する理由があります。ターゲットの機能以外も抑え込む可能性のある対症療法薬は往々にして長期摂取にはあまり向いていません。

本来は、症状を抑えている間に根本的な問題を改善すべき。それを行わないと、耐性がつき容量を増やさざるをえなくなったり、副作用のコントロールのために更に薬が必要になったり、薬がどんどん増えていき、コントロールが難しくなってきます。その頃に初めて薬が病気を治してくれるわけではにことに気が付きます。そしてその頃には元の状態に戻すことができない状態になっている場合もある。

そうならないために;

  1. 薬の使用は最低限に抑え、副作用の症状を他の薬で抑えないこと

  2. その疾患に特有の不足栄養素、または、総合ビタミン・ミネラルを摂取して体の土台の栄養レベルを上げ、ハーブや食材を上手に使って症状を軽減させる

  3. 食事で炎症性の食材(過度な肉食・動物性脂質・糖質・グルテン・乳製品)の摂取を控え、加工食品・加工調味料を減らし、ホールフードを食べること

  4. 周りに助けを求め、ストレスマネジメントや運動をし、生活習慣を整えて、生活を最適化する

  5. あるがままの自分を取り戻し、自分を愛すること

2番と3番により、1番を相当軽減することができます。また、2番と3番が整うことで、薬の使用が自然と減っていき、最低限の容量で症状がコントロールできる、または薬が不要になるほど自己治癒力が高まるようになります。

よく食事療法だけで疾患が治らないかと期待される人がいるのですが、長年の蓄積で起こっている症状・疾患の対応に、食事のみでセオリー上の栄養素を摂取しようとした場合、膨大な量の食事とそれを吸収できる体の吸収・代謝力が必要です。ところが、なにかしらの症状が出ている人は、その時点ですでに今食べているものすら完全に吸収できていないことの方が多いです。食べているのに吸収できていない。身体を治す必要な栄養が得られていないから、その歪みが弱い部分に症状として現れます。

ビタミンCや一部のビタミンBは水溶性なので常に流れて行ってしまうので定期的な補給が必要ですが、一部のビタミンBや脂溶性の抗酸化ビタミンやミネラルは一度しっかり補充すると体に蓄積され、自己治癒力が働き始めることが多いです。上手にサプリメントを活用しましょう。

また、栄養素は自力で吸収・代謝されるわけではなく、その吸収や代謝にたいてい他の栄養素が必要になってきます。アミノ酸も然りです。その吸収にビタミンB1やB6などビタミン類も必要になります。特にセレンなどの微量ミネラルも体の抗酸化に非常に重要な役割があります。個人でサプリを飲む場合、栄養素はバランスよく摂取しましょう。

また、遺伝的に特定の栄養素を代謝しにくい体質の人が存在していて、その場合もやはり、必要な栄養素を体内で活用しやすい形で摂取し、一定期間補充する必要が出てきます。

そして3番も重要です。炎症性食品、特にグルテンと乳製品を、食事から1ヶ月でも抜くと体調の変化がわかると思いますが、これらはとても体に負担をかけ、リーキーガットを促進させる食材です。リーキーガットがあると全ての疾患の症状を悪化させます。また、体が弱まっている人や、アレルギー体質、気分障害、発達障害などがある身体が敏感な人はわかると思いますが、添加物や化学物質は身体の刺激になり、皮膚刺激、頭痛、偏頭痛、痛み、イラつき、興奮などの症状で現れることがあり、余分な痛みや不快感を加算してしまう要因になります。体に良いものをたくさん摂っていたとしても、火事を鎮めるのに、ホースで大量に水をかけながら、一方でガソリンを注ぎ続けているようなもの。

できる限り加工食品や加工調味料は除去し、ホールフード、野菜や肉や魚などの細胞を食べましょう。

また、ホールフードで調理して生まれる甘味や旨味は、脳内モルヒネと呼ばれるβ-エンドルフィンやセロトニンを分泌させます。不快要因を減らし、身体が心地よく感じるものを増やしていきましょう。

また、メディカルハーブやスパイスなども活用していきましょう。現在存在するお薬の4割程度は、自然の成分に似せた人工物を含み、その成分は自然由来です。その「自然」の多くは薬用植物、メディカルハーブ、です。

薬とハーブの違いは成分の種類の多さ。薬が単一成分であるところ、ハーブは多様な成分が存在し、そのため、作用が穏やかで副作用なども起こりにくくなっています。ただ、効能があるということは薬と相互作用がある可能性があるので、活用していくにあたっては専門の知識が必要になってくると思います。ナチュロパスのコンサルテーションではその点も踏まえてアドバイスしてもらえると思いますので、一度コンサルテーションを受けて自分に必要な栄養素やハーブなどのアドバイスを受けるのも有用です。

ここまでは土台です。これらを整えた上で、ストレスマネジメントをする。

慢性疾患のトリガーはストレスであることが多いです。人間関係、家族関係、仕事量。ストレスを認識して、何に対してストレスを感じているかを明確にし、その改善に対処する必要があります。

仕事に圧倒されながら、そこで人間関係の問題もある。そんな場合はタイムマネジメントの方法を学び、仕事を整理します。タイムマネジメントをすると自ずと自分一人でやりきれない仕事量や問題が明確になるので、早い段階で上司や他部署の助けなどを求めることができます。膨大な仕事量が、会社の問題なのか、自分の問題なのか明確にできます。また、人間関係においては、それが自分の内面に起因しているものなのか相手の問題なのか「鏡の法則」などで自分と向き合いながら、または、カウンセリングを受けるのも良いでしょう。どのようなシチュエーションにおいても、問題を的確に把握することが大事。

今のこの流れの早い社会の中で、皆、自分の能力以上に頑張っていて余裕がない。周りの期待、自分の期待、インナーチャイルドが求める承認欲求に応えようと、自分にも他人にも厳しくなります。もしくは、不必要ないじめやパワハラを受けるなどの理不尽な環境であれば、自分を傷つけながらそこに居続ける理由があるのか?そこに向き合う必要が出てくるでしょう。

逃げるときは逃げる。環境を変える。自分を変える。自分の人生で自分は何をしたいのか、変わっていくビジョンを、20代、30代、40代、50代で段階を追って見つめ直し、軌道修正していく。

人生って想像以上に大きく変わっていきます。20代で同じ方向を向いていたパートナーが、40代で気づいたらお互いが全く違う方向を向いていたということも大いにありうる。一緒に生きる意味がなくなったのであれば、別々に生きる選択をすることも当然必要。心の痛みを伴う関係性は、離れる時にさらに大きい痛みを伴うかもしれないけれども、いつか決断を下すことが必要。

家族や介護の問題があるならば、まずはやはり、適切なところに相談をすることも必要。助けてほしいという声をあげること、人の手を借りること、自分の心や体の負担を減らすこと、問題から距離を取ること。現実の世界では、非常に狭い中での常識にとらわれて、がんじがらめになってしまっている。小さな箱から一歩外に出ると、自分はなんて小さな箱の中で息を詰めて暮らしていたんだろう、と気づく。

そんな風に、何度も何度も自分と向き合って、自分の生活を年齢に沿った形で、仕事・プライベートともにできるかぎり最適化していきます。

そして最後に、あるがままの自分を取り戻すこと。

慢性疾患はそれぞれその病気を起こしやすい特定の性格・気質の傾向というものがあります。例えば不安感が強い女性の高血圧、完璧主義者で頑張り屋のアトピー、自分を抑えこむがん、元来真面目で大人しく芯が頑固なタイプの人が自分を抑え込んだ時になりがちなパーキンソンなどなど。必ずというわけではないですが、そういう傾向の人が多い。平たく見ると、慢性疾患を患う人は、自分を抑えた良い人が多いわけです。

心の状態が身体に出る。1番から4番を整えても、長年染み付いた性格からはそうそう簡単には開放されません。また、幼少期に緊張した家庭環境で染み付いた緊張癖もなかなか取れないものです。

この状態を最善に持っていくのに、まずはあるがままの自分を出していくこと。それを受け入れてくれてくれる人を周りに集めること。

ここに至るには、さまざまなワークが必要になると思います。人それぞれですが、エニアグラムやキネシオロジーやヒプノセラピーなど自分を見つけ出すさまざまなワークを通して、成長の過程で鎧をたくさんかぶって見えなくなってしまっている「あるがままの自分」を再度取り戻す。

そして、マインドフルネス、瞑想や誘導瞑想、ヨガ、呼吸法、森林療法などで自然とつながることなどを通して、その「あるがままの自分」に光を与えて栄養を与えてあげる。

今、youtubeでも、マインドフルネスや誘導瞑想やヨガに関するコンテンツがたくさん存在していて無料でアクセスできます。それらを活用してもよいし、また、病気の人のためのマインドフルネスやサイモントン療法などのイメージ療法なども存在しています。サイモントン療法はがん患者のためのプログラムですが、がん以外の慢性疾患の方にも非常に有用です。

「あるがままの自分」に光を与え続けることが、慢性疾患でレジリエンスを高める最後の重要な項目。慢性疾患を持つ方は、症状に波が出ます。また、少しの生活の崩れが症状に影響します。症状をコントロールしながらも、幸福感を感じながら生活をするために光が必要です。

この光は、太陽の光や食べ物の栄養と同じように、こまめに摂り続けないといけません。定期的にマインドフルネスを行ったり、定期的に呼吸法を行ったり、イメージ療法を行う。マインドフルネスのボディスキャンなども有効です。ぜひ、お気に入りの動画などを見つけて、毎日の日課に夜寝る前などベッドの中で取り入れてみてください。

また、私も自分がよいと思う方法をみなさんに活用してもらえるよう、今、学びの最中です。来年には提供できるようになるかなと思います。準備が整ったらここでご報告します。

みんな、幸せになろうね。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?